サキヨミ『年次改革要望書特集、第2弾』放送内容メモ
昨夜、フジテレビ「サキヨミ」で『年次改革要望書』特集の第2弾が放送されました。
VTRとスタジオコメントをまとめて書き起こしました。
ほぼ正確にVTRのナレーションまで書き起こしてあります。
ご自由に転載ください。
サキヨミ『年次改革要望書特集、第2弾』放送内容メモ
12月7日放送(約19分間)
(VTR開始)
今年10月、「サキヨミ」が伝えた「年次改革要望書」の特集は放送後大きな波紋を広げた。郵政民営化や派遣労働の原則自由化、要望書に書かれると数年後に実現するのはただの偶然なのか。そして、今年も日本の預言書はやってきた。2008年版年次改革要望書、全45ページに及ぶその文章の中には、今年もまたアメリカからの驚くべき要求が並んでいた。
今年もまたアメリカからの指令書とも言える「年次改革要望書」がやってきた。サキヨミは4人の専門家に要望書の分析を依頼、私たち日本国民の生活に直接影響の出そうなポイントを読み解いてもらった。
「2008年版年次改革要望書 その全容」
目次を見ると、通信、情報技術、医療、金融など10項目に渡り細かく要望が書かれていることが分かる。その中には「競争」という二文字が至るところに散りばめられていた。実に45ページ中72ヵ所、アメリカが望む競争社会日本とは。
中でも、食品の安全に詳しい小若純一氏が注目したのは、
規制緩和 収穫後の農薬
日本の農作物を国際競争の波にさらそうとするこんな一文だった。
「収穫前・収穫後の農薬の使用形態に対して単一の最大残留基準を実施すること」
これはいったいどういう意味なのか?
小若純一氏(食品と暮らしの安全基金代表)
「日本国内の農作物には収穫後の農薬は使えないのにアメリカでは認められている。アメリカのルールを日本にのんでもらいたいというのが狙い」
収穫後にかける農薬
・輸送中のカビ防止などに使われる
収穫前の農薬に比べ残留する可能性が高いため、日本では原則禁止されている。
輸出を増やしたいアメリカにとって、それはビジネスチャンスを逃す大きな痛手。
しかし、そのような農薬が使われた農作物を日本の消費者は本当に買うのだろうか?
主婦の声
「敬遠はしますね、できれば農薬がかかってない方がいいので」
「買いたくないですね、農薬漬けになると困りますよね」
「小さな子供がいるのでやっぱり心配ですよね」
アメリカが輸出したいものとは?
そのヒントを探すためサキヨミは過去にも同じような規制緩和の事実がなかったかどうか過去の記事を調べてみた。
すると、1993年の記事に。
「ジャガイモの芽止めに使われる処理剤は、他の作物には0.05ppmなどと厳しく設定されたにもかかわらず、ジャガイモだけはアメリカと同じ50ppmと甘い基準になった」
1000倍にも及ぶ突然の規制緩和、なぜこんな事態になったのか。
その答えがジャガイモの規制緩和について話し合われた農水委員会の映像に存在する。
「実はジャガイモに対する農薬のクロルプロファムについては国際基準はございません」
“国際基準がない”それなのに日本だけ厳しい規制があるのはおかしいではないか、これこそがアメリカが指摘してきたポイントだった。
当時農水委員会で発言した民主党・山田正彦衆院議員
「なんで50ppmにしたかというと結局根拠が言えないんですね。ブッシュ大統領が平成4年に日本に来た時の対日要望によって、アメリカの言いなりにアメリカからの穀物が日本にそのまま入ってきやすいようにしている」
国際基準(コーデックス基準)がないうちに規制緩和を迫る
今回もその手法で攻めてくるとしたら?
・アメリカの主要農産物
・国際基準がない
・日本が厳しい残留基準値
これらの条件にピタリとはまる農産物があった。
それは、リンゴだ。
(Apple、postharvestと記載されている)
サキヨミはアメリカのリンゴが収穫後にどのように農薬をかけられているのかを映した衝撃的な映像を入手した。
「ポストハーベスト農薬汚染2」(ビデオのタイトル)
出荷を待つコンテナに積まれた大量のリンゴ、それらにまるで洗っているかのようにじゃぶじゃぶかけられている液体、これが収穫後の農薬の実態だ。
だが、いったん規制緩和してしまえば、その基準はアメリカ以外の国にも適用される。今はまだ収穫後の農薬が認められていない200種類もの農作物にまで、新たな農薬が使われる可能性が指摘されている。
・ナス 韓国
・キュウリ 韓国
・カボチャ ニュージーランド
・白菜 台湾
・キノコ フランス
・アスパラガス タイ
・トウモロコシ オーストラリア
規制緩和 薬の価格
2008年版の要望は、国民の健康に直結する分野にも容赦なく及ぶ。
医薬品行政に詳しい片平教授(東洋大学社会学部)が注目したのは、
「革新的医薬品の価値を損なう毎年の価格改正を控え、革新的新薬の導入を促進させる」
これはいったいどういう意味なのか?
片平教授
「日本のこれまでの薬価の特徴は最初が高くて、それが下がっていく。メーカーとしては“10年10億”と言われる開発の日数とかコストを早く販売して取り戻したいわけですよね」
ある薬の値段の推移
127.4円(1989年)→68.9円(2006年)
これは患者が薬を入手しやすくするためなのだが、
アメリカはこれでは“新薬開発へのモチベーションが下がる”と主張する。
つまり、“競争力が低下するからよくない”というのだが、
片平教授は「多国籍製薬企業がマーケット開拓を狙っている」と指摘する。
日本をおいしい市場にしたいという思惑、競争という名の影に、アメリカの本音が見え隠れする。
規制緩和 年金
一方、経済アナリストの森永氏はアメリカは日本の年金市場への参入を狙っていると言う。
「アメリカは、日本が確定拠出年金制度の改善に継続して取り組むことを奨励する」
危機的な状況にある日本の公的年金を救おうとするかのように新たなる年金システムを押し付けようとしていた。
その名は、確定拠出年金
森永卓郎氏
「確定拠出年金っていうのは、“確定給付”ではなくて“確定拠出”なんですね。つまり、いくら出すっていうのは決まっているけども、年金として戻って来るのは運用の成果次第っていう年金」
“自己責任型”の年金
もちろんお手本はアメリカにある。サキヨミは現地での取材を試みた。
「最近はどうですか?」
「最近はまったくダメだね」
「落ちたわ」
ほとんどの人が損をしている現実
だが、人々は意外なほど楽観的だ。
「金融危機のせいで損はしたけど、また5年10年すれば元に戻るさ」
「賢くやればいい投資さ、ほっておくと大変なことになるけどね」
現在の日本でも少子高齢化が進み、貰える年金額が目減りする一方、実は確定拠出年金は静かに始まっている。
外資系企業に勤める40代男性の運用報告書
・国内株式に50万円
・外国株式に140万円
サブプライムローンの影響を受け、およそ95万円の損失を出していた。
200万円以上あったはずの老後の蓄えが、わずか数ヶ月で半分になってしまう。
では、日本で確定拠出年金の拡大が進むと、アメリカにとってどんなメリットがあるのか?
アメリカの狙いはどこに
サキヨミが見つけたのは企業が絶対に損をしない年金ビジネスのからくりだった。
「将来受け取れる年金をできるだけ増やしたい方にはこちらがお勧めです」
勧められる商品の多くはハイリスク・ハイリターンの商品
山崎元氏(経済評論家)
「リスクの大きなものっていうのは、商売をする側からすると、手数料(信託報酬)をいっぱい取れるもの」
つまり、企業は難しい投資であればあるほど、その手腕への報酬として高い手数料を取ることができるのだという。しかも、たとえ運用に失敗しても、企業が被る損失はほとんどない。
山崎元氏
「外資系の運用会社にとっては、日本のお金の運用マーケットというのは非常に魅力的なわけですよね。個人金融資産が1500兆円もあって、日本人のお金をもっと誘導したい、そのためには確定救出年金は絶大な効果があるんじゃないかと」
公的年金VSアメリカ金融機関
日本の製薬会社VSアメリカ企業
日本の農作物VSアメリカ産
大統領が変わり、行き過ぎた競争社会から転換を図ろうとするアメリカは、それでも日本によりいっそうの“CHANGE”を求めている。
(VTR終了)
(スタジオ)
伊藤利尋アナ
「私の手元にある年次改革要望書、10月15日の日付になっているわけですけれども、アメリカの農家、製薬会社、あるいは金融会社を利するという方向での要望が多く書かれていたということなんですけども、一茂さん」
長嶋一茂
「これからもっとたくさん要望されるんだろうなと思ってVTRを見てましたけど、農業に関しては、食の問題は食いしん坊だから言うわけじゃないですけど、口から入る物については1番大事だと思うんです。それが健康を害するってことは、それは年金問題とか医療問題とかいろいろありますけど、まずはここからだなと。今石破さんが農水省にいらっしゃいますけど、石破さんに期待しています。どこかで守ってくれないと、口から入るものは」
伊藤利尋アナ
「何を拒否して何を受け入れるかというのは日本側の選択なんですが、実は、大島さん、日本側も要望しているんですよね」
大島由香里アナ
「一方的なものではなくて、アメリカに対して要望書を出しているんですね、こちら。日本もかなりの数の要望を出しているんですが、アメリカと比べると実現するものは少ないという」
日本からアメリカへの要望(一部)
・ビザ(査証)更新手続きの効率化など
・外国人弁護士受け入れ制度の全州拡大
・メートル法の推進
小倉智昭
「日本は“お願いします”だもんね。アメリカは“これやれ”だもんね」
大島由香里アナ
「同じ要望を何年も書き続けているという現状も」
伊藤利尋アナ
「それに構造転換そのものを迫ってくる要望がアメリカ側は多いんですよ、小倉さん」
小倉智昭
「日本っていうのはね、アメリカが親会社で日本が子会社なんです。それで、すべてアメリカのやりたい放題。で、売り上げが上がったら連結決算、吸い上げられるっていう状況で、日本の理屈なんて通らないんですよ。おそらく完全に丸め込まれてる。だって、郵政民営化だってそうでしょ、小泉さんが言ったんじゃなくてアメリカの要望でしょ。郵貯が狙いだったわけですから、アメリカの金融がね。だからこのままで行ったら田崎さん、どうしょうもないね」
田崎史郎
「(苦笑いして)いや、ただ、アメリカ大使館のホームページ見ると、こういうものは全部読める状況になっていて、日本側も要望して、それがオープンな形で進んでいること自体は評価しないといけないんじゃないかと思うんですよ。ただ、僕たちはあまり精緻に読んでないので、今のように報道されたら、これは問題だっていうのが分かるんですけど、分からずにそのまま過ぎているケースの方が多いんじゃないかとVTR見ながら心配になったんですけどね」
伊藤利尋アナ
「アメリカの要望に従ってプラスに働く面もあったと思うんですけど、ここにきて金融危機を始めとして、アメリカ流が必ずしもいいわけじゃないってことが世界的にも明らかになってきました。オバマ次期政権になって、日本とアメリカの関わり方というのも、小倉さん、これから日本サイドとしても考えていかなければいけないんじゃないかと思うんですけども」
小倉智昭「そうでしょうね。もっと厳しくなるということを考えておいた方がいいんじゃないのかな」
伊藤利尋アナ
「田崎さん、クリントン政権時代を思わせるような関係性になるのではないかという危惧が広がっていますけども」
田崎史郎
「クリントン政権の時、相当日本に対してきつくなったんで、同じ民主党政権の延長では考えられるんですけども、実際にアメリカがどういうことを言ってくるかまだ分からないんですよね。年明けて、春先くらいからはっきりしてくると思われる。それを見てから機敏に対処しないといけないですね」
伊藤利尋アナ
「アメリカが親会社で日本が子会社という指摘がありましたけども、その親会社そのものが今揺らいでいる中で、子会社としてはどうすればいのか、子会社独自の道があってもいいんじゃないかという気が個人的にはしますけども、実はEUとも日本はこうした要望書を交わしているというところで、日本がどう向き合うかというところですが。オバマ次期政権は強固な政権基盤を築きつつある中で、日本はちょっと…」
田崎史郎
「支持率がどんどん落ちてきてますからね」
伊藤利尋アナ
「こちらの土台というのもちょっと気になるところです」
(特集終了)
前回もそうですが今回も放送されることを知りませんでした。たまたまチャンネルを変えたら始まったので、慌てて録画しながら見ました。
農作物、医療、年金、どれも日本国民の生活に大きく関わる分野です。長嶋一茂さんも述べてましたが、直接口に入るものについてはとても怖いことですよね。
リンゴにポストハーベスト農薬の液体がかけられている映像をみて、ガソリンスタンドの洗車を思い出しました。多数のノズルから大量に農薬が放出され、巨大なコンテナの底から地面にどんどん流れ落ちていく様子は衝撃的でした。かけるという言葉のイメージとは違い、農薬プールに浸したのと同じ感じです。
あの映像のようにアメリカの農作物すべてに農薬がかけられて日本に輸出されていくのかは分かりませんが、ポストハーベストの怖さについては聞いたことがあります。危険だと思われる食べ物はなるべく避けるようにしています。例えば、私は納豆は国産しか買いません。
スタジオで注目すべき発言がありました。
アメリカが親会社で日本が子会社ということ、さらに、郵政民営化がアメリカの要望で、外資の狙いが郵貯だったという小倉さんの発言は大きかったと思います。田崎さんの表情がそこまで言っちゃうのかと驚いたようにも私には見えました。
あの当時、小泉元首相は郵政民営化の中身についてはほとんど話さなかったですよね。中身を知らないから話せなかったと思いますし、マスコミも中身については報道しませんでした。だから私は郵政民営化で何がどう変わるのか報道されないことを不思議に思ったことを思い出しました。
「子会社独自の道があってもいいんじゃないか」という伊藤アナの発言はまさにその通りで、今まで対米追従をしてきた結果が今の日本に反映されています。今、派遣の大量解雇が問題になっていますが、なぜ製造業にまで派遣労働が拡大してしまったのか、その原因、背景を追究しないと根本的な解決はできないと思います。アメリカの力が弱まっている今、逆に日本が自立するチャンスだと思います。
さて、2回目の特集が放送されたことについてどう考えればいいでしょうか。前回の放送後、おそらくサキヨミのプロデューサーには非難や圧力があったのでは、と想像します。しかし、もっとやってくれという反響も多かったと思われ、それが今回の放送への後押しになったのかもしれません。今、民放各局は広告費収入の減少で番組予算の削減、番組編成の見直しが進んでいます。広告費収入の減少はスポンサーの圧力にも比例すると思うので、報道の自由度が上がってくるといいなと少し期待しています。そういう報道番組なら生き残れると思うのは楽観的でしょうか。
ところで、そろそろNHKでも「クローズアップ現代」や「NHKスペシャル」で特集してもいいと思うんですが、いつになったら扱うのでしょうね。NHKのドキュメント番組は質が高いので期待しているんですよ。
サキヨミには第3回の放送も期待しています。小泉改革とイラク戦争の総括についても特集して欲しいと思います。
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VTRとスタジオコメントをまとめて書き起こしました。
ほぼ正確にVTRのナレーションまで書き起こしてあります。
ご自由に転載ください。
サキヨミ『年次改革要望書特集、第2弾』放送内容メモ
12月7日放送(約19分間)
(VTR開始)
今年10月、「サキヨミ」が伝えた「年次改革要望書」の特集は放送後大きな波紋を広げた。郵政民営化や派遣労働の原則自由化、要望書に書かれると数年後に実現するのはただの偶然なのか。そして、今年も日本の預言書はやってきた。2008年版年次改革要望書、全45ページに及ぶその文章の中には、今年もまたアメリカからの驚くべき要求が並んでいた。
今年もまたアメリカからの指令書とも言える「年次改革要望書」がやってきた。サキヨミは4人の専門家に要望書の分析を依頼、私たち日本国民の生活に直接影響の出そうなポイントを読み解いてもらった。
「2008年版年次改革要望書 その全容」
目次を見ると、通信、情報技術、医療、金融など10項目に渡り細かく要望が書かれていることが分かる。その中には「競争」という二文字が至るところに散りばめられていた。実に45ページ中72ヵ所、アメリカが望む競争社会日本とは。
中でも、食品の安全に詳しい小若純一氏が注目したのは、
規制緩和 収穫後の農薬
日本の農作物を国際競争の波にさらそうとするこんな一文だった。
「収穫前・収穫後の農薬の使用形態に対して単一の最大残留基準を実施すること」
これはいったいどういう意味なのか?
小若純一氏(食品と暮らしの安全基金代表)
「日本国内の農作物には収穫後の農薬は使えないのにアメリカでは認められている。アメリカのルールを日本にのんでもらいたいというのが狙い」
収穫後にかける農薬
・輸送中のカビ防止などに使われる
収穫前の農薬に比べ残留する可能性が高いため、日本では原則禁止されている。
輸出を増やしたいアメリカにとって、それはビジネスチャンスを逃す大きな痛手。
しかし、そのような農薬が使われた農作物を日本の消費者は本当に買うのだろうか?
主婦の声
「敬遠はしますね、できれば農薬がかかってない方がいいので」
「買いたくないですね、農薬漬けになると困りますよね」
「小さな子供がいるのでやっぱり心配ですよね」
アメリカが輸出したいものとは?
そのヒントを探すためサキヨミは過去にも同じような規制緩和の事実がなかったかどうか過去の記事を調べてみた。
すると、1993年の記事に。
「ジャガイモの芽止めに使われる処理剤は、他の作物には0.05ppmなどと厳しく設定されたにもかかわらず、ジャガイモだけはアメリカと同じ50ppmと甘い基準になった」
1000倍にも及ぶ突然の規制緩和、なぜこんな事態になったのか。
その答えがジャガイモの規制緩和について話し合われた農水委員会の映像に存在する。
「実はジャガイモに対する農薬のクロルプロファムについては国際基準はございません」
“国際基準がない”それなのに日本だけ厳しい規制があるのはおかしいではないか、これこそがアメリカが指摘してきたポイントだった。
当時農水委員会で発言した民主党・山田正彦衆院議員
「なんで50ppmにしたかというと結局根拠が言えないんですね。ブッシュ大統領が平成4年に日本に来た時の対日要望によって、アメリカの言いなりにアメリカからの穀物が日本にそのまま入ってきやすいようにしている」
国際基準(コーデックス基準)がないうちに規制緩和を迫る
今回もその手法で攻めてくるとしたら?
・アメリカの主要農産物
・国際基準がない
・日本が厳しい残留基準値
これらの条件にピタリとはまる農産物があった。
それは、リンゴだ。
(Apple、postharvestと記載されている)
サキヨミはアメリカのリンゴが収穫後にどのように農薬をかけられているのかを映した衝撃的な映像を入手した。
「ポストハーベスト農薬汚染2」(ビデオのタイトル)
出荷を待つコンテナに積まれた大量のリンゴ、それらにまるで洗っているかのようにじゃぶじゃぶかけられている液体、これが収穫後の農薬の実態だ。
だが、いったん規制緩和してしまえば、その基準はアメリカ以外の国にも適用される。今はまだ収穫後の農薬が認められていない200種類もの農作物にまで、新たな農薬が使われる可能性が指摘されている。
・ナス 韓国
・キュウリ 韓国
・カボチャ ニュージーランド
・白菜 台湾
・キノコ フランス
・アスパラガス タイ
・トウモロコシ オーストラリア
規制緩和 薬の価格
2008年版の要望は、国民の健康に直結する分野にも容赦なく及ぶ。
医薬品行政に詳しい片平教授(東洋大学社会学部)が注目したのは、
「革新的医薬品の価値を損なう毎年の価格改正を控え、革新的新薬の導入を促進させる」
これはいったいどういう意味なのか?
片平教授
「日本のこれまでの薬価の特徴は最初が高くて、それが下がっていく。メーカーとしては“10年10億”と言われる開発の日数とかコストを早く販売して取り戻したいわけですよね」
ある薬の値段の推移
127.4円(1989年)→68.9円(2006年)
これは患者が薬を入手しやすくするためなのだが、
アメリカはこれでは“新薬開発へのモチベーションが下がる”と主張する。
つまり、“競争力が低下するからよくない”というのだが、
片平教授は「多国籍製薬企業がマーケット開拓を狙っている」と指摘する。
日本をおいしい市場にしたいという思惑、競争という名の影に、アメリカの本音が見え隠れする。
規制緩和 年金
一方、経済アナリストの森永氏はアメリカは日本の年金市場への参入を狙っていると言う。
「アメリカは、日本が確定拠出年金制度の改善に継続して取り組むことを奨励する」
危機的な状況にある日本の公的年金を救おうとするかのように新たなる年金システムを押し付けようとしていた。
その名は、確定拠出年金
森永卓郎氏
「確定拠出年金っていうのは、“確定給付”ではなくて“確定拠出”なんですね。つまり、いくら出すっていうのは決まっているけども、年金として戻って来るのは運用の成果次第っていう年金」
“自己責任型”の年金
もちろんお手本はアメリカにある。サキヨミは現地での取材を試みた。
「最近はどうですか?」
「最近はまったくダメだね」
「落ちたわ」
ほとんどの人が損をしている現実
だが、人々は意外なほど楽観的だ。
「金融危機のせいで損はしたけど、また5年10年すれば元に戻るさ」
「賢くやればいい投資さ、ほっておくと大変なことになるけどね」
現在の日本でも少子高齢化が進み、貰える年金額が目減りする一方、実は確定拠出年金は静かに始まっている。
外資系企業に勤める40代男性の運用報告書
・国内株式に50万円
・外国株式に140万円
サブプライムローンの影響を受け、およそ95万円の損失を出していた。
200万円以上あったはずの老後の蓄えが、わずか数ヶ月で半分になってしまう。
では、日本で確定拠出年金の拡大が進むと、アメリカにとってどんなメリットがあるのか?
アメリカの狙いはどこに
サキヨミが見つけたのは企業が絶対に損をしない年金ビジネスのからくりだった。
「将来受け取れる年金をできるだけ増やしたい方にはこちらがお勧めです」
勧められる商品の多くはハイリスク・ハイリターンの商品
山崎元氏(経済評論家)
「リスクの大きなものっていうのは、商売をする側からすると、手数料(信託報酬)をいっぱい取れるもの」
つまり、企業は難しい投資であればあるほど、その手腕への報酬として高い手数料を取ることができるのだという。しかも、たとえ運用に失敗しても、企業が被る損失はほとんどない。
山崎元氏
「外資系の運用会社にとっては、日本のお金の運用マーケットというのは非常に魅力的なわけですよね。個人金融資産が1500兆円もあって、日本人のお金をもっと誘導したい、そのためには確定救出年金は絶大な効果があるんじゃないかと」
公的年金VSアメリカ金融機関
日本の製薬会社VSアメリカ企業
日本の農作物VSアメリカ産
大統領が変わり、行き過ぎた競争社会から転換を図ろうとするアメリカは、それでも日本によりいっそうの“CHANGE”を求めている。
(VTR終了)
(スタジオ)
伊藤利尋アナ
「私の手元にある年次改革要望書、10月15日の日付になっているわけですけれども、アメリカの農家、製薬会社、あるいは金融会社を利するという方向での要望が多く書かれていたということなんですけども、一茂さん」
長嶋一茂
「これからもっとたくさん要望されるんだろうなと思ってVTRを見てましたけど、農業に関しては、食の問題は食いしん坊だから言うわけじゃないですけど、口から入る物については1番大事だと思うんです。それが健康を害するってことは、それは年金問題とか医療問題とかいろいろありますけど、まずはここからだなと。今石破さんが農水省にいらっしゃいますけど、石破さんに期待しています。どこかで守ってくれないと、口から入るものは」
伊藤利尋アナ
「何を拒否して何を受け入れるかというのは日本側の選択なんですが、実は、大島さん、日本側も要望しているんですよね」
大島由香里アナ
「一方的なものではなくて、アメリカに対して要望書を出しているんですね、こちら。日本もかなりの数の要望を出しているんですが、アメリカと比べると実現するものは少ないという」
日本からアメリカへの要望(一部)
・ビザ(査証)更新手続きの効率化など
・外国人弁護士受け入れ制度の全州拡大
・メートル法の推進
小倉智昭
「日本は“お願いします”だもんね。アメリカは“これやれ”だもんね」
大島由香里アナ
「同じ要望を何年も書き続けているという現状も」
伊藤利尋アナ
「それに構造転換そのものを迫ってくる要望がアメリカ側は多いんですよ、小倉さん」
小倉智昭
「日本っていうのはね、アメリカが親会社で日本が子会社なんです。それで、すべてアメリカのやりたい放題。で、売り上げが上がったら連結決算、吸い上げられるっていう状況で、日本の理屈なんて通らないんですよ。おそらく完全に丸め込まれてる。だって、郵政民営化だってそうでしょ、小泉さんが言ったんじゃなくてアメリカの要望でしょ。郵貯が狙いだったわけですから、アメリカの金融がね。だからこのままで行ったら田崎さん、どうしょうもないね」
田崎史郎
「(苦笑いして)いや、ただ、アメリカ大使館のホームページ見ると、こういうものは全部読める状況になっていて、日本側も要望して、それがオープンな形で進んでいること自体は評価しないといけないんじゃないかと思うんですよ。ただ、僕たちはあまり精緻に読んでないので、今のように報道されたら、これは問題だっていうのが分かるんですけど、分からずにそのまま過ぎているケースの方が多いんじゃないかとVTR見ながら心配になったんですけどね」
伊藤利尋アナ
「アメリカの要望に従ってプラスに働く面もあったと思うんですけど、ここにきて金融危機を始めとして、アメリカ流が必ずしもいいわけじゃないってことが世界的にも明らかになってきました。オバマ次期政権になって、日本とアメリカの関わり方というのも、小倉さん、これから日本サイドとしても考えていかなければいけないんじゃないかと思うんですけども」
小倉智昭「そうでしょうね。もっと厳しくなるということを考えておいた方がいいんじゃないのかな」
伊藤利尋アナ
「田崎さん、クリントン政権時代を思わせるような関係性になるのではないかという危惧が広がっていますけども」
田崎史郎
「クリントン政権の時、相当日本に対してきつくなったんで、同じ民主党政権の延長では考えられるんですけども、実際にアメリカがどういうことを言ってくるかまだ分からないんですよね。年明けて、春先くらいからはっきりしてくると思われる。それを見てから機敏に対処しないといけないですね」
伊藤利尋アナ
「アメリカが親会社で日本が子会社という指摘がありましたけども、その親会社そのものが今揺らいでいる中で、子会社としてはどうすればいのか、子会社独自の道があってもいいんじゃないかという気が個人的にはしますけども、実はEUとも日本はこうした要望書を交わしているというところで、日本がどう向き合うかというところですが。オバマ次期政権は強固な政権基盤を築きつつある中で、日本はちょっと…」
田崎史郎
「支持率がどんどん落ちてきてますからね」
伊藤利尋アナ
「こちらの土台というのもちょっと気になるところです」
(特集終了)
前回もそうですが今回も放送されることを知りませんでした。たまたまチャンネルを変えたら始まったので、慌てて録画しながら見ました。
農作物、医療、年金、どれも日本国民の生活に大きく関わる分野です。長嶋一茂さんも述べてましたが、直接口に入るものについてはとても怖いことですよね。
リンゴにポストハーベスト農薬の液体がかけられている映像をみて、ガソリンスタンドの洗車を思い出しました。多数のノズルから大量に農薬が放出され、巨大なコンテナの底から地面にどんどん流れ落ちていく様子は衝撃的でした。かけるという言葉のイメージとは違い、農薬プールに浸したのと同じ感じです。
あの映像のようにアメリカの農作物すべてに農薬がかけられて日本に輸出されていくのかは分かりませんが、ポストハーベストの怖さについては聞いたことがあります。危険だと思われる食べ物はなるべく避けるようにしています。例えば、私は納豆は国産しか買いません。
スタジオで注目すべき発言がありました。
アメリカが親会社で日本が子会社ということ、さらに、郵政民営化がアメリカの要望で、外資の狙いが郵貯だったという小倉さんの発言は大きかったと思います。田崎さんの表情がそこまで言っちゃうのかと驚いたようにも私には見えました。
あの当時、小泉元首相は郵政民営化の中身についてはほとんど話さなかったですよね。中身を知らないから話せなかったと思いますし、マスコミも中身については報道しませんでした。だから私は郵政民営化で何がどう変わるのか報道されないことを不思議に思ったことを思い出しました。
「子会社独自の道があってもいいんじゃないか」という伊藤アナの発言はまさにその通りで、今まで対米追従をしてきた結果が今の日本に反映されています。今、派遣の大量解雇が問題になっていますが、なぜ製造業にまで派遣労働が拡大してしまったのか、その原因、背景を追究しないと根本的な解決はできないと思います。アメリカの力が弱まっている今、逆に日本が自立するチャンスだと思います。
さて、2回目の特集が放送されたことについてどう考えればいいでしょうか。前回の放送後、おそらくサキヨミのプロデューサーには非難や圧力があったのでは、と想像します。しかし、もっとやってくれという反響も多かったと思われ、それが今回の放送への後押しになったのかもしれません。今、民放各局は広告費収入の減少で番組予算の削減、番組編成の見直しが進んでいます。広告費収入の減少はスポンサーの圧力にも比例すると思うので、報道の自由度が上がってくるといいなと少し期待しています。そういう報道番組なら生き残れると思うのは楽観的でしょうか。
ところで、そろそろNHKでも「クローズアップ現代」や「NHKスペシャル」で特集してもいいと思うんですが、いつになったら扱うのでしょうね。NHKのドキュメント番組は質が高いので期待しているんですよ。
サキヨミには第3回の放送も期待しています。小泉改革とイラク戦争の総括についても特集して欲しいと思います。
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