「心残りは税財政・社会保障改革」御手洗経団連会長が退任会見
<経団連>「やり切った」…御手洗会長、最後の定例会見
(毎日新聞 - 05月20日 21:33)
今月27日に退任する日本経団連の御手洗冨士夫会長が20日、最後の定例会見に臨み、「政治、経済ともに激動の時代だった」と述べ、リーマン・ショックや政権交代を経験した在任4年間を振り返った。御手洗会長は「一企業を預かる責任に比べ、経団連会長という職務の比べものにならない重さ、大きさを実感する毎日だった。やり切ったというさわやかな気分はある」と心境を語った。
御手洗会長在任時の大きな変化は、昨年の政権交代で経団連が政権与党と築いてきた密接な関係が崩壊したことだ。財界と距離を置く民主党を中心とする新政権との関係作りに苦心した。政治との距離の取り方の再検討を迫られた。
一方、リーマン・ショック後の世界的な景気悪化にも直面した。エコポイントやエコカー減税制度の創設による景気浮上策の立案などに奔走した。
経済外交では26カ国を訪問。成長が期待される中国には11回訪れ、温家宝首相らから信頼を得た。御手洗会長は「日本にとって最大の貿易相手国の中国とのパイプを強化できた」と自己評価した。
やり残した課題としては消費税増税の議論など「社会保障と税財政の一体改革が進まなかったこと」を挙げ、次期会長に内定している米倉弘昌評議員会議長(住友化学会長)に「政府と一体となって着実に成長戦略を進め、財政再建のための道筋を明確にしてほしい」と期待を語った。【米川直己】
なにが「やり切った」ですか。
御手洗氏としては、政党への政治献金を解禁してまで自民党にせっせと献金して経団連・大企業優遇の政策を次々と実現できたから「やり切った」感はあるんでしょうね。「政治をカネで買った」だけですが。危なく「ホワイトカラー・エグゼンプション」まで実現されるところでした。労働基準法すら守られていない中で導入されたら、残業代という概念が消失するところでした。鳩山政権への文句は山ほどあっても政権交代した意味はちゃんとあったんですよ。献金は取り止めましたし。
心残りは税財政・社会保障改革=御手洗経団連会長がお別れ会見
(時事通信 2010/05/20-17:41)
日本経団連の御手洗冨士夫会長は20日、退任を27日に控えた最後の記者会見で、2期4年の在任期間を振り返って「税財政と社会保障の一体改革が進まなかったのは心残り」と述べ、将来の国民生活の安定に向けた道筋を付けられなかったことを反省点として挙げた。
御手洗会長は、その理由を「長期的な安定政権で取り組まなければ解決できない。また、ほぼ10年間デフレが続いている」と説明。自民党政権下で短命内閣が続いたことや昨年の政権交代などで政局が不安定だった上に、高い成長が見込めない経済状況では、経済・社会の根幹にかかわる制度改革は困難と強調した。
鳩山政権の発足後、政府・与党との関係が疎遠になったことには「(担当部署間で)政策対話を続け、距離は急速に縮まっている」と指摘。政府が6月策定に向けて作業中の成長戦略についても「方向性は同じ」と述べ、米倉弘昌次期会長に「(政府とともに)着実に成長戦略に取り組み、財政再建の道筋を明確にしてほしい」とエールを送った。
>「長期的な安定政権で取り組まなければ解決できない。また、ほぼ10年間デフレが続いている」
デフレが続いているのは、自分たちの責任が大きいことには気付いていないようです。
「自民党政権下で短命内閣が続いたことや昨年の政権交代などで政局が不安定だった」のは、「痛みに耐えろ」と弱者を切り捨てた小泉改革で痛みに耐え切れなくなった反動ですよ。小泉改革を推し進めた奥田前会長、その路線を引き継いだ御手洗会長の「自己責任」です。「将来の国民生活の安定に向けた道筋を付けられなかったことを反省点として挙げた」なんて言われても嘘にしか聞こえません。いつでも自分たちの利益以外は考えていなかったですからね。一般国民がどうなろうと知ったこっちゃないんですよ。
先月の会見ではこんなことを言っていました。
御手洗冨士夫日本経団連会長は12日の定例会見で、「来年度予算は巨額の歳出が必要になり、中長期的にみて日本経済に悪影響を及ぼす」と懸念を示し、「これを正すためにも消費税を2011年から段階的に10%に引き上げなければならない」と語った。
御手洗会長は「日本の将来のために税制改正は避けて通れない。法人税に頼らず、景気・不景気に弱い構造を直すべきだ」と言及。
「消費税を拡充して目的税化し、社会保障に充てるべきだ」と日本経団連の従来の主張を改めて強調し、「少なくとも10%以上の消費税率引き上げが必要だ」と力説した。(産経ニュース 2010/04/12)
「来年度予算は巨額の歳出が必要になり、中長期的にみて日本経済に悪影響を及ぼす」ということは、歳出削減しろ、ということで、財政再建のために「これを正すためにも消費税を2011年から段階的に10%に引き上げなければならない」という理屈は分かります。しかし、なぜか同時に法人税の引き下げも主張してきました。「国際競争力」のために必要なんだそうです。表面的なの実効税率だけ比べて、法人税率が国際的に高いと嘘までついて。社会保障の財源に、財政再建の財源に、法人税を充てようという考えはないんですよね。企業の利益になることしか考えていません。この矛盾をどう説明してくれるのでしょうか。
「消費税を拡充して目的税化し、社会保障に充てるべきだ」という主張は国民の理解を得やすいです。しかし、これまで消費税の引き上げと引き換えに法人税の引き下げが行われ、税収は相殺されていたことは多くの国民は知りません。「社会保障のために消費税引き上げ」「国際競争力のために法人税引き下げ」、どちらも多くの国民はやむを得ないと思っていますが、その裏にある矛盾や嘘に騙されてはいけません。
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(毎日新聞 - 05月20日 21:33)
今月27日に退任する日本経団連の御手洗冨士夫会長が20日、最後の定例会見に臨み、「政治、経済ともに激動の時代だった」と述べ、リーマン・ショックや政権交代を経験した在任4年間を振り返った。御手洗会長は「一企業を預かる責任に比べ、経団連会長という職務の比べものにならない重さ、大きさを実感する毎日だった。やり切ったというさわやかな気分はある」と心境を語った。
御手洗会長在任時の大きな変化は、昨年の政権交代で経団連が政権与党と築いてきた密接な関係が崩壊したことだ。財界と距離を置く民主党を中心とする新政権との関係作りに苦心した。政治との距離の取り方の再検討を迫られた。
一方、リーマン・ショック後の世界的な景気悪化にも直面した。エコポイントやエコカー減税制度の創設による景気浮上策の立案などに奔走した。
経済外交では26カ国を訪問。成長が期待される中国には11回訪れ、温家宝首相らから信頼を得た。御手洗会長は「日本にとって最大の貿易相手国の中国とのパイプを強化できた」と自己評価した。
やり残した課題としては消費税増税の議論など「社会保障と税財政の一体改革が進まなかったこと」を挙げ、次期会長に内定している米倉弘昌評議員会議長(住友化学会長)に「政府と一体となって着実に成長戦略を進め、財政再建のための道筋を明確にしてほしい」と期待を語った。【米川直己】
なにが「やり切った」ですか。
御手洗氏としては、政党への政治献金を解禁してまで自民党にせっせと献金して経団連・大企業優遇の政策を次々と実現できたから「やり切った」感はあるんでしょうね。「政治をカネで買った」だけですが。危なく「ホワイトカラー・エグゼンプション」まで実現されるところでした。労働基準法すら守られていない中で導入されたら、残業代という概念が消失するところでした。鳩山政権への文句は山ほどあっても政権交代した意味はちゃんとあったんですよ。献金は取り止めましたし。
心残りは税財政・社会保障改革=御手洗経団連会長がお別れ会見
(時事通信 2010/05/20-17:41)
日本経団連の御手洗冨士夫会長は20日、退任を27日に控えた最後の記者会見で、2期4年の在任期間を振り返って「税財政と社会保障の一体改革が進まなかったのは心残り」と述べ、将来の国民生活の安定に向けた道筋を付けられなかったことを反省点として挙げた。
御手洗会長は、その理由を「長期的な安定政権で取り組まなければ解決できない。また、ほぼ10年間デフレが続いている」と説明。自民党政権下で短命内閣が続いたことや昨年の政権交代などで政局が不安定だった上に、高い成長が見込めない経済状況では、経済・社会の根幹にかかわる制度改革は困難と強調した。
鳩山政権の発足後、政府・与党との関係が疎遠になったことには「(担当部署間で)政策対話を続け、距離は急速に縮まっている」と指摘。政府が6月策定に向けて作業中の成長戦略についても「方向性は同じ」と述べ、米倉弘昌次期会長に「(政府とともに)着実に成長戦略に取り組み、財政再建の道筋を明確にしてほしい」とエールを送った。
>「長期的な安定政権で取り組まなければ解決できない。また、ほぼ10年間デフレが続いている」
デフレが続いているのは、自分たちの責任が大きいことには気付いていないようです。
「自民党政権下で短命内閣が続いたことや昨年の政権交代などで政局が不安定だった」のは、「痛みに耐えろ」と弱者を切り捨てた小泉改革で痛みに耐え切れなくなった反動ですよ。小泉改革を推し進めた奥田前会長、その路線を引き継いだ御手洗会長の「自己責任」です。「将来の国民生活の安定に向けた道筋を付けられなかったことを反省点として挙げた」なんて言われても嘘にしか聞こえません。いつでも自分たちの利益以外は考えていなかったですからね。一般国民がどうなろうと知ったこっちゃないんですよ。
先月の会見ではこんなことを言っていました。
御手洗冨士夫日本経団連会長は12日の定例会見で、「来年度予算は巨額の歳出が必要になり、中長期的にみて日本経済に悪影響を及ぼす」と懸念を示し、「これを正すためにも消費税を2011年から段階的に10%に引き上げなければならない」と語った。
御手洗会長は「日本の将来のために税制改正は避けて通れない。法人税に頼らず、景気・不景気に弱い構造を直すべきだ」と言及。
「消費税を拡充して目的税化し、社会保障に充てるべきだ」と日本経団連の従来の主張を改めて強調し、「少なくとも10%以上の消費税率引き上げが必要だ」と力説した。(産経ニュース 2010/04/12)
「来年度予算は巨額の歳出が必要になり、中長期的にみて日本経済に悪影響を及ぼす」ということは、歳出削減しろ、ということで、財政再建のために「これを正すためにも消費税を2011年から段階的に10%に引き上げなければならない」という理屈は分かります。しかし、なぜか同時に法人税の引き下げも主張してきました。「国際競争力」のために必要なんだそうです。表面的なの実効税率だけ比べて、法人税率が国際的に高いと嘘までついて。社会保障の財源に、財政再建の財源に、法人税を充てようという考えはないんですよね。企業の利益になることしか考えていません。この矛盾をどう説明してくれるのでしょうか。
「消費税を拡充して目的税化し、社会保障に充てるべきだ」という主張は国民の理解を得やすいです。しかし、これまで消費税の引き上げと引き換えに法人税の引き下げが行われ、税収は相殺されていたことは多くの国民は知りません。「社会保障のために消費税引き上げ」「国際競争力のために法人税引き下げ」、どちらも多くの国民はやむを得ないと思っていますが、その裏にある矛盾や嘘に騙されてはいけません。
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テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも - ジャンル : 政治・経済
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