トランプ大統領「この日から米国第一」【就任演説全文】
トランプ大統領「この日から米国第一」【就任演説全文】
(2017年01月21日 08:38 朝日新聞デジタル)
米国のドナルド・トランプ大統領が20日の就任式で行った演説の日本語訳は以下の通り。
ロバーツ連邦最高裁長官、カーター大統領、クリントン大統領、ブッシュ大統領、オバマ大統領、国民の皆さん、そして世界中の皆さん、ありがとう。
私たち米国民は今、自国を再建し、全ての国民にとって可能性をよみがえらせる壮大な国民的取り組みのために、一つにまとまっています。
私たちはともに、将来の米国と世界の針路を決めるのです。
私たちは試練に直面するでしょうし、困難にも突き当たるでしょう。しかし、やり抜きます。
4年に一度、私たちは整然と平和的な権力移行を行うためこの場所に集います。この移行の過程でオバマ大統領とミシェル大統領夫人からいただいた親切な助力に感謝します。2人は、本当に素晴らしかったです。ありがとう。
しかし、今日のセレモニーには特別な意味があります。なぜなら、単にある政権から別の政権に、あるいはある党から別の党に権力を移行するだけではないからです。私たちは、首都ワシントンから権力を移し、国民の皆さんに戻すのです。
あまりに長い間、この国の首都の小さな集団が政府からの恩恵にあずかる一方、国民はそのつけを背負わされてきました。
ワシントンは栄えましたが、国民はその富を共有しませんでした。
政治家は豊かになりましたが、職は失われ、工場も閉鎖されました。
既得権層は己の身は守りましたが、我が国の市民は守りませんでした。
彼らの勝利は、皆さんの勝利ではありませんでした。彼らの大成功は、皆さんの大成功ではありませんでした。そして彼らが首都で祝っているとき、私たちの国のいたる所で苦しんでいる家族にとって喜ぶことはほとんどありませんでした。
それらはすべて変わります。この場所から、今すぐに。なぜならこの瞬間は、皆さんの瞬間であり、皆さんのものだからです。
今日ここに集まったすべての皆さんのものであり、米国全土で見ている人たち全員のものです。
今日は皆さんの日です。皆さんのお祝いです。
そして、アメリカ合衆国は皆さんの国です。
本当に大事なことは、どの党が政権を握るかではなく、国民によって政府が支配されているかどうかということです。
2017年1月20日は、国民が再びこの国の支配者となった日として記憶されるのです。
私たちの国で忘れ去られていた男性、女性は、もう忘れられた存在ではありません。すべての人々が皆さんに耳を傾けています。
何千万もの皆さんが、世界がかつて目撃したことがないような歴史的な運動の一部になったのです。
その運動の中心にはとても大切な信念があります。国家は市民に奉仕するためにあるということです。
米国民は、子どもたちのために素晴らしい学校を求めています。家族のために安全な地域を、そして、自分たちのために良い仕事を。
そうしたことは、まっとうな市民の公正で理にかなった要求です。
しかし、とても多くの市民にとっては、違った現実が存在しています。荒廃した都市部では貧困の中に閉じ込められた母子たちがいます。さび付いた工場群が、まるで墓石のように私たちの国土の風景のあちこちに広がっています。教育制度には、潤沢な資金があるのに、若く、光り輝く生徒は、あらゆる知識を得られないでいます。犯罪と悪党と麻薬によってあまりに多くの命が失われ、私たちの国からまだ実を結んでいない多くの潜在力を奪っています。
こうした米国での殺戮(さつりく)は、ここで、今すぐ終わりとなります。
私たちは一つの国家であり、他人の痛みは自らの痛みです。他人の夢は自らの夢です。そして他人の成功は自らの成功になります。私たちは一つの心を、一つの故郷を、そして一つの輝かしい運命を共有するのです。
今日の私の宣誓は、全ての米国民への忠誠の誓いです。
何十年もの間、私たちは米国の産業を犠牲にして外国の産業を豊かにしてきました。
自国の軍隊の悲しむべき疲弊を許しておきながら、他国の軍を援助してきました。私たち自身の国境を守ることを拒否しながら、他国の国境を防衛してきました。そして、米国のインフラが荒廃し、劣化する一方で、何兆ドルも海外につぎ込んできました。
私たちの国の富、強さ、自信が地平線のかなたに消えていったさなかに、私たちは他国を裕福にしてきたのです。
一つずつ工場がシャッターを閉め、海外へ流出していったのに、取り残された何百万人もの米国人労働者のことは一顧だにされませんでした。
私たちの中流階層の富は、彼らの家から引きはがされ、世界中にばらまかれたのです。
しかし、それは過去の話です。今、私たちは将来だけを見ているのです。
私たちはここに集まり、新たな宣言をします。それは、すべての都市、すべての外国の首都、すべての権力層の耳に届くのです。
この日から、新たなビジョンが私たちの地を統治します。
この日から、「米国第一」だけになるのです。米国第一です。
貿易、税金、移民、そして外交問題に関するすべての決定が、米国の労働者や米国民の利益になるようにします。
私たちの製品をつくり、私たちの企業を奪い、雇用を破壊する他国の行為から、私たちは国境を守らなければなりません。防御が、大いなる繁栄と強さをもたらすのです。
私は、息の続く限り皆さんのために戦い続けます。そして、皆さんを決してがっかりさせません。
米国は再び勝利に向かいます。これまでにないほどにです。
私たちは雇用を取り戻します。私たちは国境を取り戻します。私たちは、富を取り戻します。そして、私たちは夢をも取り戻すのです。
私たちは、この素晴らしい国全土に、新しい道路、高速道路、橋、空港、トンネル、そして鉄道を建設します。
国民を福祉頼みから脱却させて、仕事に戻れるようにします。米国人の手で、そして米国人の働きで国を立て直すのです。
私たちが守るのは二つの単純なルールです。米国製品を購入し、米国人を雇用するということです。
私たちは世界中の国々との友好と親善を求めます。しかし、私たちがそうするのは、すべての国々が自己の国益を第一に考える権利があるという理解のもとにです。
私たちは、米国の生き方を誰にも無理強いしようとはしません。むしろ、模範として光を放つようにしたいのです。私たちは、だれもの手本になるように光を放ちます。
私たちは従来の同盟を強化し、新しい同盟を結びます。文明世界を結束させて過激なイスラムのテロリズムに立ち向かい、地球上から撲滅します。
私たちの政治の基盤を成すのは、アメリカ合衆国への完全な忠誠です。そして、国に対する忠誠を通じて、私たちは互いへの忠誠を再び見いだすのです。
愛国主義に心を開けば、偏見の入る余地はなくなります。
聖書は私たちに、「見よ、兄弟が共に座っている。なんという恵み、なんという喜び」と教えてくれます。
私たちは心を開いて自らの考えを述べ、違った意見と率直に議論しながらも、いつも結束を追求しなければなりません。
米国は団結すれば、誰にも止められない国になります。
恐れることはありません。私たちは守られているし、常に守られていくでしょう。
私たちは偉大な軍隊や法執行機関によって守られていくでしょう。そして、最も重大なのは、私たちは神から守られているということです。
最後に、私たちは大きなことを考え、より大きなことを夢見なければいけません。
米国では、私たちは国が頑張っている時だけ、国が存在し続けると理解しています。
私たちは口先だけで、何も行動しない政治家はもう受け入れないでしょう。絶えず文句を言いながら、そのことに対処しない人たちです。
中身のない話をする時間はおしまいです。
行動する時がやってきました。
それは無理だ、とは誰にも言わせてはいけません。米国の心や闘争心、精神を超える試練はありません。
私たちは失敗しません。この国は再び繁栄し、豊かになります。
私たちは新たな時代の幕開けにいます。宇宙の謎を解き、地球を疫病の悲劇から救い、明日の新たなエネルギー、産業、技術を活用する時です。
この国の新たな誇りは、私たちの魂を奮い立たせ、前を向かせ、分断を癒やします。
我が国の軍人が決して忘れることのない古い教えを思い出しましょう。肌の色が黒でも褐色でも白であっても、私たちには同じ愛国者の赤い血が流れているということです。私たちは皆、この輝かしい自由を謳歌(おうか)し、みな同じ、偉大な星条旗に敬礼します。
無計画に広がるデトロイト市街に生まれた子どもでも、ネブラスカの風吹きすさぶ大地に生まれた子どもでも、同じ夜空を眺め、同じ夢で胸を満たし、同じ神から命の息を吹き入れられるのです。
街の場所や街の規模の大小を問わず、山から山、海から海に至る、あらゆる場所に暮らす全ての米国人の皆さん。この言葉を聞いてください。
皆さんは、もう決して見放されることはありません。
皆さんの声、希望、夢は、米国の運命を決めます。皆さんの勇気、慈悲、そして愛が、永遠に私たちを導いてくれます。
ともに、私たちは再び米国を強くするのです。再び米国を裕福にするのです。再び米国を誇り高い国にするのです。再び米国を安全にするのです。
そして、そう、ともに、再び米国を偉大な国にするのです。ありがとう。皆さんに神のご加護を。米国に神のご加護を。
8年前のオバマ大統領就任の時は、当ブログで「オバマ氏、世界大統領就任」と書きましたが、この8年の間に時代は変わりました。「テロとの戦い」に疲弊したアメリカは世界の警察から手を引きつつあります。そして、トランプ氏は「米国第一」を掲げています。議員(政治家)経験も軍人経験もなく、大富豪の二世として生まれたトランプ氏の言動や資質を見ても「世界」感はありません。
>私たちは、首都ワシントンから権力を移し、国民の皆さんに戻すのです。
>ワシントンは栄えましたが、国民はその富を共有しませんでした。
>政治家は豊かになりましたが、職は失われ、工場も閉鎖されました。
>既得権層は己の身は守りましたが、我が国の市民は守りませんでした
>何十年もの間、私たちは米国の産業を犠牲にして外国の産業を豊かにしてきました。
ワシントンをヒール役にしていますが、トランプ氏だって「既得権者」なんですよね。そんなトランプ氏が自身の支持者である白人労働者層のために外国の自動車メーカーを叩いています。トランプ氏の頭の中は80年代の日米貿易摩擦時代で止まっています。トランプ氏はトヨタに名指しで圧力をかけたりしていましたが、既に日本の自動車関税はゼロなんですよね。逆に2・5%の自動車関税を残しているのがアメリカです。トランプ氏は、間違った、あるいは、彼にとって都合のいい知識のもとに自身の支持者層のための政治を行う可能性が高いと言えます。
>私たちが守るのは二つの単純なルールです。米国製品を購入し、米国人を雇用するということです。
そうなれば良いかもしれませんが、無理でしょう。例えば、少なからぬアメリカ人がアメ車に乗りたくない現実があります。魅力的な車を作れなかったビッグ3に文句を言って欲しいものです。これは他の工業製品にも言えることです。また、アメリカ人を雇用するといっても、賃金の安い仕事は移民によって支えられているのも事実です。
>自国の軍隊の悲しむべき疲弊を許しておきながら、他国の軍を援助してきました。私たち自身の国境を守ることを拒否しながら、他国の国境を防衛してきました。
>私たちは従来の同盟を強化し、新しい同盟を結びます。文明世界を結束させて過激なイスラムのテロリズムに立ち向かい、地球上から撲滅します。
>愛国主義に心を開けば、偏見の入る余地はなくなります。
トランプ氏はメキシコとの国境に壁をつくると言っていましたが、それ以外でも「テロとの戦い」にも触れています。そして、「愛国主義」を唱えています。ここから想像することは、早々に内政に行き詰ったトランプ氏が米国民の不満のはけ口を国外に求める姿です。
CNNの世論調査では、トランプ氏は就任目前の支持率としては「近年の大統領で最低」の40%でした。不支持率は52%です。一方、8年前のオバマ氏の支持率はCNNの世論調査で84%と過去最高レベルでした。CNNの発表を受け、トランプ氏はツイッターで「世論調査をやっているのは、いんちきな情勢調査で大統領選の結果を間違ったのと同じ人々。数字は不正操作されている」と書き込んでいます。自分に都合の悪い現実はマスコミや他者のせいにし、まるで日本の安倍首相みたいだなと思いますが、かつてのアメリカを取り戻そうとしているトランプ氏と「日本を取り戻す」とのたまう安倍首相は似た者同士かもしれません。ついでに言えば、「都民ファースト」を掲げる小池都知事と「アメリカファースト」を掲げるトランプ氏もポピュリズムを駆使する政治家として似た者同士かもしれません。一寸先は闇、危険な素人がアメリカ大統領に就任しました。トランプ氏は4年の任期を全うすることができるでしょうか。
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(2017年01月21日 08:38 朝日新聞デジタル)
米国のドナルド・トランプ大統領が20日の就任式で行った演説の日本語訳は以下の通り。
ロバーツ連邦最高裁長官、カーター大統領、クリントン大統領、ブッシュ大統領、オバマ大統領、国民の皆さん、そして世界中の皆さん、ありがとう。
私たち米国民は今、自国を再建し、全ての国民にとって可能性をよみがえらせる壮大な国民的取り組みのために、一つにまとまっています。
私たちはともに、将来の米国と世界の針路を決めるのです。
私たちは試練に直面するでしょうし、困難にも突き当たるでしょう。しかし、やり抜きます。
4年に一度、私たちは整然と平和的な権力移行を行うためこの場所に集います。この移行の過程でオバマ大統領とミシェル大統領夫人からいただいた親切な助力に感謝します。2人は、本当に素晴らしかったです。ありがとう。
しかし、今日のセレモニーには特別な意味があります。なぜなら、単にある政権から別の政権に、あるいはある党から別の党に権力を移行するだけではないからです。私たちは、首都ワシントンから権力を移し、国民の皆さんに戻すのです。
あまりに長い間、この国の首都の小さな集団が政府からの恩恵にあずかる一方、国民はそのつけを背負わされてきました。
ワシントンは栄えましたが、国民はその富を共有しませんでした。
政治家は豊かになりましたが、職は失われ、工場も閉鎖されました。
既得権層は己の身は守りましたが、我が国の市民は守りませんでした。
彼らの勝利は、皆さんの勝利ではありませんでした。彼らの大成功は、皆さんの大成功ではありませんでした。そして彼らが首都で祝っているとき、私たちの国のいたる所で苦しんでいる家族にとって喜ぶことはほとんどありませんでした。
それらはすべて変わります。この場所から、今すぐに。なぜならこの瞬間は、皆さんの瞬間であり、皆さんのものだからです。
今日ここに集まったすべての皆さんのものであり、米国全土で見ている人たち全員のものです。
今日は皆さんの日です。皆さんのお祝いです。
そして、アメリカ合衆国は皆さんの国です。
本当に大事なことは、どの党が政権を握るかではなく、国民によって政府が支配されているかどうかということです。
2017年1月20日は、国民が再びこの国の支配者となった日として記憶されるのです。
私たちの国で忘れ去られていた男性、女性は、もう忘れられた存在ではありません。すべての人々が皆さんに耳を傾けています。
何千万もの皆さんが、世界がかつて目撃したことがないような歴史的な運動の一部になったのです。
その運動の中心にはとても大切な信念があります。国家は市民に奉仕するためにあるということです。
米国民は、子どもたちのために素晴らしい学校を求めています。家族のために安全な地域を、そして、自分たちのために良い仕事を。
そうしたことは、まっとうな市民の公正で理にかなった要求です。
しかし、とても多くの市民にとっては、違った現実が存在しています。荒廃した都市部では貧困の中に閉じ込められた母子たちがいます。さび付いた工場群が、まるで墓石のように私たちの国土の風景のあちこちに広がっています。教育制度には、潤沢な資金があるのに、若く、光り輝く生徒は、あらゆる知識を得られないでいます。犯罪と悪党と麻薬によってあまりに多くの命が失われ、私たちの国からまだ実を結んでいない多くの潜在力を奪っています。
こうした米国での殺戮(さつりく)は、ここで、今すぐ終わりとなります。
私たちは一つの国家であり、他人の痛みは自らの痛みです。他人の夢は自らの夢です。そして他人の成功は自らの成功になります。私たちは一つの心を、一つの故郷を、そして一つの輝かしい運命を共有するのです。
今日の私の宣誓は、全ての米国民への忠誠の誓いです。
何十年もの間、私たちは米国の産業を犠牲にして外国の産業を豊かにしてきました。
自国の軍隊の悲しむべき疲弊を許しておきながら、他国の軍を援助してきました。私たち自身の国境を守ることを拒否しながら、他国の国境を防衛してきました。そして、米国のインフラが荒廃し、劣化する一方で、何兆ドルも海外につぎ込んできました。
私たちの国の富、強さ、自信が地平線のかなたに消えていったさなかに、私たちは他国を裕福にしてきたのです。
一つずつ工場がシャッターを閉め、海外へ流出していったのに、取り残された何百万人もの米国人労働者のことは一顧だにされませんでした。
私たちの中流階層の富は、彼らの家から引きはがされ、世界中にばらまかれたのです。
しかし、それは過去の話です。今、私たちは将来だけを見ているのです。
私たちはここに集まり、新たな宣言をします。それは、すべての都市、すべての外国の首都、すべての権力層の耳に届くのです。
この日から、新たなビジョンが私たちの地を統治します。
この日から、「米国第一」だけになるのです。米国第一です。
貿易、税金、移民、そして外交問題に関するすべての決定が、米国の労働者や米国民の利益になるようにします。
私たちの製品をつくり、私たちの企業を奪い、雇用を破壊する他国の行為から、私たちは国境を守らなければなりません。防御が、大いなる繁栄と強さをもたらすのです。
私は、息の続く限り皆さんのために戦い続けます。そして、皆さんを決してがっかりさせません。
米国は再び勝利に向かいます。これまでにないほどにです。
私たちは雇用を取り戻します。私たちは国境を取り戻します。私たちは、富を取り戻します。そして、私たちは夢をも取り戻すのです。
私たちは、この素晴らしい国全土に、新しい道路、高速道路、橋、空港、トンネル、そして鉄道を建設します。
国民を福祉頼みから脱却させて、仕事に戻れるようにします。米国人の手で、そして米国人の働きで国を立て直すのです。
私たちが守るのは二つの単純なルールです。米国製品を購入し、米国人を雇用するということです。
私たちは世界中の国々との友好と親善を求めます。しかし、私たちがそうするのは、すべての国々が自己の国益を第一に考える権利があるという理解のもとにです。
私たちは、米国の生き方を誰にも無理強いしようとはしません。むしろ、模範として光を放つようにしたいのです。私たちは、だれもの手本になるように光を放ちます。
私たちは従来の同盟を強化し、新しい同盟を結びます。文明世界を結束させて過激なイスラムのテロリズムに立ち向かい、地球上から撲滅します。
私たちの政治の基盤を成すのは、アメリカ合衆国への完全な忠誠です。そして、国に対する忠誠を通じて、私たちは互いへの忠誠を再び見いだすのです。
愛国主義に心を開けば、偏見の入る余地はなくなります。
聖書は私たちに、「見よ、兄弟が共に座っている。なんという恵み、なんという喜び」と教えてくれます。
私たちは心を開いて自らの考えを述べ、違った意見と率直に議論しながらも、いつも結束を追求しなければなりません。
米国は団結すれば、誰にも止められない国になります。
恐れることはありません。私たちは守られているし、常に守られていくでしょう。
私たちは偉大な軍隊や法執行機関によって守られていくでしょう。そして、最も重大なのは、私たちは神から守られているということです。
最後に、私たちは大きなことを考え、より大きなことを夢見なければいけません。
米国では、私たちは国が頑張っている時だけ、国が存在し続けると理解しています。
私たちは口先だけで、何も行動しない政治家はもう受け入れないでしょう。絶えず文句を言いながら、そのことに対処しない人たちです。
中身のない話をする時間はおしまいです。
行動する時がやってきました。
それは無理だ、とは誰にも言わせてはいけません。米国の心や闘争心、精神を超える試練はありません。
私たちは失敗しません。この国は再び繁栄し、豊かになります。
私たちは新たな時代の幕開けにいます。宇宙の謎を解き、地球を疫病の悲劇から救い、明日の新たなエネルギー、産業、技術を活用する時です。
この国の新たな誇りは、私たちの魂を奮い立たせ、前を向かせ、分断を癒やします。
我が国の軍人が決して忘れることのない古い教えを思い出しましょう。肌の色が黒でも褐色でも白であっても、私たちには同じ愛国者の赤い血が流れているということです。私たちは皆、この輝かしい自由を謳歌(おうか)し、みな同じ、偉大な星条旗に敬礼します。
無計画に広がるデトロイト市街に生まれた子どもでも、ネブラスカの風吹きすさぶ大地に生まれた子どもでも、同じ夜空を眺め、同じ夢で胸を満たし、同じ神から命の息を吹き入れられるのです。
街の場所や街の規模の大小を問わず、山から山、海から海に至る、あらゆる場所に暮らす全ての米国人の皆さん。この言葉を聞いてください。
皆さんは、もう決して見放されることはありません。
皆さんの声、希望、夢は、米国の運命を決めます。皆さんの勇気、慈悲、そして愛が、永遠に私たちを導いてくれます。
ともに、私たちは再び米国を強くするのです。再び米国を裕福にするのです。再び米国を誇り高い国にするのです。再び米国を安全にするのです。
そして、そう、ともに、再び米国を偉大な国にするのです。ありがとう。皆さんに神のご加護を。米国に神のご加護を。
8年前のオバマ大統領就任の時は、当ブログで「オバマ氏、世界大統領就任」と書きましたが、この8年の間に時代は変わりました。「テロとの戦い」に疲弊したアメリカは世界の警察から手を引きつつあります。そして、トランプ氏は「米国第一」を掲げています。議員(政治家)経験も軍人経験もなく、大富豪の二世として生まれたトランプ氏の言動や資質を見ても「世界」感はありません。
>私たちは、首都ワシントンから権力を移し、国民の皆さんに戻すのです。
>ワシントンは栄えましたが、国民はその富を共有しませんでした。
>政治家は豊かになりましたが、職は失われ、工場も閉鎖されました。
>既得権層は己の身は守りましたが、我が国の市民は守りませんでした
>何十年もの間、私たちは米国の産業を犠牲にして外国の産業を豊かにしてきました。
ワシントンをヒール役にしていますが、トランプ氏だって「既得権者」なんですよね。そんなトランプ氏が自身の支持者である白人労働者層のために外国の自動車メーカーを叩いています。トランプ氏の頭の中は80年代の日米貿易摩擦時代で止まっています。トランプ氏はトヨタに名指しで圧力をかけたりしていましたが、既に日本の自動車関税はゼロなんですよね。逆に2・5%の自動車関税を残しているのがアメリカです。トランプ氏は、間違った、あるいは、彼にとって都合のいい知識のもとに自身の支持者層のための政治を行う可能性が高いと言えます。
>私たちが守るのは二つの単純なルールです。米国製品を購入し、米国人を雇用するということです。
そうなれば良いかもしれませんが、無理でしょう。例えば、少なからぬアメリカ人がアメ車に乗りたくない現実があります。魅力的な車を作れなかったビッグ3に文句を言って欲しいものです。これは他の工業製品にも言えることです。また、アメリカ人を雇用するといっても、賃金の安い仕事は移民によって支えられているのも事実です。
>自国の軍隊の悲しむべき疲弊を許しておきながら、他国の軍を援助してきました。私たち自身の国境を守ることを拒否しながら、他国の国境を防衛してきました。
>私たちは従来の同盟を強化し、新しい同盟を結びます。文明世界を結束させて過激なイスラムのテロリズムに立ち向かい、地球上から撲滅します。
>愛国主義に心を開けば、偏見の入る余地はなくなります。
トランプ氏はメキシコとの国境に壁をつくると言っていましたが、それ以外でも「テロとの戦い」にも触れています。そして、「愛国主義」を唱えています。ここから想像することは、早々に内政に行き詰ったトランプ氏が米国民の不満のはけ口を国外に求める姿です。
CNNの世論調査では、トランプ氏は就任目前の支持率としては「近年の大統領で最低」の40%でした。不支持率は52%です。一方、8年前のオバマ氏の支持率はCNNの世論調査で84%と過去最高レベルでした。CNNの発表を受け、トランプ氏はツイッターで「世論調査をやっているのは、いんちきな情勢調査で大統領選の結果を間違ったのと同じ人々。数字は不正操作されている」と書き込んでいます。自分に都合の悪い現実はマスコミや他者のせいにし、まるで日本の安倍首相みたいだなと思いますが、かつてのアメリカを取り戻そうとしているトランプ氏と「日本を取り戻す」とのたまう安倍首相は似た者同士かもしれません。ついでに言えば、「都民ファースト」を掲げる小池都知事と「アメリカファースト」を掲げるトランプ氏もポピュリズムを駆使する政治家として似た者同士かもしれません。一寸先は闇、危険な素人がアメリカ大統領に就任しました。トランプ氏は4年の任期を全うすることができるでしょうか。
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