高知白バイ事件1
「高知白バイ事件」
この事故の経緯は注目して見てきました。えん罪がリアルタイムで起きているのでは…と。放送された番組の中で、収監のため高知地検に出頭する時に片岡さんが長女の亜矢さんと抱き合う場面ではもらい泣きしました。バスの窓側から事故を目撃した生徒の証言がなかったことにされたのは、どう考えてもおかしいことです。片岡さんに公正な裁判を受けてもらいたいと思いました。
「高知白バイ事件」については、KSB瀬戸内海放送やテレビ朝日が深夜に放送している「テレメンタリー2008」で特集されてきました。
それが今回、民放のゴールデンタイムで放送されました。
2008年12月1日にテレビ朝日で放送された「報道発 ドキュメンタリ宣言」です。
『なぜ私が収監されるのか〜高知白バイ事故の真相〜』
白バイとスクールバスとの衝突死亡事故。
バスの運転手は無実を訴え続けたが、刑務所に送られた。
続々と出てくる無実の裏づけとなる証言。
しかし裁判では全く無視された。
冤罪の可能性が極めて高いと指摘されている事件。
有罪が確定し収監されるバスの元運転手の1年に密着。
引き離される家族の憤り、悲しみ、そしてひとつの事件を通して日本の司法制度の弱点を追究する。
「報道発 ドキュメンタリ宣言」
http://www.tv-asahi.co.jp/d-sengen/
(番組HPより)
この番組は録画して見ました。その1時間の内容は、今までの放送を再構成したものに片岡さんが兵庫県の刑務所に移送された後のことが少し加えてありました。
内容は今までとほぼ同じなので、以前に放送された「テレメンタリー」のまとめを載せます。番組を見ていない人でも何となく内容は分かると思います。
テレビ朝日系列で今年3月に放送された「テレメンタリー2008」
『証拠が嘘をつく?!〜高知白バイ衝突死〜』
2006年、高知県で起きた白バイとスクールバスの衝突死事故。
「停まっていたバスに猛スピードの白バイが突っ込んできた」という生徒らの証言にも関わらず、
バスの元運転手は禁固1年4カ月の実刑判決を受けた。
決め手になったのは、検察が提出した「ブレーキ痕」の写真。
だが、このブレーキ痕は警察による"ねつ造"疑惑が浮上している・・・
冤罪はなぜ起きるのか?
警察、検察、裁判所が一体となった"権力犯罪"を世に問う!
制作:瀬戸内海放送
(番組HPより)
(番組開始)
「被告」と呼ばれる男がいる。
高知県に住む片岡晴彦さん(54歳)、いつ来るか分からない最高裁判所からの呼び出しを待つ身だ。
2006年3月3日午後2時半ごろ、高知県旧春野町(現高知市)の国道で事故は起きた。道路脇の駐車場から出たスクールバスと白バイが衝突、高知県警交通機動隊の当時26歳の巡査長が死亡した。バスには中学3年生22人と教員3人が乗っていた。
高校2年生になった彼らは、昨年10月からチラシ配りを始めた。
事故の真実を知って欲しい、この日(取材日)は22人中20人が集まった。
生徒たちの話
「僕らが体験した事故とは全然違う話になってると思うんで、僕らの体験したことっていうのが真実だと思うんで」
「本当の正義っていうのがどこにあるのか不思議でたまらない」
裁判での焦点
「バスが止まっていたのか?動いていたのか?」
・被告側の主張
「バスは歩道で一旦停止した後、中央分離帯付近まで進行、
そこで停止して反対車線の車が途絶えるのを待っていたところ、白バイが突っ込んできた」
・検察側の主張
「バスは右方向を一瞥(いちべつ)しただけで車道に侵入、白バイと衝突後に急ブレーキをかけ、およそ3メートル進んで停止した」
生徒たちの話
「停止ていたと思います」
「反対側の車がまだ動いていたんで、(中央分離帯付近で)ずっと待ってて、
そろそろ行けるかなって思った頃に白バイが当たってきた」
事故の瞬間を校長が目撃していた
「バスは止まってました、目の前で見ました」
被告側
・白バイの速度→100キロ超
・片岡さんに注意義務、安全確認義務が欠けているという面は全くない
・業務上過失致死での無罪を主張
検察側
・白バイの速度→60キロ程度
・実況見分の写真の1.2メートルのブレーキ痕は「バスが動いていた決定的な証拠」
事故から8ヶ月後、片岡さんは高知地検の取調べ中に初めてブレーキ痕の存在を知った。
片岡さんは事故直後に現行犯逮捕され、土佐署に連行された。
実況見分は警察車両に乗せられたままで行われ、ブレーキ痕は一切確認していない。
高知地裁での判決
・弁護側の主張「ブレーキ痕はつくはずがなく、ねつ造されたものだ」
・高知地裁、片田康裁判官「報道関係者や見物人が居合わせる中、ねつ造の可能性はほとんどない」と退けた
・一審は検察側主張を認め、片岡さんは禁固1年4カ月の実刑判決を受けた
事故で片岡さんの生活は一変した。
朝3時に起き、夫婦2人の生活を新聞配達と測量のアルバイトで支えている。
事故後、片岡さんの体重は15キロ落ちた。
片岡さんは高校卒業後、自動車塗装などを経て16年前から地元ハイヤー会社に勤務、観光バスの運転の傍ら、仁淀川町からの委託を受け小・中学生のスクールバスの登下校の送迎をしていた。
片岡さん
「スクールバスは、生徒さんを預かって無事に返すのが運転手の勤めですから、無謀な運転はできるものではないし、急ブレーキは絶対と言い切れるくらい、かけません」
「弁護側の再現実験」
交通事故鑑定人の立会いのもと事故と同型のバスを使った実験を行い、バスの総重量をほぼ同じにして当日の再現をした。事故の時にバスに乗っていた生徒8人も参加した。急ブレーキの再現で30センチほどのブレーキ痕がついたが、遠目には見えにくい薄いものだった。検察の証拠写真は1メートルで、あるはずの4本のタイヤの溝がなく何かを塗ったようにしか見えない。
急ブレーキの実験に参加した生徒たちの話
「当時は横に揺れたんですけど、今さっきのは前に突っ込んできた感じ」
「すごい怖かったです。あそこまでつんのめる感じではなく、前に行くような衝撃ではなかった」
検察側主張の決め手となったブレーキ痕の写真は2枚提出された。いずれも1.2メートルほどの長さで、片方の写真では黒く長いブレーキ痕で、もう片方は先端部分だけ黒く、後ろの方は薄くなっている「おたまじゃくし型」の痕。
高知地裁
・「事故で流れ出た液体がタイヤの下に入ったもの」と認定した
・湿って濃く見えた部分が時間がたって「乾いた」
しかし、弁護側の検証で、写真に写りこんだ看板の影の向きや長さから、痕が薄い「おたまじゃくし型」の写真の方が先に撮られたものと判明した。
×濡れていたものが乾いた
○時間経過後、黒い点が出現
控訴審の高松高裁で証言をしてもいいという生徒が現れた。
事故があった日は卒業前の「お別れ遠足」で、片岡さんは生徒たちの強い要望でこの日の運転を任された。
バスに乗っていた生徒
「他の運転手さんより運転が上手くて乗り心地がよかった」
「(片岡)晴彦さんにはお世話になってるんで(裁判で)勝って欲しい」
片岡さん
「嫌な思い出を作った運転手ですよね、はっきり言うたら。それでも運転手さんは間違ってない、運転手さん助けたいと、これで負けてはいけないと力がわいてきました。」
ところが、控訴審の高松高裁での審理は予想外の展開になった。
高松高裁・柴田秀樹裁判長は、「高知地裁の審理の中で十分に検討済み」だとして弁護側の新たな証拠・証言を全て却下した。 同型のバスを使った急ブレーキの実験結果、鑑定人による解析書、生徒の証言、これら全てが法廷のテーブルに上ることなく、控訴審はたった1回、30分で審理を終えた。
片岡さん
「予想はしてなかったですね。やっぱりある程度審理はしてくれると思いましたけど、もう出来あがってしもとったみたいな感じで、高裁の裁判の意味がないですね。地裁と一緒です。」
昨年12月21日の高知県議会・総務委員会で
初めて県警の幹部が公の場で事件について口を開いた。
高知県警・黒岩安光交通部長
「1審2審においても、警察の捜査なりが証拠のねつ造なんてのはもちろん、不備があるとか、警察の捜査がおかしいところがあるとかという内容のものが判決では一切出てきておりません。」
取材の中で、事故の2週間前に警察庁が出した「通達」の存在を知った。パトカーや白バイによる取締りやパトロール中の事故が相次いだことを受け、事故防止を求める内容だ。対策のひとつに挙げているのが、実践型の訓練、緊急走行や追跡追尾訓練を積極的に行うよう指示している。さらに現場の周辺では、事故の前、猛スピードで走る白バイが頻繁に目撃されていることが分かった。
黒岩交通部長
「公道で白バイを高速運転で訓練をすることは全くありません」
記者が白バイの目線で走ってみる
・60キロ→交差点でゆっくり安全に止まることができた
・2倍速→交差点まで4秒弱で到達する
1審では、白バイの後ろを軽トラックで走っていた片岡さんとは面識がない第3者の会社員も証言台に立った。
「制限速度で走っていた自分の前に出てみるみるうちに遠ざかっていった」
衝突の瞬間を見た校長や生徒たちの証言を全て退け、裁判所はたまたま対向車線を走っていた同僚の白バイ隊員の目撃証言だけ採用した。
同僚の隊員「178メートル先を対向する白バイとバスの両方の速度を目測できた」
高知地裁の判決
「同僚の隊員は日頃から速度を目測する訓練を積んでいるので信用できる」
「会社員は白バイを見て、とっさにスピードメーターを見たというが、感覚的で信用できない」
「第3者だからといって供述が信用できるわけではない」
昨年12月28日、片岡さんと支援者は最高裁判所での審理の「差し戻し」の署名を始めた。今年1月18日、約50日間で集まった2万4578人分の署名を最高裁判所に届けた。現在最高裁で争われている。
2006年、2779件のうち2審の判決が見直されたのは3件だけだ。
2月9日、片岡さんの長男・亮さんが結婚式を挙げた。最高裁での結論が出る前にと大幅に予定を早めた。 亮さんは片岡家の止まった時計を少しでも動かしたいと話す。取材でこんな笑顔を見たのは初めてだ、彼は明日にも刑務所に入るかもしれない。
(番組終了)
(以下、放送当時に書いたメモ)
地元高知県を含めどこのメディアも扱いませんでしたが、瀬戸内放送だけはこの問題をニュースで何度も取り上げています。衆人環視の中で起きた交通事故にもかかわらず、捜査でも裁判でも第3者の目撃証言は採用されませんでした。判決の決め手になったのは、検察が提出した「ブレーキ痕」の写真でした。しかし、このブレーキ痕に警察による「ねつ造」疑惑が浮上しています。この番組を見て、私は先日見た映画「それでもボクはやってない」を思い出し、起訴したからには絶対に有罪にする警察・検察の姿がダブりました。身内である同僚の目測は信用できる、利害関係の無い第3者がスピードメーターを見た証言は感覚的で信用できない、こんな矛盾があっていいのでしょうか。亡くなられた白バイ隊員のご冥福は祈りたいと思いますが、その彼がこの裁判を見たら何と思うことでしょうか。上からの命令で高速運転で訓練を行い事故を起こしてしまった彼も不幸ではないでしょうか。
最高裁判所で2779件のうち2審の判決が見直されたのはたった3件だけという事実には驚きました。確率は約0.1%、よほどの事がない限り判決は変わらないということです。
この事件はまともに審理されるのでしょうか。
新たな証言が出てきたようなので期待したいです。
そして、「裁判員制度」のことも考えていました。
もし、この事件が「裁判員制度」で裁かれたらどうなっているでしょうか?
瀬戸内海放送のニュースもネットの記事も知らない人が招集されたら有罪ですよね。
でも、誰か知っている人がいたら無罪になるかもしれません。
メディアの報道によって判決が天地ほど変わってしまいますよね。
瀬戸内海放送の報道姿勢を評価したいと思います。
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この事故の経緯は注目して見てきました。えん罪がリアルタイムで起きているのでは…と。放送された番組の中で、収監のため高知地検に出頭する時に片岡さんが長女の亜矢さんと抱き合う場面ではもらい泣きしました。バスの窓側から事故を目撃した生徒の証言がなかったことにされたのは、どう考えてもおかしいことです。片岡さんに公正な裁判を受けてもらいたいと思いました。
「高知白バイ事件」については、KSB瀬戸内海放送やテレビ朝日が深夜に放送している「テレメンタリー2008」で特集されてきました。
それが今回、民放のゴールデンタイムで放送されました。
2008年12月1日にテレビ朝日で放送された「報道発 ドキュメンタリ宣言」です。
『なぜ私が収監されるのか〜高知白バイ事故の真相〜』
白バイとスクールバスとの衝突死亡事故。
バスの運転手は無実を訴え続けたが、刑務所に送られた。
続々と出てくる無実の裏づけとなる証言。
しかし裁判では全く無視された。
冤罪の可能性が極めて高いと指摘されている事件。
有罪が確定し収監されるバスの元運転手の1年に密着。
引き離される家族の憤り、悲しみ、そしてひとつの事件を通して日本の司法制度の弱点を追究する。
「報道発 ドキュメンタリ宣言」
http://www.tv-asahi.co.jp/d-sengen/
(番組HPより)
この番組は録画して見ました。その1時間の内容は、今までの放送を再構成したものに片岡さんが兵庫県の刑務所に移送された後のことが少し加えてありました。
内容は今までとほぼ同じなので、以前に放送された「テレメンタリー」のまとめを載せます。番組を見ていない人でも何となく内容は分かると思います。
テレビ朝日系列で今年3月に放送された「テレメンタリー2008」
『証拠が嘘をつく?!〜高知白バイ衝突死〜』
2006年、高知県で起きた白バイとスクールバスの衝突死事故。
「停まっていたバスに猛スピードの白バイが突っ込んできた」という生徒らの証言にも関わらず、
バスの元運転手は禁固1年4カ月の実刑判決を受けた。
決め手になったのは、検察が提出した「ブレーキ痕」の写真。
だが、このブレーキ痕は警察による"ねつ造"疑惑が浮上している・・・
冤罪はなぜ起きるのか?
警察、検察、裁判所が一体となった"権力犯罪"を世に問う!
制作:瀬戸内海放送
(番組HPより)
(番組開始)
「被告」と呼ばれる男がいる。
高知県に住む片岡晴彦さん(54歳)、いつ来るか分からない最高裁判所からの呼び出しを待つ身だ。
2006年3月3日午後2時半ごろ、高知県旧春野町(現高知市)の国道で事故は起きた。道路脇の駐車場から出たスクールバスと白バイが衝突、高知県警交通機動隊の当時26歳の巡査長が死亡した。バスには中学3年生22人と教員3人が乗っていた。
高校2年生になった彼らは、昨年10月からチラシ配りを始めた。
事故の真実を知って欲しい、この日(取材日)は22人中20人が集まった。
生徒たちの話
「僕らが体験した事故とは全然違う話になってると思うんで、僕らの体験したことっていうのが真実だと思うんで」
「本当の正義っていうのがどこにあるのか不思議でたまらない」
裁判での焦点
「バスが止まっていたのか?動いていたのか?」
・被告側の主張
「バスは歩道で一旦停止した後、中央分離帯付近まで進行、
そこで停止して反対車線の車が途絶えるのを待っていたところ、白バイが突っ込んできた」
・検察側の主張
「バスは右方向を一瞥(いちべつ)しただけで車道に侵入、白バイと衝突後に急ブレーキをかけ、およそ3メートル進んで停止した」
生徒たちの話
「停止ていたと思います」
「反対側の車がまだ動いていたんで、(中央分離帯付近で)ずっと待ってて、
そろそろ行けるかなって思った頃に白バイが当たってきた」
事故の瞬間を校長が目撃していた
「バスは止まってました、目の前で見ました」
被告側
・白バイの速度→100キロ超
・片岡さんに注意義務、安全確認義務が欠けているという面は全くない
・業務上過失致死での無罪を主張
検察側
・白バイの速度→60キロ程度
・実況見分の写真の1.2メートルのブレーキ痕は「バスが動いていた決定的な証拠」
事故から8ヶ月後、片岡さんは高知地検の取調べ中に初めてブレーキ痕の存在を知った。
片岡さんは事故直後に現行犯逮捕され、土佐署に連行された。
実況見分は警察車両に乗せられたままで行われ、ブレーキ痕は一切確認していない。
高知地裁での判決
・弁護側の主張「ブレーキ痕はつくはずがなく、ねつ造されたものだ」
・高知地裁、片田康裁判官「報道関係者や見物人が居合わせる中、ねつ造の可能性はほとんどない」と退けた
・一審は検察側主張を認め、片岡さんは禁固1年4カ月の実刑判決を受けた
事故で片岡さんの生活は一変した。
朝3時に起き、夫婦2人の生活を新聞配達と測量のアルバイトで支えている。
事故後、片岡さんの体重は15キロ落ちた。
片岡さんは高校卒業後、自動車塗装などを経て16年前から地元ハイヤー会社に勤務、観光バスの運転の傍ら、仁淀川町からの委託を受け小・中学生のスクールバスの登下校の送迎をしていた。
片岡さん
「スクールバスは、生徒さんを預かって無事に返すのが運転手の勤めですから、無謀な運転はできるものではないし、急ブレーキは絶対と言い切れるくらい、かけません」
「弁護側の再現実験」
交通事故鑑定人の立会いのもと事故と同型のバスを使った実験を行い、バスの総重量をほぼ同じにして当日の再現をした。事故の時にバスに乗っていた生徒8人も参加した。急ブレーキの再現で30センチほどのブレーキ痕がついたが、遠目には見えにくい薄いものだった。検察の証拠写真は1メートルで、あるはずの4本のタイヤの溝がなく何かを塗ったようにしか見えない。
急ブレーキの実験に参加した生徒たちの話
「当時は横に揺れたんですけど、今さっきのは前に突っ込んできた感じ」
「すごい怖かったです。あそこまでつんのめる感じではなく、前に行くような衝撃ではなかった」
検察側主張の決め手となったブレーキ痕の写真は2枚提出された。いずれも1.2メートルほどの長さで、片方の写真では黒く長いブレーキ痕で、もう片方は先端部分だけ黒く、後ろの方は薄くなっている「おたまじゃくし型」の痕。
高知地裁
・「事故で流れ出た液体がタイヤの下に入ったもの」と認定した
・湿って濃く見えた部分が時間がたって「乾いた」
しかし、弁護側の検証で、写真に写りこんだ看板の影の向きや長さから、痕が薄い「おたまじゃくし型」の写真の方が先に撮られたものと判明した。
×濡れていたものが乾いた
○時間経過後、黒い点が出現
控訴審の高松高裁で証言をしてもいいという生徒が現れた。
事故があった日は卒業前の「お別れ遠足」で、片岡さんは生徒たちの強い要望でこの日の運転を任された。
バスに乗っていた生徒
「他の運転手さんより運転が上手くて乗り心地がよかった」
「(片岡)晴彦さんにはお世話になってるんで(裁判で)勝って欲しい」
片岡さん
「嫌な思い出を作った運転手ですよね、はっきり言うたら。それでも運転手さんは間違ってない、運転手さん助けたいと、これで負けてはいけないと力がわいてきました。」
ところが、控訴審の高松高裁での審理は予想外の展開になった。
高松高裁・柴田秀樹裁判長は、「高知地裁の審理の中で十分に検討済み」だとして弁護側の新たな証拠・証言を全て却下した。 同型のバスを使った急ブレーキの実験結果、鑑定人による解析書、生徒の証言、これら全てが法廷のテーブルに上ることなく、控訴審はたった1回、30分で審理を終えた。
片岡さん
「予想はしてなかったですね。やっぱりある程度審理はしてくれると思いましたけど、もう出来あがってしもとったみたいな感じで、高裁の裁判の意味がないですね。地裁と一緒です。」
昨年12月21日の高知県議会・総務委員会で
初めて県警の幹部が公の場で事件について口を開いた。
高知県警・黒岩安光交通部長
「1審2審においても、警察の捜査なりが証拠のねつ造なんてのはもちろん、不備があるとか、警察の捜査がおかしいところがあるとかという内容のものが判決では一切出てきておりません。」
取材の中で、事故の2週間前に警察庁が出した「通達」の存在を知った。パトカーや白バイによる取締りやパトロール中の事故が相次いだことを受け、事故防止を求める内容だ。対策のひとつに挙げているのが、実践型の訓練、緊急走行や追跡追尾訓練を積極的に行うよう指示している。さらに現場の周辺では、事故の前、猛スピードで走る白バイが頻繁に目撃されていることが分かった。
黒岩交通部長
「公道で白バイを高速運転で訓練をすることは全くありません」
記者が白バイの目線で走ってみる
・60キロ→交差点でゆっくり安全に止まることができた
・2倍速→交差点まで4秒弱で到達する
1審では、白バイの後ろを軽トラックで走っていた片岡さんとは面識がない第3者の会社員も証言台に立った。
「制限速度で走っていた自分の前に出てみるみるうちに遠ざかっていった」
衝突の瞬間を見た校長や生徒たちの証言を全て退け、裁判所はたまたま対向車線を走っていた同僚の白バイ隊員の目撃証言だけ採用した。
同僚の隊員「178メートル先を対向する白バイとバスの両方の速度を目測できた」
高知地裁の判決
「同僚の隊員は日頃から速度を目測する訓練を積んでいるので信用できる」
「会社員は白バイを見て、とっさにスピードメーターを見たというが、感覚的で信用できない」
「第3者だからといって供述が信用できるわけではない」
昨年12月28日、片岡さんと支援者は最高裁判所での審理の「差し戻し」の署名を始めた。今年1月18日、約50日間で集まった2万4578人分の署名を最高裁判所に届けた。現在最高裁で争われている。
2006年、2779件のうち2審の判決が見直されたのは3件だけだ。
2月9日、片岡さんの長男・亮さんが結婚式を挙げた。最高裁での結論が出る前にと大幅に予定を早めた。 亮さんは片岡家の止まった時計を少しでも動かしたいと話す。取材でこんな笑顔を見たのは初めてだ、彼は明日にも刑務所に入るかもしれない。
(番組終了)
(以下、放送当時に書いたメモ)
地元高知県を含めどこのメディアも扱いませんでしたが、瀬戸内放送だけはこの問題をニュースで何度も取り上げています。衆人環視の中で起きた交通事故にもかかわらず、捜査でも裁判でも第3者の目撃証言は採用されませんでした。判決の決め手になったのは、検察が提出した「ブレーキ痕」の写真でした。しかし、このブレーキ痕に警察による「ねつ造」疑惑が浮上しています。この番組を見て、私は先日見た映画「それでもボクはやってない」を思い出し、起訴したからには絶対に有罪にする警察・検察の姿がダブりました。身内である同僚の目測は信用できる、利害関係の無い第3者がスピードメーターを見た証言は感覚的で信用できない、こんな矛盾があっていいのでしょうか。亡くなられた白バイ隊員のご冥福は祈りたいと思いますが、その彼がこの裁判を見たら何と思うことでしょうか。上からの命令で高速運転で訓練を行い事故を起こしてしまった彼も不幸ではないでしょうか。
最高裁判所で2779件のうち2審の判決が見直されたのはたった3件だけという事実には驚きました。確率は約0.1%、よほどの事がない限り判決は変わらないということです。
この事件はまともに審理されるのでしょうか。
新たな証言が出てきたようなので期待したいです。
そして、「裁判員制度」のことも考えていました。
もし、この事件が「裁判員制度」で裁かれたらどうなっているでしょうか?
瀬戸内海放送のニュースもネットの記事も知らない人が招集されたら有罪ですよね。
でも、誰か知っている人がいたら無罪になるかもしれません。
メディアの報道によって判決が天地ほど変わってしまいますよね。
瀬戸内海放送の報道姿勢を評価したいと思います。
「高知白バイ事件2」はこちら。
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テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済
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