エディオンに課徴金40億円 優越的地位乱用で
優越的地位乱用で
(日本経済新聞 2011/12/27 13:37)
家電量販大手のエディオンが納入業者に無報酬で店舗業務を手伝わせた疑いが強まったとして、公正取引委員会は27日、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)で、同社に約40億円の課徴金納付命令と再発防止を求める排除措置命令を出す方針を固めた。公取委は既に同社に事前通知しており、反論などを踏まえて正式に命令を出す考え。
優越的地位の乱用に課徴金が認められた昨年1月施行の改正独禁法の適用は3例目。課徴金は最高額になるもようだ。
関係者によると、エディオンは遅くとも2008年後半から新規出店や店舗改装時に、家電のメーカーなど納入業者に従業員の派遣を要請。「デオデオ」や「エイデン」など傘下の店舗で、無報酬または交通費だけを支給し、商品の陳列や他社製品の搬入を手伝わせた疑いが持たれている。
同社への依存度が高い納入業者はエディオン側の要求を断り切れず、従業員の派遣に応じていたとみられる。
エディオンはヤマダ電機(群馬県高崎市)に次ぎ業界2位の家電量販店。中四国、九州を中心に「デオデオ」、中部地方の「エイデン」、関東地方の「ishimaru」など約1100店を展開している。11年3月期の連結売上高は約9000億円。
家電業界では、独禁法改正前に、最大手のヤマダ電機が納入業者に商品陳列や接客を無報酬で手伝わせていたとして、08年6月、公取委から排除措置命令を受けている。
エディオンは「優越的地位を有している認識や取引上の地位を不当に利用した行為を行ったなどの認識はない。内容を慎重に検討した上で対応する」としている。
ヤマダ電機が3年半前に公取委から排除措置命令を受けていたにも関わらず、それ以降もエディオンは納入業者に無報酬で店舗業務を手伝わせていたということですよね。大手家電量販店ならどこでもやっていることは公取委もよく知っているはずなので、ヤマダ電機に排除措置命令を出した時に全部取り締まって欲しかったですね。
>無報酬または交通費だけを支給し、商品の陳列や他社製品の搬入を手伝わせた
エディオンとしては業者側にもメリットがあると言いたいのかもしれませんが、他社製品の搬入なんて何のメリットもありませんからね。公取委は先月16日、エディオンが取引業者に店舗新規オープンや改装セールの際、商品の販売や棚卸しなどを無償でさせていたとして、独占禁止法違反(不公正な取引方法)の疑いで立ち入り検査していました。派遣社員と同じか、いや、それ以下の使い方をしていたのでしょう。
日経の関連記事で以下の記事がありました。
小売業者の優越的地位乱用が巧妙化、公取委の実態調査
(日本経済新聞 2011/10/19 18:54)
公正取引委員会は19日、食品メーカーと卸売業者の取引実態の調査結果を公表した。小売業者が卸売業者を巻き込み、メーカーに対して従業員派遣や商品購入後の支払代金減額を求めた事例が増加していると報告。優越的地位の乱用が巧妙化している可能性を指摘した。公取委の山本和史事務総長は「独占禁止法違反があれば、厳正に対処する」と述べた。
今回の調査で食品メーカーは、卸売業者から優越的地位の乱用につながり得る行為を受けたかどうかを回答。「正当な理由がない返品」は13.5%、「代金の減額」は12.1%、「協賛金などの負担要請」では12.0%のメーカーが、受けていたと答えた。「従業員などの派遣要請」を受けたのは5.1%だった。
卸売業者から「従業員などの派遣要請」をされたと回答したメーカーのうち75.3%は、「小売業者から要請を受けたことが理由だと卸売業者から聞いている」と回答。「正当な理由がない返品」では同72.1%、「代金の減額」では同58.2%が、卸売業者の背景に小売業者の要請があったと答えている。
「従業員などの派遣要請」では、他社のサンプル品配布のために従業員派遣を要請するスーパーがあったと例示。「正当な理由がない返品」では、スーパーがチラシに掲載し忘れた特売品がメーカーにそっくり返品された例もあったという。
卸売業者から「ボージョレ・ヌーボーを小売業者から200本割り当てられた。10本ぐらい協力してくれ」と要請されたという声を紹介。「商品やサービスの購入強制」の事例も挙げた。
調査は3~5月の間に、書面とヒアリングで実施。食品メーカー3270社、食品卸売業者217社が回答した。
小売り業者でもこれです。日本では大企業が平気でこういうことをやります。何かと言えば「コンプライアンス」「法令順守」なんて言いますが、実態はこれですからね。他にも例えばトヨタ自動車は「カイゼン」と称して下請けにコストカットを押し付けますし、立場を利用した搾取が日本全体でまかり通っています。これら経営者は目先の利益に目がくらみ、恥ずかしいとは微塵も思わないのでしょう。消費者としてはついつい安さを求めてしまいますが、優越的地位乱用の犠牲のもとに成り立っている価格で買いたくはないですね。公取委が多額の課徴金を課すのもいいですが、根本的な解決になるような措置を行って欲しいと思います。大企業だからこそ、もっと厳しい処分が求められます。
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大阪維新の会:政治家養成塾を設立へ
(毎日新聞 - 12月26日 14:50)
大阪維新の会が年明けに、次世代の政治家を養成する塾「維新塾」を設立することが分かった。年明けに、全国から塾生を公募する見通し。塾長には、維新代表の橋下徹・大阪市長が就任する。「大阪都構想」実現に向け、次期衆院選をにらんだ候補者養成を進める狙いもあるとみられる。
塾生は25歳以上の人を対象とし、公募については来年1月4日の維新の全体会議で発表し、論文試験や面接で選抜。養成塾では、府と大阪市の二重行政の現状や都構想の理念・中身などを習熟させる。
橋下市長は26日、養成塾について「同じ考えを持った人が集まらないと政治なんてできない。僕が塾長になり、首相公選制、道州制、統治機構の変革などについて話す」と述べた。
松井一郎知事は26日朝に出演したラジオ番組で「政治理念や信条を引き継いでくれる次世代の皆さんにいろんな勉強をしてもらいたい」と説明。その後、記者団に対し、既成政党が都構想を実現するための法整備に協力しなかった場合に衆院選に候補を出す意思を改めて示し、「いざ、その時に何の準備もなかったというわけにはいかない」と強調した。【堀文彦、茶谷亮】
第二の「松下政経塾」の誕生か、誰もがそう思ったことでしょう。政治思想的にも近いですし。野田首相、前原氏、原口氏、玄葉氏、樽床氏など松下政経塾出身の政治家を見れば、ろくな結果にならないことが予想できます。口だけは達者で中身はただの右寄りな新自由主義者です。
既得権益層と対決する改革者を演じる橋下氏としては、既成政党と下手に手を組むとこれまでの支持を失いかねません。そこで自前で仲間を増やそうとするのは強かです。「維新塾」と「松下政経塾」出身の国会議員が国政を担う日が来るかもしれないかと思うとイヤになります。既に「松下政経塾」出身者が首相を務めるようになってしまいましたが。
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有期雇用の労働者、5年超で無期雇用に…労政審
(読売新聞 - 12月26日 20:36)
厚生労働相の諮問機関・労働政策審議会は26日、契約社員など期間を定めて働く有期雇用労働者について、通算の契約期間が5年を超え、労働者が希望した場合は、期間の定めのない無期雇用に転換させる新制度を導入することが適当とする報告書をまとめた。
厚労省はこの報告を踏まえ、来年の通常国会に労働契約法改正案を提出する。
「有期」は長期間、同じ職場で正社員同様に働いても賃金が抑制され、貧困層を生み出す要因となるなどの問題が指摘されていた。厚労省では、「新制度の導入で、正社員ではないが、安定した雇用への転換が促される」としており、一定の改善を見込んでいる。
一方で報告書には企業側の意向を重視したとみられる内容も盛り込まれ、いったん離職して一定期間が経過すれば、新制度の5年に対する契約期間の算入がゼロに戻る規定を設けることが適当とした。同一の企業で1年超5年以下勤務した場合では、離職後6か月以上経過すればゼロに戻るとされ、無期を希望する労働者としては転換へのチャンスが遠ざかることになる。
厚労省は、有期雇用の上限を3年から5年に延ばすと「安定した雇用への転換が促される」と何を根拠に考えたのでしょうか。意味が分かりません。企業にとっては、2年間雇い止めを先延ばしにできて都合がいいです。場合によっては無期雇用への転換をエサにして。有期雇用でも3年も働けば正社員と変わらない業務を任されていたりするもので、5年となれば尚更です。企業H安く長く便利に使える労働者を最大5年間も確保できます。雇用の流動化なんて進むわけないですね。
>同一の企業で1年超5年以下勤務した場合では、離職後6か月以上経過すればゼロに戻る
厚労省の最大の目的はこれでしょう。労働者のことを考えているような顔をしながら、現実の制度運用を見れば企業に都合のいいものになるでしょう。今まで2年11ヶ月で雇い止めをしていた企業が4年11ヶ月で雇い止めをするようになります。改善ではなく改悪です。法律では、3年以上雇う場合は正社員として雇うことになっているのに、3年以内に雇い止めをする企業や「雇用期間最大2年11ヶ月」と書く求人を出す企業があります。実際の求人にそう書いてなくても、3年以内にいったん雇い止めをして新しい派遣会社から派遣させる企業もあります。また、同じ派遣会社から固定勤務で3年以上派遣されているのに派遣のままの人もいます。そういう人は契約上どうなっているのか不思議です。
先日公表された労働者派遣法の改正案の中途半端さを知っていれば、今回の労働契約法改正案も案の定という感じです。労働者の待遇を底上げしようとか雇用の流動化を促そうとか本気では考えてないですからね。厚労省が本気で労働者のことを考えるなら、労働者派遣法は元に戻し、労働基準法をすべての企業に守らせればいいだけです。労働の対価に見合った給与・待遇を与えられない企業は市場に存在する価値はないんですよ。企業が人件費のダンピングで利益を出しても社会にとってはマイナスになります。
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無駄削減より「ばらまき」…民主も「自民党化」
(読売新聞 - 12月25日 16:15)
今回の予算編成では、来年中の衆院解散・総選挙もささやかれる中、「ばらまき」圧力が強まった。
民主党が2009年衆院選の政権公約(マニフェスト)で掲げた「無駄減らしによる財源捻出」などはすでに破綻し、露骨な歳出増の要求ばかりが目立った。
予算編成の焦点となったのは診療報酬の改定だ。
安住財務相は「本体部分プラスは難しい」と歳出抑制を訴えたが、小宮山厚生労働相は「本体部分を切り込むということはあり得ない」と反発した。
財務省は当初、診察や治療にかかる本体部分を据え置き、薬価部分を合わせた全体でマイナスという落としどころを考えていた。だが、日本医師会が背後に控えた厚生労働省が猛烈に巻き返した。
民主党の前原政調会長らが全体のプラスを求め、党として意見書をまとめたことが決定的となった。前原氏は「消費税に賛成してもらわないといけない。負担ばかり議論できない」と周囲に話した。
21日夜、この日3回目の大臣折衝で本体部分で1・379%、全体では0・004%の引き上げが決まった。小宮山厚労相は「約束通りだ」と胸を張り、財務省幹部は「惨敗だった」と肩を落とした。
政府・民主党は凍結していた大型公共事業の着工にも相次いで踏み切った。八ッ場(やんば)ダム(群馬県)の本体工事費用を計上し、東京外郭環状道路の未着工区間の新規着工を決めた。整備新幹線の未着工3区間も着工を認める見通しだ。
マニフェストの「コンクリートから人へ」の方針は形だけになり、公共事業費は、復興特別会計分を合わせて前年度比6・6%増やした。
予算編成の期間中、民主党議員が財務省を訪れる姿もたびたび見られ、財務省幹部は「民主党議員の陳情攻勢は自民党時代と同じか、それ以上」と漏らした。民主党はかつて自民党に「地元や支持基盤への利益誘導」との批判を浴びせていたが、今や「自民党化」に拍車がかかっている。
読売が言う「ばらまき」って何のことなんでしょうね。診療報酬も公共事業も「ばらまき」なんですね。読売は社説で社会保障分野の歳出も削減しろと書いているので、「歳出増=ばらまき」なのかと思います。正確に言えば、庶民に還元するような歳出には反対ですね。経済界に恩恵がある歳出増は批判しません。
>マニフェストの「コンクリートから人へ」の方針は形だけになり
この一文はその通りですね。震災復興を早急に目指す中、公共事業費が増えるのは当然で、総額が増えても「ばらまき」とは言えません。しかし、八ッ場ダムや東京外郭環状道路の未着工区間、整備新幹線の未着工3区間は本当に必要な公共事業なのでしょうか。
>「民主党議員の陳情攻勢は自民党時代と同じか、それ以上」
選挙で票になる組織や団体の陳情を予算に反映させることに一生懸命だったということですね。たしかに自民党時代と変わりません。民主党の「自民党化」について私は以前から書いてきました。鳩山政権が普天間移設問題でとん挫し、そこで「自民党化」の流れは決定的になったと思いました。鳩山→菅→野田と首相が交代するにつれ、「自民党化」に拍車がかかり、野田政権の誕生で完全に「自民党化」は達成されたと考えています。富裕層・大企業優遇、対米追従、官僚主導に戻り、財政再建路線、新自由主義の復活です。旧体制側の復権です。選挙での民意による「政権交代」で政治が国民のものにならなければいったいどうすればいいんだ、という感じですが、残念ながら、現状ではどうしようもないとしか言えません。自民を否定し、さらに民主を否定した先に待っているのは、やはり新自由主義者の橋下徹氏ですから。
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農業大規模化を推進=TPPにらみ競争力強化
(時事通信社 - 12月24日 11:05)
農産物輸出大国の米国やオーストラリアを含む環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加方針を表明した野田政権にとって、国内農業の立て直しは喫緊の課題だ。2012年度当初予算案では、農家経営の規模拡大に向けた農地集積推進事業などの競争力強化策を盛り込んだ。
米豪は広大な農地を強みに、低コストで生産した小麦などを輸出。農家1戸当たりの農地面積は日本の2ヘクタールに対し、米国は198ヘクタール、豪州は3023ヘクタールと規模の差は圧倒的だ。この差の解消はできないものの、農林水産省は国内農業の体質強化策として、5年後に平地の経営規模を20~30ヘクタールに引き上げる目標を掲げた。
来年度予算案では、農地を貸す側、借りる側の双方から大規模化を促す事業に172億円を充てる。地域ごとに設定する中核的な農家に農地を貸す人に30万~70万円の「農地集積協力金」を交付。農地を借りる農家には10アール当たり2万円の「規模拡大加算」を交付する。
TPPをにらんでの国内農業の立て直しのために何をするかと思えば「大規模化」です。ナンセンスですね。TPP参加に強く反対している農業を何とか大人しくさせたいのでしょうが。アメリカやオーストラリアの国土と農地の広さを見れば、日本みたいな平地の狭い国で農地の規模で対抗することは不可能なことは明白です。記事でも「米国は198ヘクタール、豪州は3023ヘクタールと規模の差は圧倒的」と書いてあるじゃないですか。2ヘクタールの日本が頑張って10倍にしたところでアメリカの10分の1です。大規模化を否定するわけではありませんが、日本が目指すべき農業はアメリカやオーストラリアのそれとは違うはずです。日本国民は国産の安全でおいしい農作物が食べたいんです。大規模化でコスト競争するのは向いていません。国内農業の立て直しをするなら、農協の改革や農地法の見直しなどをした方がいいと思います。
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東京電力:企業向け値上げ 来年4月、2割程度 「家庭」も申請検討
(毎日新聞 2011年12月22日 東京夕刊)
東京電力は22日、企業向け電気料金を12年4月から値上げすると発表した。福島第1原発事故後の各原発停止に伴う火力発電所の燃料費増加で悪化した収益構造を改善させるのが目的。値上げ幅は2割程度を検討している。東電は家庭向け電気料金についても、できるだけ早い時期に政府に値上げを申請する方針を示した。【立山清也】
値上げを決めたのは契約電力50キロワット以上の事業者向け。主な顧客はオフィスビルや工場、デパートなど。対象は約24万件で東電の販売電力量の6割を占める。電力小売り自由化で、05年に契約電力50キロワット以上は、値上げに政府の認可が必要なくなっており、東電の判断で実施できる。来年1月までに新料金体系など詳細を詰める。
福島第1原発事故以降、原発を代替する火力発電所の燃料費が8300億円程度増加し、東電は12年3月期連結決算で約6000億円の最終赤字に陥る見込み。政府は東電に公的資本を注入する方向で検討しているが、資本注入だけでは赤字構造は変わらず、東電は値上げが必要と判断した。電力各社は燃料の価格変動を自動的に反映させる「燃料費調整制度」で毎月の電気料金を改定しているが、今回の値上げは、この制度とは別で、第2次石油危機後の80年以来32年ぶりとなる。
会見した西沢俊夫社長は「燃料費負担が大幅に増加し、燃料調達や電気の安定供給にも重大な支障をきたす恐れがあり、値上げをお願いさせていただくことにした」と説明。ただ、円高に苦しむ製造業などにとってコスト増となるため、反発が予想される。
一方、契約電力50キロワット未満の一般家庭向けなどの値上げには政府認可が必要。この分野は、経済産業省の「電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議」が来年2月にも原価の算定基準などの見直し方針を示す予定。これを受け、東電と原子力損害賠償支援機構が値上げ申請の時期や上げ幅を検討し、来春策定予定の総合特別事業計画に反映させる。
電気料金の値上げについて、枝野幸男経産相は22日、記者団に「総合特別事業計画の認定に当たり、東電のすべての状況を考慮する」と厳しい姿勢で臨む考えを示した。
ふざけるな、としか言いようがありません。経営陣は誰も責任を取らず、社員にはボーナスを支給し、退職金や企業年金に手を付けず、そのくせ値上げとは頭がおかしいとしか思えません。つい先日も、東電が接待費や社内サークル活動費も原価として電気料金に上乗せしていたことが明らかになりましたし、実際の費用より6000億円も原価を釣り上げていたというニュースもありましたよね。現代の貴族階級にもなると庶民とは感覚がまったく違うのでしょう。東電に自浄作用は期待できないから、さっさと解体しろと私は書いてきました。隠蔽体質もそのままに異常な組織を存続させようとするから平気で2割の値上げするとか言い出すんです。
>「燃料調達や電気の安定供給にも重大な支障をきたす恐れがあり」
事実上の債務超過のくせに今さら何を言っているのでしょうか。東電が心配しなくても、たとえこれで経営破綻しても、政府がメンツにかけて電力の安定供給は死守しますよ。実質的に政府の管理下に置かれる東電に値上げの権限はありません。
経団連会長:電気料金値上げ容認を示唆
(毎日新聞 2011年12月22日 19時48分)
経団連の米倉弘昌会長は22日、東京電力の企業向け電気料金値上げについて、記者団に「上げられると困るが、電力の安定供給に今は火力しかない。今の段階ではやむを得ない」と容認する考えを示した。さらに「国民全体で(電力の安定供給を)支えていくことが必要だ」と語り、家庭向け電気料金の値上げもやむなしとの考えを示した。
値上げ幅が2割程度となる見通しについて、米倉会長は「深夜料金等を入れたら、もっと少ないと思う。(海外に生産拠点を移転せずに国内で)まだまだ辛抱できる」と述べた。しかし、経団連の会員企業には、東電に慎重な対応を求める声もある。【川口雅浩】
東電擁護、原発推進派の米倉氏が反対するわけがありません。それにしても、経団連は世界と比べて日本の法人税率が高いと引き下げを要求するわりに、世界一高い日本の電気料金には文句も言わず、値上げすら容認するそうです。この矛盾について誰か聞いてきてくれないでしょうか。
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労働組合員数、1000万人割れ
(時事通信社 - 12月22日 19:05)
厚生労働省が22日発表した2011年の労働組合基礎調査(6月末時点)によると、全国の組合員数は前年比9万3033人減の996万591人と2年連続マイナスだった。1000万人を下回るのは組合員数が増加途上だった高度経済成長期の1964年以来、47年ぶり。東日本大震災の影響に加え、近年の「労組離れ」が背景にあるとみられる。
組合員数はピークだった94年の1269万8847人から2割以上も減少したことになる。また、労働組合数も2001年から毎年減少し、11年は2万6051組合となった。
厚労省は「製造業から非製造業への産業構造の転換や、フルタイム労働からパートタイムなどへの移行がある」と指摘。非製造業や非正規労働者は組合の組織率が低いことが、減少の要因とみている。
労働組合のトップである「連合」は正社員の既得権益を守るだけのただの御用組合の集合体ですし、派遣やアルバイトなど非正規労働者の問題はスルーしてきたので、「労組離れ」は自然の流れですね。労組に入っても待遇が良くなると思っている人は少ないでしょう。特に若い人は。労働者全体の底上げをしなければいけないのに、正規、非正規で分けること自体が間違いです。
ただ、役立たずの労組でも組合員数減少は問題です。数は力です。労働者側の力が弱くなると経営者側に抵抗できなくなります。お金と権力を持つ者の意見が通りやすいのが今の社会なので、弱者の意見が政治に反映されなくなります。労組の御用組合化、弱体化のせいで現在の労働環境があることは事実です。
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『家政婦のミタ』最終回の視聴率40%
(ORICON STYLE - 12月22日 10:00)
女優・松嶋菜々子が主演し、社会現象を巻き起こした連続ドラマ『家政婦のミタ』(毎週水曜 後10:00~ 日本テレビ系)の最終回が21日放送され、平均視聴率が40.0%、瞬間最高で42.8%という近年稀に見る驚異的な高視聴率で幕を閉じた。同数字は一般劇として(NHK大河&朝の連続テレビ小説除く ※1977年9月26日以降に放送された番組)、歴代同率3位に入る快挙。また今世紀に放送された連ドラの中で1位を獲得。名実共に今年を代表する作品となり、また後世に語り継がれる“名作”として、その名を永遠に残すことになった。
これまでの一般劇部門の歴代高視聴率作品TOP3は、1位『積木くずし・親と子の200日戦争』最終話(1983年 TBS系)の45.3%、2位『ビューティフルライフ』最終話(2000年 TBS系)の41.3%、3位『熱中時代』最終話(1979年 日本テレビ系)の40.0%だった。今回の『ミタ』は同率3位にランクインし、あの『 3年B組金八先生』の最終話39.9%を上回る結果となった。
最終回では、松嶋演じる三田灯(みた・あかり)が、家政婦を務める阿須田家の子供たちから「お母さんになって」と懇願され、「承知しました」と返事をしたことに、阿須田家の父・恵一(長谷川博己)は驚きを隠せない。そんなとき、恵一が食事中に倒れ、入院してしまう。阿須田家は、しばらく三田と子供たちだけの生活になる。しかし三田が母になって以来、子供たちの周りで不運なことが次々と起こり、阿須田家には不穏な空気が漂う。困惑を深める子供たちは、三田が家を乗っ取るつもりではないかと疑い始める……
同作は初回の平均視聴率が19.5%と好発進し、第5話(11月9日放送)で、初の20%超えとなる22.5%。その後も右肩上がりで伸び続け、10話までに6週連続で20%台をキープ。第8話(11月30日放送)での29.6%を記録するなど、各局が強力な年末特番を放送する中、圧倒的な強さを誇ってきた。
最終話直前の午後9時からは特別番組『さよなら「家政婦のミタ」特別版』が放送され、平均視聴率は28.7%を記録。1話から最終話までの平均視聴率も25.2%だった。
近年、視聴者離れの影響で、以前のように30%を超える作品はなかなか現れなかった。視聴率15%以上でヒットドラマ、20%以上で大ヒットドラマという認識の中で、40%を超えたのは、まさに“神がかり”的な数字といえるだろう。現在のところ続編や映画化の予定はないとされている同作だが、視聴者からは“続き”を望む声が殺到することになるだろう。
(※ビデオリサーチ調べ・関東地区)
2010年代にに40%をとるテレビドラマが出るとは思わなかったですね。
最終回30%超(2000年以降)
41.3% Beautiful Life (木村拓哉・2000年)
40.0% 家政婦のミタ (松嶋菜々子・2011年)
37.6% GOOD LUCK (木村拓哉・2003年)
36.8% HERO (木村拓哉・2001年)
34.2% やまとなでしこ (松嶋菜々子・2000年)
見事にキムタク、松嶋奈々子が上位を占めました。
この数年で一気にテレビ番組が面白くなくなったと実感しています。邦楽シーンも同様です。他の番組が総じて低レベル化する中、面白い番組を作れば、視聴者を集め視聴率で突き抜けることもできるということでしょうか。ライバルが少ない分、ドラマの話題を「家政婦のミタ」が独占したような印象です。ダントツぶりが漫画「ワンピース」みたいだなとも思いました。
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前原政調会長を不起訴へ=外国人献金「嫌疑なし」―京都地検
(時事通信社 - 12月21日 15:05)
民主党の前原誠司政調会長が在日外国人から政治献金を受け取っていた問題で、京都地検は21日、前原氏に対する政治資金規正法違反容疑の告発について、嫌疑なしで近く不起訴処分にする方針を固めた。
捜査関係者によると、告発を受け、地検は前原氏本人や献金した京都市内の在日韓国人の女性らから事情聴取。その結果、前原氏は女性を外国籍と知っていたとみられるが、献金を受け取っていた認識はなかったと判断した。
告発状などによると、前原氏は女性から2005年~08年と10年に各5万円、計25万円の献金を受け取ったとされる。前原氏は問題発覚後の今年3月、外相(当時)を引責辞任した。
献金を受け取っていた認識はなかったと判断した?嫌疑なし?
「嫌疑不十分」ではなく「嫌疑なし」なんですか、驚きました。
当時の報道では、前原氏も在日韓国人の女性も認識していたようにしか思わなかったのですが、前原氏が「認識はなかった」と言えばそうなるんですね。両者はかなり長い付き合いがあり関係も深そうでしたよね。そこで思い浮かべるのが小沢氏ですが、検察審査会への申し立てで強制起訴になりました。小沢氏があのレベルで強制起訴なら前原氏も当然起訴される献金問題だと思います。報道での扱い方も全然違いますよね。この問題で起訴処分にならないとしても、「嫌疑なし」はおかしいと思います。
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所得税:最高税率「45%」…政府税調、5%上げで調整
(毎日新聞 - 12月21日 03:00)
政府税制調査会は20日、税と社会保障の一体改革に伴う消費税増税に合わせ、所得税の最高税率を現行の40%から45%に引き上げる方向で調整に入った。高所得者ほど税負担が重くなる累進機能を強化するとともに、消費増税時に負担感が増す低所得者の不公平感を和らげる。政府・与党が年末をめどにまとめる一体改革素案に方向性を盛り込みたい考えだが、民主党内では負担増への慎重論もあり、調整を続ける。
所得税は、年収から各種控除を差し引いた課税所得額に応じ、税率が段階的に上がる仕組み。70~80年代の最高税率は75%だったが、消費税導入や景気対策に伴う所得減税で引き下げられ、現在は課税所得1800万円超の部分にかかる40%が最高税率になっている。
ただ、高所得者から集めた税金を社会保障などに使う再分配機能が低下しているとの指摘があり、政府税調は見直しに着手していた。また、課税所得に応じて六つある税率段階を増やし、高所得の部分にかかる税率を引き上げるなどの措置を検討する。【赤間清広、小倉祥徳】
まずは累進強化への第一歩と前向きに評価したいところですが、「消費増税時に負担感が増す低所得者の不公平感を和らげる」意図ではダメなんですよね。課税所得1800万円超の部分にかかる税率が40%から45%になったところでたかが足れているわけです。最高税率のさらなる引き上げと分離課税の見直しをやらなければ、本来の累進強化になりません。政府は富裕層の負担を少しだけ重くして低所得者ほど苦しい消費税を2倍の10%に引き上げようとしているのですから。富裕層の人たちは、富裕層に富を集中させると世の中にお金が回らなくなり、結果的に自分たちの首を絞めてしまうことに早く気付いた方がいいです。かつての税制はそれなりにちゃんと機能していたということです。
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菅氏の原発視察どなり声ばかり…池田・前副大臣
(読売新聞 - 12月20日 09:53)
東京電力福島第一原子力発電所事故で現地対策本部長を務めた池田元久前経済産業副大臣が、3月11日の事故発生から5日間の様子を手記としてまとめた。
菅前首相は事故翌日の12日に原発を視察した際、待機していたバスの中で東電の武藤栄副社長(当時)と対面したが、「(菅氏は)初めから詰問調で、どなり声ばかり聞こえ、内容はよく分からなかった」という。
さらに、菅氏が大勢の作業員を前に「何のために俺がここに来たと思っているのか」とどなり散らしたとし、池田氏は「首相がこの時期に現地視察したことを含め、指導者の資質を考えざるを得なかった」と述懐。手記では経済産業省原子力安全・保安院などの対応も取り上げ、「原子力安全神話に包まれていたのではないか」と総括した。
読売は「脱原発」を宣言し浜岡原発を止めた菅氏を貶めたいのでしょう。一方的な視点に立って書かれた記事です。短気と言われる菅氏でも怒鳴る理由くらいあるわけで、その後の東電の数々の言動を見れば、怒鳴る気持ちを理解できる国民は多いと思います。「内容はよく分からなかった」なら、「首相がこの時期に現地視察したことを含め、指導者の資質を考えざるを得なかった」なんて言う資格はありません。原発を所管する経済産業省の副大臣が分からないって恥ずかしいことですよ。いくらなんでも意味の分からないことを東電副社長に言い続けていたとは考えにくいですし、分からないなら確認するのが当然です。菅氏の指導者の資質には批判するべき点は多いですが、少なくとも、「脱原発」を宣言し、浜岡原発を停止することは、他の首相にはできなかったことだと思うので、その点は評価しています。
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ウィニー開発者の無罪確定
(毎日新聞 2011年12月20日20時05分)
ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」を開発・公開し、インターネット上で映画などの違法コピーを手助けしたとして、著作権法違反ほう助罪に問われた元東京大助手のプログラマー、金子勇被告(41)に対し、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は19日付で、検察の上告を棄却する決定を出した。裁判官5人のうち4人の多数意見。罰金150万円を言い渡した1審を破棄し、逆転無罪とした2審・大阪高裁判決(09年10月)が確定する。
ネット上のソフト提供行為に刑事罰を適用することに対し、開発者は「萎縮効果を生む」などと反論してきたが、今回の決定は捜査当局に一定の制限をかけたといえそうだ。
金子被告は02年からウィニーを公開。入手した2人の男性=いずれも有罪確定=がゲームソフトなどを無許可で公開する著作権法違反行為を可能にしたとして、ほう助罪で起訴された。1審・京都地裁判決(06年12月)は「著作権侵害に利用されると認容して公開した」と有罪。2審は「被告は違法使用を勧めて提供はしていない」として無罪とした。
小法廷は、ほう助の罪成立を限定的に解釈した2審判決について「法解釈を誤っている」と指摘。適法にも違法にも利用できるウィニーを中立価値のソフトだとした上で、「入手者のうち例外的といえない範囲の人が著作権侵害に使う可能性を認容して、提供した場合に限ってほう助に当たる」との初判断を示した。
その上で、金子被告については、ウィニーが著作権侵害に利用される可能性が増えてきたことを認識しつつも、利用者の4割程度にまで拡大するとは認識していなかったとして、ほう助の故意はなかったと結論付けた。違法なファイルのやり取りをしないよう注意書きを付記していた点なども考慮した。
大谷剛彦裁判官(裁判官出身)は「ほう助犯が成立する」との反対意見を述べた。【石川淳一】
◇「悪用しないで」…金子さん会見
金子さんは20日夜、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、「開発をちゅうちょする多くの技術者のため公判活動してきた。私の開発態度が正しく認められたことをありがたいと思う。ウィニーを悪用することのないよう改めてお願いする」と笑顔を見せた。
現在も開発者の一人として、後進のプログラマーの指導に当たっているという。「(ウィニーが)悪用しかできないと勘違いされて広まってしまったが、悪用を考えて開発する人はいない」と強調した。会見に同席した弁護人は「事件はウィニーの技術や価値を検討せず、偏見で捜査を進めた」と批判した。
一方、最高検の岩橋義明公判部長は「主張が認められなかったことは誠に遺憾」とのコメントを出した。
◇Winny(ウィニー)◇
利用者が各自のパソコンに所有する映像や音楽などのファイルデータをインターネットを通じて共有、交換するソフト。送信者を特定しにくい「匿名性」と、不特定多数へのデータ拡散を可能にする「効率性」が大きな特徴で、映画などの著作物の違法流通を容易にしたほか、暴露ウイルスの出現で警察や原発などの機密情報の流出の問題も生じた。
「著作権侵害に利用されると認容して公開した」とする1審の有罪判決と「被告は違法使用を勧めて提供はしていない」とする2審の無罪判決を読み比べてみても、無罪は当然ですね。「ウィニーが著作権侵害に利用される可能性が増えてきたことを認識しつつも、利用者の4割程度にまで拡大するとは認識していなかった」のも当然です。前もってウィニーを公開してどのような利用をされるか認識するのは困難です。しかも、「違法なファイルのやり取りをしないよう注意書きを付記していた」ので、ほう助の故意を認定するのはそもそも無理筋の裁判でした。違法ダウンロードは、ネット上にアップロードした人が悪いのであって、金子氏が悪いわけではありません。
この逮捕劇のせいで、日本のIT産業が10年遅れてしまったとよく言われます。日本では違法扱いされるP2P技術を使ったITサービスの開発が遅れてしまいました。また、金子氏が逮捕されなければ、その後の多くのウイルス騒動や流出騒動は起きなかったでしょう。ウィニーの技術や価値を正しく理解せず、偏見で捜査を進めた京都府警は強く反省が求められます。また、既に逮捕から7年以上が経過しており、失われた期間による損失の重さも受け止めるべきです。無罪確定まで7年もかかったことも問題です。京都府警「ハイテク犯罪対策室」が今はどのような捜査をしているのかも気になります。
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奨学金返済に「出世払い制度」創設へ
(読売新聞 - 12月19日 14:32)
政府は19日、独立行政法人・日本学生支援機構が貸与している無利子奨学金制度について、低所得世帯(年収300万円以下)の大学生が、卒業後に一定の収入を得るまでの間、返済を猶予する制度を創設する方針を固めた。
東日本大震災や不況の影響を受け、経済的に困窮する学生が増える中で修学機会を確保する狙いがある。安住財務相と中川文部科学相が2012年度予算に関する閣僚折衝で合意したうえで、来年4月から新制度の導入を目指す。
現行制度では、低所得世帯の大学生について5年間に限り返済を猶予する制度はあるが、それ以降は本人や親などが支払う必要がある。
日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金は、有利子奨学金が全体の約8割、無利子奨学金が約2割となっています。なお、返済義務のない給付型奨学金はありません。無利子奨学金の選考基準は「特に優れた学生及び生徒で経済的理由により著しく修学困難な者に貸与します」となっています。先輩が返還したお金が後輩の奨学金になります。
新たな猶予制度は、全体の2割の無利子奨学金についてです。無利子奨学金は、経済的に恵まれていない家庭に育った学生が利用するので、5年待ったから親が払えと言っても難しい家庭が多そうですね。現実問題、若い世代は年収が低く、何年経っても年収がほとんど上がらない非正規雇用だったりします。卒業後の就職が大変で不景気な中、滞納者が増えるのは当然です。そして、そんな彼らを5年待ったところで年収300万円を超える人がどれほど出るのかと思いますし、結婚、子育て、介護など、年齢を重ねればかかるお金も出てきます。また、「一定の収入を得るまでの間、返済を猶予する」という条件なら、女性が結婚して専業主婦になり収入ゼロになった場合、猶予は認められるのかという疑問も出てきます。
日本学生支援機構の奨学金を延滞するとどうなるかというと、延滞している日数に応じて延滞金が課されます。有利子奨学金の場合、利子の上にさらに延滞金がかかってくるわけで、これでは学生ローン、学資ローンと変わりません。学生の進学を支援するための「奨学金」に、普通の金融機関のローンと同じように延滞金がかかってくるのはおかしいと思います。借りたお金は返すのは当然ではありますが、奨学金を借りなくても進学できる人は借りないわけで、延滞金は本来の目的に沿わないものだと思います。
「一定の収入を得るまでの間、返済を猶予する制度」は、返したくても返せない、だけど延滞金だけが増えていく、そういう人にはいいと思います。その一方で、この新たな猶予制度の条件に当てはまり続ける人は返済する意欲をなくすかもしれません。制度を悪用するというか。また、新たな猶予制度は有利子奨学金には当てはまらないので、残り8割の中の滞納者についても対策が欲しいところです。
なぜ学生が奨学金を借りるかといえば、大学の授業料が高すぎるからですし、日本に返済義務のない給付型奨学金制度がほとんどないからです。近年、大学が乱立して大学生が増えたことも滞納者増加の一因です。日本は他の先進国と比べて教育への支出が低いですし、家庭の負担率が高いです。日本が生き抜くために重要な人材を育てる教育分野にもっと積極的に支出、支援をして欲しいと思います。
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発電するほど赤字、火力頼みの電力会社苦境
(読売新聞 - 12月18日 16:23)
電力会社の経営環境が厳しさを増している。
原子力発電所が通常通り動くことを前提にした料金制度が実態と合わずに、発電するほど赤字が膨らむ構図だ。東京電力福島第一原発の「冷温停止状態」宣言を受け、電力会社の間では、政府に対し再稼働問題と料金制度見直しにも力を振り向けるよう求める声が高まりそうだ。
◆赤字決算
電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は16日の記者会見で、電力会社の苦しさを訴えた。「火力発電をフル稼働しており、燃料費は増え続けている」
原発を持たない沖縄電力を除く電力9社は、2011年9月中間決算で軒並み赤字決算や大幅減益に見舞われた。発電コストの低い原発の稼働率が落ちているためだ。
中でも関電は、発電量に占める原発の割合が5割と9社中最も高く、燃料費などの費用は4月からの半年間で前年同期と比べ1300億円増えた。
膨らむ経費を賄うために社債を発行しようにも、震災後、電力各社の信用力は低迷し、高い金利を付けなければ買い手がつかないために事実上発行できない状態が続いている。
電力会社は震災前、日本国債並みの低金利で社債を発行して返済期間の長い資金を調達し、何十年という単位で発電設備の建設などを進めてきた。「原発の再稼働が進めば、社債の発行環境は改善する」(八木会長)との期待もあるが、政府内の議論は進んでいない。長期安定した資金繰りを前提にした事業モデルが崩れつつある。
ウソだらけの「冷温停止状態」宣言、「収束」宣言にも無批判の読売らしい記事ですね。いつものように原発再稼働キャンペーンです。「発電コストの低い原発の稼働率」などといつまでウソを書き続けるのでしょうか。
>「原発の再稼働が進めば、社債の発行環境は改善する」(八木会長)
原発の保守・運営は下請けに丸投げして、総括原価方式による世界一高い電気料金で高い給与・手厚い福利厚生・退職金を得るというボッタクリ経営をしてきた電力会社が経営環境が厳しいと言うとは、寝言は寝てから言えという感じです。原発を再稼働させても、現場で働く作業員の給与のピンハネ構造には手を付けないくせに。関電の燃料費増加分が年間2600億円増えたとしても、内部留保を使ったり、人件費を削減したり、広告宣伝費や販促費を削減したり、資産売却をすれば全然問題ないと思います。そんなに赤字で経営環境が厳しいならボーナスを支給しなければいいんじゃないですか?
原発を稼働させればさせるほど放射性廃棄物は増えるわけで、そっちの処理費用の方が余計なコストがかかります。高コスト体質をすべて見直してから出直してこいと言いたいです。国民の民意である「脱原発」を進めるために「発送電分離」を行い「電力自由化」を実現することが1番の解決策です。
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TBS報道特集「原発を退職した18歳の証言」 メモ&感想
原発を退職した18歳の証言・・・過酷作業と暴力・脅しも
(2011年12月17日 放送)
(以下、メモ)
東海第二原発
・日本原子力発電が経営、東京電力・東北電力に電力を提供
・3月11日 緊急停止
・5月~ 定期点検
福島県内に住むAさん(19歳)は今年春、高校を卒業。いったんは地元で就職したものの震災の影響で解雇された。父親はケガのため仕事ができない状態だった。
福島県いわき駅前のビルに一室を構えていたP社。ネット販売を主な業務としていた。一方では、国の奨励金の出る震災特例で震災作業員を募集していた。
Aさん
「親がケガで入院しているので、誰かが支えなければならない。家族を支えたいという思いで働きました」
1ヶ月半、建設現場などで働いた後、会社の社長から東海原発で働いて欲しいと言われた。当初、彼は行きたくないと訴えたという。
Aさん
「放射能の問題もあったので、自分の体を守りたい。そのことを社長に話したら“決まっているから”と言われた」
Aさんの家族も原発には行かせたくないと訴えたが。
Aさんの父親
「(原発に)行かないだけでも損害賠償を取ると言われたので」
Aさんの母親
「知らないうちに手続きされていたみたいで」
Aさんの父親
「“建屋の中に入るような仕事ではない”“防護服を着るような仕事ではない、安心してください”という話だった」
Aさんは7月末、東海原発で働き始めた。
建屋の外での作業と言われていたが、現場に着くと話は違っていた。
Aさん
「上から数えて3番目の水色の線、あの辺りで作業をしていた」
東海第二原発 使用済み燃料プール
・この中には放射性廃棄物を大量に含む使用済み燃料棒が保存されている
これは2002年、専門家が水中カメラをプールに沈めて燃料棒の傷の有無ををチェックしている様子だ。Aさんが任されたのはまさにこの仕事だった。
Aさん
「作業台車から自分の手でこうやって、ねじるように。(カメラを)燃料棒のところに持っていって撮影する仕事をしていました」
誤って物を落としたり、燃料棒に傷を付けてしまえば事故になりかねない。万一プールに落ちれば大量に内部被ばくする可能性がある。緊張を伴う危険な作業だ。
Aさん
「ゴム手袋をして、ゴミが落ちている時は手で取った。自分はこんな仕事をやっているのかと不安が大きくて怖かった」
土日は休みだと会社から聞いていたAさんだが、実際にはお盆以外に休みはなく、毎日10時間の労働を課せられた。さらに夜23:30から翌朝10:30まで夜を徹しての勤務が続くこともあった。
Aさんが18日間の勤務で得た賃金は、基本給12万6000円と残業代。日給にして7000円は建設現場で働いていた頃と同じだった。仕事では先輩たちについていくのが精一杯だったというAさん。ある夜、滞在するホテルで先輩社員から部屋に呼び出され、態度が悪いと殴られた。
Aさん
「自分はこの状態(ベッド上で仰向け)だった。上から目の辺りを殴られた」
こんな状態が何年も続くなら死んだ方がマシではないか。Aさんはそんな思いを抱くようになったという。
Aさんの両親から相談を受けたのは、いわき市議会議員の渡辺博之さんだった。Aさんと連絡を取るとすぐさま滞在するホテルに向かった。
いわき市議(共産党) 渡辺博之
「声の調子とか、自殺したいという言い方をしていて。これはまずいと思ったので、その日のうちに行くことにしました」
ホテルの部屋まで行くとそのままAさんを連れ出した。そして、両親のもとに送り届けた。翌日から会社の社長らが自宅にやって来た。Aさんが持ち帰ったままの入講証と制服を返すせと求めるとともに、こう言ったという。
「ホールボディ(内部被ばく検査)を受けないと指名手配になるとか」
内部被ばくの検査を受けなければ逮捕されると言われたという。その後、Aさんと両親は警察の仲介のもと入講証と制服を返却した。現在、弁護士を通して暴力などに対する慰謝料を求めている。
私たちは、Aさんを殴ったという先輩社員に話を聞くことができた。
先輩社員
「普通の作業現場だったら別にかまわないが、常に緊張感を持っていないといけないし、どれだけ重要な現場に来ているか分からせるために、教育の一環で2,3発たたいてしまった」
そして、この先輩社員自身も使用済み燃料プールで働くことは事前に知らされていなかったという。
先輩社員
「“もしかして燃料プール?”と言ったら“ああ、そうだよ”って。まずいところに来ちゃったなと」
Q.ぶっつけ本番?
先輩社員
「そうですね」
Aさんと先輩社員を東海原発に送り込んだP社の社長はどう考えているのか。会社のあるビルを訪ねたが、先月末に退室していた。その後、P社の代理人弁護士からは、Aさんとは紛争中であるため取材に応じることができないという返答が来た。
Aさんたちが雇われていたのは4次下請けの会社だ。発注元である日本原子力発電に対し、それぞれとの契約関係、雇用関係を尋ねたところ、個々の労働者の雇用契約はここ関係する各会社と労働者とが個々に締結するものであり、当社は関知する立場にない、と回答した。
日本原子力発電
「個々の労働者の雇用契約は、関係する各会社と労働者とが個々に締結するものであり、当社は関知する立場にない」
Aさんを東海原発から連れ帰ったいわき市議の渡辺さん。福島原発事故の以前から原発労働者の相談に乗っている。
いわき市議(共産党) 渡辺博之
「原発の末端の労働者は、社会保障もなければ、そういう無法状態がもともとありますけれども、福島第一原発では事故が起こって、さらに酷くなっていると私は見ています」
今、渡辺市議が特に気にかけているのは、福島第一原発の事故処理をしていた40代の男性だ。その男性からのメール。
「ピンハネされるとは思いもよりませんでした。悔しいし納得できない」
給料をピンハネされたと訴えるのは、九州に暮らすBさん。7月から8月にかけ福島第一原発で働いていた。自営業でつまづき、短期労働でしのいでいる中、原発での仕事を知り合いから紹介された。当初は建屋の外での作業だと聞かされていた。しかし、Bさんが命じられたのは、水素爆発で崩れた1号機の中での作業だった。しかも、上層階の特に放射線量が高い場所で。真っ暗な建屋内。ヘッドランプだけを頼りに駆け上がり、鉛の板を設置するのが仕事だった。専門の技術者が作業に入れるよう放射線量を下げるためだ。
Bさんが命じられた仕事
・1号機建屋内に鉛の板を設置
Bさん
「長くいればいるだけ線量が上がってしまうので、もう上がったり降りたりしている時点でAPDという線量を測る機械が鳴るんですよね。ウィンウィン鳴るので、とにかく早く置いて早く降りて早く逃げる」
取材班が用意した防護服をBさんに来てもらった。防護服2枚に手袋3枚。全面マスクの周りには放射性物質の侵入を防ぐためテープを巻く。この格好で20キロの鉛の板を背負い、ビル6階分の階段を駆け上がり、降りてきた。
Bさん
「心臓が破裂しそうなほど、きついです。手袋を取ると、一緒に水がパンとはじけるぐらいに汗をかく」
一月余りで浴びた放射線量は12.28ミリシーベルト。7月8月に福島第一原発で働いた労働者およそ2000人のうち、10ミリシーベルトを超えたのは1割だ。九州を出る前、給料は日給14000円と言われ、さらに現場では、担当者から危険手当も支払われると聞いたという。しかし、給料明細を見て目を疑った。日給は約束された1万4000円ではなく1万1400円。危険手当も支払われなかった。
Bさん
「これを受け入れていたのでは奴隷になってしまう。そんな卑屈な人間にはなれない。約束したことは守ってほしい」
東京電力とBさんの間には6つの業者が入っている。それぞれの関係はどうなっているのか。もし人材派遣ならば、厚生労働省の許可を得たり、登録したりしなければならない。その中のひとつF社(4次下請け)に電話をしてみると、F者は派遣業者として許可を受けていないことや登録していないことを認めた。Bさんは労働問題に詳しい水口弁護士に相談した。
水口洋介弁護士
「差額賃金や危険手当の支払いを求める通知を出すことになりますね」
水口弁護士は九州からBさんを送り出したY社に対し、約束した賃金の支払いと各社の契約関係を明らかにするよう文書で通知した。Y社はどう答えるのか、直接訪ねた。
長崎県佐世保市。
Y社は派遣業登録していることを強調した。
Q.S社からY社に派遣?
「派遣していただいてる」
当時の社長は法律で禁止している二重派遣の可能性を認めた。
「そうせんと仕事取れんですよ。派遣法違反になると言われれば、そうなるかも分かりませんよ、私派遣のこと勉強してませんからね。」
Q.法に違反した認識は?
「まったくありません。どこでもやられてるじゃないですか」
Bさんは4段階にわたり派遣されていたことになる。このうちF社(4次下請け)とM社(5次下請け)は、派遣業として許可を受けたり登録していたりしない。Y社(2次下請け)が払った給料と手当、合計は2万4000円。各社が応分の利益を得たため、Bさんに渡ったのは1万1400円となったのだ。
水口弁護士
「発注者は東京電力であって、元請けは日本を代表する会社ですよね。その元で、こういう下請けの末端では、こういう違法まがいのことが行われているというのは、現代でもこんなことがまだあるのかなという感じですよね」
原発作業員のこうした複雑な雇用状況についてどう考えているのか、東京電力は電話で見解を述べた。
東京電力
「発注者として元請け会社に対し法令順守するようにお願いしている。元請け会社がどんな下請け会社に発注するかは自主的な判断に任せている。当社として個別の雇用関係などについては分かりかねる」
(VTR終了)
(スタジオ)
竹内香苗
「昨日、政府が福島第一原発の事故収束を宣言して、野田総理は、英雄的とも言うべき献身的な行為に感謝を申し上げると話しましたけれども、賃金を含めて過酷な労働環境で働く現場の方々は、その表現をどんな気持ちで聞いたんでしょうね」
日下部正樹
「英雄と言っているんですけれども、発注元の東京電力は発注した先のことは分からないと言っているわけですね。つまり、最前線で働く作業員の待遇ひとつとっても、作業員がいくらもらっているかも、多分知らないですよね。一方で、同じ論法で言えば、誰がどこの現場で働いているかも把握してないとなると、東京電力はテロ対策とか非常に神経質なのに、じゃあ安全管理面はどうなっているのかと。ここらへんも心配ですし、とにかく現場は今後何十年に渡って人手不足が続くわけですから、現状のままではトラブルが起きることは明らかだと思います」
金子茂紀
「端的に言うと、差別構造というんですかね、原発労働に伴う。これは物理学者の山本義隆さんが出した“福島の原発事故をめぐって”という本で、原発の技術自体が、差別を再生産するような側面を持っているんじゃないか。例えば、1番危ないところが、1番恵まれてない、1番弱い人たちに押し付けられているとか、あるいは、都市で使う電力が過疎地で原発ができてそこから送られているとか、そういう差別構造自体を再生産するような仕組みが原発にはあるんじゃないか。山本さんは原発ファシズムという非常に強い言葉を使っていますけども、今の実態を見て、本来は放置してはいけないようなことがまるで普通なことのようにずっと続いていることを見て、暗澹たる思いがしましたですけどね」
(以上)
発注元である日本原子力発電も東電も現場で働く作業員のことは「当社は関知する立場にない」当社として個別の雇用関係などについては分かりかねる」と無関心で、テロ対策も含め安全管理をどう考えているのか疑問です。実際は現場がどうなっているかは知っているはずですが。原発はもともと人手不足の現場なので、福島第一原発事故前から作業員の確保には苦労してきました。暴力団のお世話になるなど酷いものでした。それが事故が起きたせいでさらに作業員の確保に苦労していますが、やはり作業員の待遇は変わることはありませんでした。これが野田首相の言う「英雄」の実態です。
ところで、私はたまたま20歳の男性から話を聞いたことがあるのですが、彼は社長から福島で仕事をしないかと誘われたそうです。原発内での作業ではないと聞いたそうですが、たしか日給は7万円と言っていたので、おそらく建屋内での危険な作業だったのではないしょうか。ガレキの処理と言っていたでしょうか。結局、社長が断ったそうですが、20歳では放射線の影響も大きいので断って正解でしょう。ピンハネが少ない分AさんやBさんよりマシかもしれませんが、実際に手元に入る給与は分からないですし、命あっての人生です。
東電の社員は半分に減ったボーナス40万をどうやりくりするかで頭を悩まし、その一方で、もらえても数万円の日給のために働く、もしくは騙されて働かされている、東電が言うところの「死んでも問題ない」人たちが多く存在しています。原発はこのような差別構造によって支えられています。末端の作業員は日雇いの素人で、短期間で入れ替わる素人に原発を安全に運用できるはずがありません。被ばく線量には上限があるので同じ作業員がずっと作業できません。あちこちで起きている原発事故も「人災」なんです。いくら技術的に安全だと言っても、運用するのは人間ですからね。
東電や政府によると、福島第一原発事故は収束したそうなので、あとは東電の社員のみなさんで作業してもらえばいいと思います。電力会社の社員としては、せめて受け取った給与・ボーナス以上は働かないとプライドが許しませんよね。収束したからには大きな危険はないでしょうから、志願して作業に従事していただきたいと思います。日本原子力発電や東電、政府内では、多重下請け、違法な二重派遣を改善しろという声は上がっていないのでしょうか。法令順守っていったい何のことでしょうね。
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テーマ : 「原発」は本当に必要なのか - ジャンル : 政治・経済
原発作業員「政府ウソばかり」
(東京新聞 2011年12月17日 朝刊)
「冷温停止状態」を通り越し「事故収束」にまで踏み込んだ首相発言に、福島第一原発の現場で働く作業員たちからは、「言っている意味が理解できない」「ろくに建屋にも入れず、どう核燃料を取り出すかも分からないのに」などと、あきれと憤りの入り交じった声が上がった。
作業を終え、首相会見をテレビで見た男性作業員は「俺は日本語の意味がわからなくなったのか。言っていることがわからない。毎日見ている原発の状態からみてあり得ない。これから何十年もかかるのに、何を焦って年内にこだわったのか」とあきれ返った。
汚染水の浄化システムを担当してきた作業員は「本当かよ、と思った。収束のわけがない。今は大量の汚染水を生みだしながら、核燃料を冷やしているから温度が保たれているだけ。安定状態とは程遠い」と話した。
ベテラン作業員も「どう理解していいのか分からない。収束作業はこれから。今も被ばくと闘いながら作業をしている」。
原子炉が冷えたとはいえ、そのシステムは応急処置的なもの。このベテランは「また地震が起きたり、冷やせなくなったら終わり。核燃料が取り出せる状況でもない。大量のゴミはどうするのか。状況を軽く見ているとしか思えない」と憤った。
別の作業員も「政府はウソばっかりだ。誰が核燃料を取り出しに行くのか。被害は甚大なのに、たいしたことないように言って。本当の状況をなぜ言わないのか」と話した。
>「何を焦って年内にこだわったのか」
それは、原発輸出も含め、原発維持(推進)政策を進めていきたい野田政権の方針からです。そのために新たな原子力用語「冷温停止状態」を創作し、「事故収束」まで宣言してしまいます。作業員でなくても、誰も信じていないとは思いますが。「脱原発」の民意を無視する野田首相はさながら独裁者です。
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石原新党、年明け結党目指す
(毎日新聞 - 12月17日 02:40)
石原慎太郎・東京都知事を党首とする新党構想が動き出し、20日に準備会合を予定していることが16日分かった。国民新党が中心になり、たちあがれ日本や民主、自民両党の一部議員にも参加を呼びかけている。準備会合を重ねた上で来年1月以降の結党を目指す。
「石原新党」構想は、国民新党の亀井静香代表が唱えてきた。消費増税をめぐって来年は衆院解散・総選挙が予想されることから、生き残りをかけて少数政党や民主、自民両党の一部に同調する動きが出てきた。
20日の準備会合は、新党結成を視野に入れた政策づくりのスタートとしたい考え。来年の政党交付金目当てで年内の駆け込み結成を狙ったと批判されるのを避ける判断もあり、新党結成は年明け以降にずれ込む。都知事としての実績がある石原氏を前面に出し、地方分権や道州制導入を政策の柱とする方向。大阪市の橋下徹新市長や愛知県の大村秀章知事らとの連携も狙う。
民主党内には小沢一郎元代表のグループの一部に新党結成を模索する動きがあり、小沢グループの若手議員の一人は「来週くらいには動きが出てくる」と参加の可能性を否定しなかった。別の議員は「元代表からは慎重に行動するように言われている」と語った。
たちあがれ日本の幹部は毎日新聞の取材に対し、20日の会合開催の呼びかけがあったことは認めたが、「新党の準備会合ではない。亀井氏が石原氏にどうしても会いたいと言うから、仕方なく付き合っている」と語った。
石原氏は16日の定例記者会見で新党構想について、「亀井君の思惑もいろいろありましたからね。亀井さんに聞いてください」と述べるにとどめた。
「都知事としての実績がある石原氏」って皮肉のつもりでしょうか。「たちあがれ日本」が「立ち枯れ日本」と揶揄された通りの結果に終わり、石原新党が実現する可能性は低いように思います。「亀井氏が石原氏にどうしても会いたいと言うから、仕方なく付き合っている」というのが真相な気がしますが、橋下徹氏と連携したい保守勢力の結集は実現したいところでしょうね。仮に石原新党ができたとしても、橋下徹氏が安易に連携することはないでしょう。
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政府税調:所得税の最高税率上げ検討…消費増税に合わせ
(毎日新聞 - 12月16日 02:40)
政府税制調査会(会長・安住淳財務相)は15日、税と社会保障の一体改革に伴う消費税増税と合わせて、所得税の最高税率引き上げなどで累進機能を強化する検討を始めた。相続税増税なども含めて高所得者の課税負担を高め、消費増税を実施した場合に負担感が重くなる低所得者の不公平感を和らげる狙いがある。ただ、民主党内には「経済活力をそぐ」と慎重論もあり、年内をめどにまとめる素案でどこまで具体化できるか調整する。
所得税は、年収から基礎控除や配偶者控除など各種控除を差し引いた課税所得額に応じ、税率が段階的に上がる累進構造。現在は最低5%から最高40%まで6段階ある。課税所得が2000万円の場合、195万円分までは5%、1800万円超の分には40%などの税率がそれぞれの段階で課せられ納税額は520万4000円。
課税段階は70~80年代は最高で19段階あり、最高税率は75%(課税所得8000万円超)だった。その後、所得税などの負担を減らし消費税の割合を高める政策や景気対策を目的に税率の引き下げや段階の縮小が進んだ。
一方で、高所得者などから集めた税金を社会保障などに使う「再配分機能」が低下しているとの批判も出ていた。このため政府・民主党は、最高税率を引き上げたり、課税段階を増やして高所得部分の税率を高めることなどを検討する。
また、「専業主婦優遇」との批判がある配偶者控除の縮小や、11年度税制改正法案に盛り込まれながら野党の反発で見送られた成年扶養控除の縮小なども検討する。ただ、配偶者控除には与野党の反発が強く、早期実施は困難な状況だ。成年扶養控除も野党が了解するめどは立っていない。
一方、相続税については、11年度税制改正法案で見送られた増税案の実現を目指す。【小倉祥徳】
所得税の最高税率引き上げ、累進機能の強化、これらは当然です。
>民主党内には「経済活力をそぐ」と慎重論もあり、
「再配分機能」が低下しているから市場経済にお金が回らず、景気がいつまで経っても良くなりません。消費税はその性質上、個人や企業の経済活力をそぐので、消費税導入以降景気がずっと低迷しているのは偶然ではありません。「再分配機能」を歪んだ形にしてしまったからです。
政府税調では以前から所得税の累進強化は検討されていましたが、今回の検討は、消費税増税に伴う「税と社会保障の一体改革に伴う消費税増税と合わせて」というものなので良くないですね。これでは「再分配機能」が正常に機能しないでしょう。所得税の累進強化が実施されても少しだけか、または先送りされて、消費税増税だけが実施される、そんな気がします。
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電事連会長「原発停止なら電気料金値上げ検討」「原発コスト、他電源と遜色ない」
(読売新聞 - 12月16日 20:46)
電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は16日の定例記者会見で、原子力発電所の運転停止が長引いた場合の電気料金について、「もともとの(電源の)供給構造が変わる」として、値上げが検討事項になりうるとの見方を示した。
電力会社は、運転が止まったまま再稼働できない原発の代わりに、発電コストが割高な火力発電を増やしている。八木会長は「電力会社の経営効率化の努力もあり、(値上げの)判断時期は一概には言えない」と述べる一方で、値上げを避けるには原発の再稼働が必要だとの認識も示した。
結局、八木会長が何を言いたいかというと、「原発の再稼働が必要」ということです。電事連も原発利権を守るためなら何でもやります。「電力会社の経営効率化の努力」とか笑わせてくれますね。あれだけの事故を起こしておいて、JAL以下の努力しかしていない東電に何か言うべきことがあるのではないのでしょうか。日本の電気料金が他の先進国と比べて2~3倍も高いのは、電事連や電力会社が大量のテレビCMを流してきたことも理由のひとつですよね。無駄でも何でもコストを積み上げれば、それに比例して利益も電気料金に上乗せできるからです。電気料金を半額にした上で火力発電のコスト増加分を上乗せするなら話は理解できます。
原発コスト、他電源と遜色ない 電事連会長
(共同通信 2011/12/16 18:35)
電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は16日の記者会見で、政府のエネルギー・環境会議が公表した原子力の発電コスト試算に関して、「他電源と比べて遜色ないことが示された」と述べ、原発の経済的な優位性は変わらないと強調した。
試算が原発事故による損害額を最低6兆円弱と見積もったことには、「仮に損害を20兆円としても遜色ないと言えるのではないか」と述べた。
再稼働の前提となる安全評価で、全国7基の原発の1次評価結果が経済産業省原子力安全・保安院に提出されていることについては、「国はできるだけ審査期間を短くしていただけるとありがたい」と指摘した。
「他電源と比べて遜色ないことが示された」と言い張る根拠の試算は、福島第一原発事故に伴う自治体の防災対策費は計上しておらず、試算の前提となる稼働率は原発事故前の水準70%を採用したものです。前提が違うんですよ。他電源より割高になるような条件は入れずに試算して、原発の経済的な優位性は変わらないとうそぶいています。結論ありきの試算に価値はありません。
東電、電力業界とともに、電事連もまとめて解体するべきです。
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野田首相、16日に冷温停止宣言=福島第1原発、「ステップ2」達成
(時事通信社 - 12月15日 21:05)
野田佳彦首相は16日、首相官邸で記者会見し、東京電力福島第1原発の事故をめぐり、原子炉の冷温停止状態の達成を宣言する。これに先立ち、政府は同日、首相が本部長を務める原子力災害対策本部を開き、原子炉の冷温停止状態が達成できたとして、事故収束に向けた工程表「ステップ2」完了を決定する。
政府は冷温停止状態の目標時期について当初は来年1月としていたが、その後、年内に前倒しした。
冷温停止状態は、原子炉圧力容器底部の温度が100度以下であることと、放射性物質の放射抑制・管理ができていることが条件。東電は既に「目標を達成している」との見解を示していた。
「冷温停止状態」という意味不明な言葉を創作して勝手に「ステップ2」を完了したことにしないで欲しいですね。燃料が格納容器から溶け落ちて圧力容器底部の温度が100度以下だから条件クリアなんですか?いったい何のための、誰のための工程表であり、条件なのでしょうか。野田首相はともかく、細野原発事故担当大臣もこれでいいと考えているのでしょうか。事故は収束に向かっていると偽りの大本営発表を出せば、国民は騙せると考えているのでしょうか。「冷温停止」と新たな原子力用語の「冷温停止状態」の意味はまったく違います。
原発用語言い換え危険な印象消す?
(東京新聞 2011年12月4日 朝刊)
福島第一原発事故をめぐる政府や東京電力の記者会見では、しばしば珍妙な用語が飛び出す。「事故」と言えばいいのに「事象」が使われる。「老朽化」は「高経年化」、「汚染水」は「滞留水」に。「危険性を隠したがる原子力界の潜在意識の表れだ」と指摘する原子力の専門家もいる。ヘンテコな原子力用語を検証した。 (谷悠己)
まず、政府がしきりに使いたがる「冷温停止状態」。
「冷温停止」の本来の意味は、定期検査などで原発の運転を止め、密閉された原子炉の中で冷却水が沸騰していない安全な状態のことだ。
政府などは「状態」を加えた「冷温停止状態」という言葉をよく用いる。事故収束に向かっていることをアピールするためのようで、細野豪志原発事故担当相は「慎重な表現を使っている」と強調する。しかし、原子炉の密閉性が失われて高濃度汚染水が大量に建屋内に残っている現状は、「冷温停止」の状態とかけ離れている。
原子力界では、言い換えや造語で、危ない印象を消し去ろうとの動きが続いてきた。
全国には、運転をはじめて三十年以上たつ原発が二十数基ある。記者会見で、「原発の老朽化」を問うと、担当者は必ずといっていいほど「高経年化につきましては…」と言い換えて答える。
「古くなった部分は取り換えるから、(原発に)老朽化はあり得ない」のが原子力界の「常識」だという。しかし、圧力容器や格納容器など主要部分は交換できない。
建屋にたまった放射能濃度の高い汚染水を「滞留水」と言い換えて呼ぶのもひっかかる。表面の放射線量は毎時二〇〇〇ミリシーベルト超もあり、汚染水の方が実情に合う。
汚染水を浄化して出る高濃度の放射性汚泥は「廃スラッジ」と言い換えているが、同様に人が近づけるような放射線量ではない。言い換えは、問題を見えにくくする。
片仮名、英字も多用される。ウランに毒性の強いプルトニウムを混合した核燃料は「MOX燃料」と呼ばれる。プルトニウムの使用が最大の特徴だが、「P」の字は含まれない。
極めて高い放射線量のため、いまだに建屋内の様子がよく分からない福島第一3号機でもMOX燃料が使われている。
学生に原子力の基礎知識を教える大阪大大学院の下田正教授(原子核物理学)は「都合の悪い単語を言い換えたり、記者会見を難しい用語で乗りきろうとするのは原子力界の常とう手段。福島の事故後にも使い続ける方も問題だが、メディアや市民も分かりやすい言葉を使わせるよう声を上げるべきだ」と話している。
私が繰り返し、東電、電力業界の解体が必要と書いているのは、こういう隠蔽体質が事故前と変わらず続いているからです。自浄作用のまったく期待できない東電や電力業界、経産省に、原発を管理させていいはずがありません。彼らに国民の安全は守れません。野田政権下で民意である「脱原発」からどんどん後退しています。
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所得制限世帯に月5000円=名称は「子どものための手当」
(時事通信社 - 12月14日 21:05)
民主党の厚生労働部門会議は14日、2012年度以降の新たな子ども向け手当で所得制限の対象となる世帯への負担軽減措置として、子ども1人当たり月5000円を支給する案を了承した。手当の名称を「子どものための手当」とすることも決めた。
所得制限は、夫婦と子ども2人の世帯では年収960万程度で設定する。民主党案は所得制限対象外の世帯で中学生以下に1人当たり月1万~1万5000円、制限対象世帯で同5000円が支給される。
ただ、手当の名称などをめぐっては「児童手当」に戻すよう主張している自民、公明両党の反発が予想される。政府・民主党は両党の合意が得られなければ、民主党案を基に12年度当初予算案を編成し、年明け以降に改めて修正協議を呼び掛ける方針だ。
「子どものための手当」…長ったらしいですよ。言葉遊びにしか思えません。民主党の誰が発案者なのでしょうか。2012年度以降の新たな子ども向け手当は、結局、全世帯に支給されるわけです。所得制限の余計な事務手続きとコストを考えたら、全世帯に一律で支給した方がいいですし、社会全体で子供を育てるという本来の理念にも合致します。「子どものための手当」などという妥協の産物にするくらいなら、最初から「子ども手当」を支給することにすれば良かったと思います。「バラマキ」「財源が…」と批判され、「子ども手当」は潰されましたが、これまで大企業や富裕層への優遇税制はほとんど批判されてきませんでした。例えば、「子ども手当」を「子どものための手当」に変えて捻出できた予算削減額は、先日決まった、2012年度税制改正の自動車産業や住宅購入への減税・補助金と比べて、どうだったのでしょうか。珍しく国が庶民に税金を還元するという、それも子供のためという、そういう「子ども手当」という政策を、このような形にしてしまうのは非常に残念だと思います。
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65歳まで再雇用義務付け…厚労省方針
(読売新聞 - 12月14日 11:41)
厚生年金の支給開始年齢の引き上げに伴い、加入者が無収入となる期間をなくすため、厚生労働省は企業に対し、希望者全員を65歳まで再雇用するよう義務付ける方針を固めた。
また、契約社員などについては、勤続年数が一定期間となった場合、現在は原則3年を上限に区切られている契約期間を無期限に転換させる制度の導入も目指す。労働政策審議会で提案し、同省は来年の通常国会での法改正を目指すが、経営者側は強く反発している。
厚生年金の定額部分は2001年から支給開始年齢が引き上げられており、13年4月には報酬比例部分については60歳から61歳になるほか、その後、段階的に65歳まで引き上げられる。多くの企業は定年を60歳としているため、13年度には60歳以降も希望者全員が働けるようにしないと、年金も収入もない人が出る可能性がある。
厚生労働省は厚生年金の支給開始年齢の引き上げを決めたのはいつだと思っているのでしょうか。支給開始年齢の引き上げに伴い、無収入となる期間のある加入者が出てくることは分かっていたはずです。それで今頃この方針では、制度設計をまともに考えてきたとは思えません。仮に、65歳までの再雇用義務付けはやむを得ないとしても、今度は新卒採用を絞る企業や派遣を切る企業が出てくるわけで、そっちの対策はいつ出すのだろうか、と思います。年金問題は、後手後手でその場しのぎで方針を打ち出していいような問題ではありません。
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勝者なき消耗戦 値引き“常態化”で牛丼戦争に限界
(サンケイビズ 2011.12.13 20:07)
薄利多売はもう限界-。大胆な値引き合戦を繰り広げてきた大手牛丼チェーン3社の11月の売上高が、そろって前年同月比割れした。フトコロさみしいサラリーマンにはうれしい値引きでも“常態化”してしまい、売り上げアップのカンフル剤の効果が薄れたようだ。(夕刊フジ)
吉野家ホールディングスの「吉野家」、ゼンショーホールディングスの「すき家」、松屋フーズの「松屋」の11月「月次売上高」が出そろった。
「吉野家」は、16~24日に牛丼並盛りを110円引きの270円としたが、前年同月比6・4%減で4カ月連続の前年割れ。客数も5・9%減で同じく4カ月連続マイナスとなった。
11~24日に牛丼並盛り280円を250円に値引きした「すき家」も1・3%減と3カ月連続のマイナス。17~24日で80円引きの240円とした「松屋」も4・5%減とふるわなかった。
3社が値引き合戦を展開した今年1月は「すき家」14・1%増、「松屋」13・5%増、「吉野家」5・4%増と前年実績を上回り、売り上げアップの原動力となっていただけに意外な印象だ。
11月の前年割れについてゼンショーHDは「天候不良も影響」、吉野家HDも「値引きしていなければもっとマイナスだった」と説明。2009年末から本格化した値引きキャンペーンは「すき家」や「松屋」は今年すでに7回目に達しており、少ない小遣いで昼食代をやりくりするサラリーマンにとってはありがたいが、常態化で意外感が薄れている。
牛丼好きで通る獨協大教授で経済アナリストの森永卓郎氏は「3社にはそれぞれ独特の味わいがあるため、サバイバル的な値引き合戦の末、敗退するチェーンが出るようになれば、ファンを失望させる。こうした消耗戦は、長い目で見れば消費者のためにならない」と指摘している。
>「すき家」や「松屋」は今年すでに7回目
確かに最近は値引きをよくやっているなと思っていたんですよね。「常態化で意外感が薄れている」と思っていました。しょっちゅうどこかで値引き販売をしていれば、キャンペーン期間中に行かなくてもまたすぐやるだろうと思いますし、常態化した中では定価で食べると損した気分になる人もいるでしょう。
>「こうした消耗戦は、長い目で見れば消費者のためにならない」
薄型テレビでも言われていることですが、牛丼3社は「勝者なき消耗戦」という言葉を知らないのでしょうか。かつてはマクドナルドが同じ失敗をしましたよね。既に定価が280円になっている時点で何かがおかしいんですよ。モノには何でも適正価格がありますが、どう考えても明らかに逸脱しています。最近は食べていないので分からないのですが、味が落ちたとよく言われますよね。「安かろう悪かろう」というイメージが浸透する前に戦略を変えた方が得策です。
例えば「すき家」は、残業代不払いが問題になったり、夜間勤務を通常1人にして強盗が多発したのに改善せずに警察庁に指導される事態に至ったりしていましたが、そこまでして従業員の人件費を削って低価格を実現されても、消費者として素直に喜べないですよね。行き過ぎた価格競争は、生産者と労働者の犠牲のもとに成り立っているわけで、まさにデフレスパイラルです。吉野家も昨年、「単に低価格ではやらない」と言いながら「牛鍋丼」を280円という低価格で投入し、それで大丈夫なのかと思いましたが、先日、「焼味豚丼」(並盛)を380円で投入しました。一応デフレに歯止めはかけたんですね。吉野家は以前に販売していた「豚丼」を復活させれば価格が380円でもお客さんは入ると思いますけどね。「値引きしていなければもっとマイナスだった」なんて説明しているうちは「勝者なき消耗戦」からの脱却はできないでしょうか。低価格実現のためにいろいろなものを犠牲にしていることに早く気付いて欲しいものです。
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「今年の漢字」はやっぱり「絆」
(読売新聞 - 12月12日 14:15)
2011年の世相を表す「今年の漢字」に「絆」が選ばれ、清水寺(京都市東山区)で12日、森清範(せいはん)貫主が特大の和紙に揮毫(きごう)した。
今年は過去最多だった昨年より21万票以上多い49万6997票が集まり、「絆」が6万1453票を得た。東日本大震災や台風12号など相次いだ災害で再認識された家族や仲間、地域とのつながりの大切さや、サッカー女子ワールドカップ(W杯)で優勝した「なでしこジャパン」のチームワークの良さなどを理由に挙げた人が多かった。
2位以下も「災」「震」「波」など災害の影響を反映した字が多かった。揮毫された「絆」は13~31日、同寺本堂で公開される。
「今年の漢字」は財団法人「日本漢字能力検定協会」(同市)が1995年から公募している。
「今年の漢字」は、今年前半までは「災」かなと思っていましたが、最近では絶対「絆」だろうと思っていました。マスコミが「絆」に絡めて何かを伝えることが番組でもニュースでも多かったですからね。東日本大震災と福島第一原発事故というとんでもない災害が起こった年だからこそ、前向きなイメージの言葉が選ばれるのはいいことなのかもしれません。過去の「今年の漢字」で「災」も「震」も使われているというのもあったでしょうか。
ところが、日本の政治情勢を見ると、「絆」を切り裂くような新自由主義的な政策が目白押しの様相です。新自由主義というのは地域のコミュニティを分断し、弱者を切り捨て、格差を生むものです。弱者は自力で、自己責任で「絆」を手に入れ、痛みに耐えて頑張れという状況です。家族や友人などの「絆」だけではどうにもならないことも多いんですけどね。特に政治や社会情勢の変化に対しては。
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武器輸出緩和へ新基準 人道目的や共同開発は「例外」
(朝日新聞 2011年12月11日3時10分)
野田政権は、武器の輸出を原則として禁じる武器輸出三原則について、平和構築・人道目的の場合や、他国との共同開発・生産などを例外とする新たな基準をつくる方針を固めた。年内をめどに結論を出す。
政府関係者によると、官房長官談話などの形で、武器輸出の例外とする基準を示す。具体的には国連平和維持活動(PKO)や人道目的の支援をする際、武器とみなされる巡視艇の輸出などが想定されている。
また米以外の国との共同開発・生産を求める民主党政調の提言を踏まえ、対象国の範囲や開発・生産のあり方を検討する。これまでは米国とミサイル防衛(MD)の共同開発に乗り出した際、個別に三原則の「例外」とすることを官房長官談話で表明した。今後は新たな基準をつくり、紛争の助長や情報漏出につながらないよう秘密保持や第三国移転の一定のルールを設けた上で、戦闘機などハイテク兵器の共同開発・生産の拡大を認める方向だ。
民主党内外で議論を呼びそうな三原則自体の見直しや、輸出禁止の対象となる「武器」の定義の変更には踏み込まない。関係副大臣会合が開かれる12日にも方向性を打ち出す。
ほとんどの国民が知らないうちに野田政権下で「武器輸出三原則」が緩和されようとしています。「例外」でというのが卑怯ですよね。「平和構築・人道目的」のための武器輸出って何でしょうか。アメリカがそう言えばその目的になるということなのでしょうか。アメリカが「テロとの戦い」と言ってイラクとアフガニスタンで何をしてきたか考えれば、こんな意味不明な基準は出てきません。「他国との共同開発・生産などを例外とする」といっても、その武器が将来の紛争などで使用されたりする可能性は否定できません。
三原則緩和の方向性は、12日に首相官邸で開かれた外務、防衛、経済産業各省の副大臣会合で一致した。会合後、渡辺周防衛副大臣は記者団に「人道、平和構築目的の輸出を念頭に考えるという民主党の方針に沿って議論している。われわれは死の商人にはならない」と強調した。(時事通信社 - 12月12日 21:05)
死の商人の親玉みたいなアメリカの言いなりで「武器輸出三原則」を緩和するのに、「われわれは死の商人にはならない」じゃないですよ。どんなに綺麗事を言っても、武器は人を殺すために、戦争をするために作られるのですから。
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2012年度税制改正が決着
(中日新聞 2011年12月10日 02時27分)
政府と民主党は9日深夜、2012年度税制改正で焦点となっていた自動車取得税と自動車重量税について、重量税の本来の税率に上乗せされている約3千億円のうち、1500億円について軽減することなどで合意した。これで、同年度税制改正の課題はすべて決着し、政府は10日未明に税制改正大綱を閣議決定した。
自動車関連2税について合意された内容は、重量税上乗せ部分の半減のほか、(1)来春打ち切り予定だったエコカー減税を3年間延長(2)特に環境性能に優れた自動車について重量税軽減措置を拡充(3)11年度第4次補正予算で3千億円規模のエコカー補助金復活(4)重量税、取得税は消費税引き上げ時に廃止も含め見直し-など。
重量税上乗せ分が半減されれば、重量1・5トンの自家用車の場合、現在の負担である4万5千円(新車購入時、3年分)のうち、1万円程度が減税される見通し。
政府側は9日午後、重量税の上乗せ分のうち約1千億円を軽減することなどを柱とする妥協案を民主党側に提案。しかし、自動車2税の全廃を求めていた党側と協議は難航し、意見集約は9日深夜までもつれ込んだ。
安住淳財務相と、藤井裕久民主党税制調査会会長は9日、断続的に協議し、財務相側はさらに党側に譲歩した案を提示。政府が重量税の減税幅を拡大したことや、消費税率引き上げ時の見直しを明記したことで党側も歩み寄り、同日午後11時すぎから開かれた党税調総会で了承された。
12年度税制改正大綱は、消費増税を盛り込んだ「社会保障と税の一体改革」の議論を控え、大きな税制項目の検討を回避したため、小幅な改正にとどまった。住宅購入時に祖父母などから資金援助を受けた場合の贈与税の特例措置の延長・拡充、省エネ性能の高い住宅を取得した際の住宅ローン減税創設などが盛り込まれる。
自動車関連2税について、民主党は消費税などと二重課税になっていることなどから、全廃を主張。政府側は減税により生じる約9千億円の減収を穴埋めする財源がないと拒否していたが、党側が折れないため妥協案を探った。
「大きな税制項目の検討を回避したため、小幅な改正にとどまった」という12年度税制改正大綱でこれらのことが決まりました。
・自動車取得税と自動車重量税、上乗せ分の1500億円減税
・エコカー減税を3年間延長
・環境性能に優れた自動車について重量税軽減措置を拡充
・3千億円規模のエコカー補助金復活
・住宅購入時に祖父母などから資金援助を受けた場合の贈与税の特例措置の延長・拡充
・省エネ性能の高い住宅を取得した際の住宅ローン減税創設
他にも大綱には、地球温暖化対策税(環境税)、高所得者の給与所得控除縮小や海外資産の課税強化などの増税が盛り込まれましたが、全体としては、自動車産業と富裕層にメリットのある内容になりました。住宅購入時に祖父母などから資金援助を受けた場合の贈与税の特例措置の延長・拡充は、高齢者層から若い世代への資産移転につながるからいいかもしれませんが、それも贈与する資産があってこそです。いつもいつも、財源が足りない、財源が足りないと言って消費税増税キャンペーンには余念がありませんが、これだけの自動車・住宅関連の減税や補助金については財源問題はあまり騒がれず決まってしまいました。これで自動車や住宅が売れるようになるかといえば、そんなことはないわけで、野田政権が経済界の声に従っただけです。庶民には厳しく、経済界と富裕層には甘く、自公政権と何ら変わりはない、それが野田政権の目指す税制です。
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原発:東京・大阪で署名活動 住民投票条例の制定求め
(毎日新聞 - 12月10日 12:30)
市民団体「みんなで決めよう『原発』国民投票」が10日、原発の賛否を問う住民投票条例の制定を東京都と大阪市に求める署名活動を始めた。同団体は6月に発足し、俳優の山本太郎さん、漫画家のちばてつやさん、映画監督の小林聖太郎さんらが請求代表者に名前を連ねている。東京・渋谷で買い物客らに署名を呼びかけた小林さんは「これは反原発運動ではない。原発賛成派も反対派も一緒になって議論しあえる場をつくりたい」と話した。
条例制定を石原慎太郎都知事に直接請求するには、東京の有権者の50分の1(約21万4200人)以上の署名を2カ月以内に集める必要がある。署名が集まれば、知事が都議会に条例案を付議し、審議される。
石原知事は9日の記者会見で「開かれた社会ですから、人々がそれぞれ意見を述べるのは結構なこと。ただ放射能の問題はもうちょっと冷静になった方がいい」と述べた。【武内亮】
>「これは反原発運動ではない。原発賛成派も反対派も一緒になって議論しあえる場をつくりたい」
そうなんですよね。福島第一原発事故を受けて海外では原発の賛否を問う住民投票が実施されている国もあるのに、当事者の日本ではようやく署名活動が始まったところですからね。政治家もマスコミも民意が大事だとよく言いますが、原発問題に関しては民意はあまり反映されていません。
>「開かれた社会ですから、人々がそれぞれ意見を述べるのは結構なこと。ただ放射能の問題はもうちょっと冷静になった方がいい」
石原都知事のこの発言は原発推進派ならではという感じですね。「放射能の問題はもうちょっと冷静になった方がいい」なんて福島の人に言えるのでしょうか。冷静になって考えてみれば、民意に反して野田政権が「脱原発」に後ろ向きになっていることに気付きます。結局、日本は本当の意味で「開かれた社会」ではないんですよ。原発の賛否を問う住民投票が国全体で実施されることを願います。
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玄海原発:冷却水漏れ1.8トン 九電公表せず
(毎日新聞 - 12月10日 11:40)
九州電力は9日深夜、定期検査中の玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)3号機で、原子炉補助建屋内にある1次冷却水の浄化やホウ素濃度調整をするポンプから1次冷却水1・8トンが漏れたことを明らかにした。九電は当初ポンプの温度上昇のみを同日午後3時半以降に佐賀、長崎両県や報道各社に伝えたが、1次冷却水漏れは公表しなかった。
九電によると、9日午前10時48分、3号機の充てんポンプ3台のうち稼働中だった1台で、通常は30~40度の温度が80度以上に上昇して警報が鳴った。このため、休止していた他のポンプに切り替えた。1次冷却水はコバルトなどの放射性物質を含んだ汚染水で、原子炉補助建屋内のピットと呼ばれる回収ますに出たが、回収。外部への影響はないという。
3号機は昨年12月11日に定期検査入り。原子炉内には燃料が装着されており、冷温停止状態を保つために冷却水を循環させていた。九電は高温になった原因は、冷却水不足や1次冷却水の不良などの可能性があるとみて調べている。
九電は、温度上昇の警報が鳴った約4時間半後の9日午後3時半以降に佐賀、長崎両県、同6時ごろに報道各社にポンプの異常のみを知らせた。汚染水漏れについては、報道機関の問い合わせに、事実関係を認めていた。九電によると、汚染水漏れが設備内にとどまっているケースでは法規上、公表する必要はないという。九電は「1次冷却水の漏れは原子炉補助建屋内にとどまっており、広報する必要はないと判断した」と説明した。
経済産業省原子力安全・保安院も、今回のポンプの異常や冷却水漏れは、法令による報告義務の対象にあたらないとしている。ただし、九電からは、警報が鳴ってすぐにポンプを停止し、冷却水が外部に漏れていないことや、モニタリングデータに問題がないとの報告があり、原因を調査することを確認したという。【中山裕司、竹花周】
>今回のポンプの異常や冷却水漏れは、法令による報告義務の対象にあたらない
経済産業省原子力安全・保安院は上記のように説明し、九電も法規上、公表する必要はないと言います。法令でそういうことなら法的には問題ではないということになりますが、ポンプから大量に放射性物質を含んだ汚染水が漏れても「法令による報告義務の対象にあたらない」ことが問題だと思います。なぜこういう法令になっているかといえば、原子力村の隠蔽体質が原因です。原発では小さなトラブルや事故は頻発しているので、原発の安全性をアピールするためにはいちいち全部を報告・公表していられないんですよね。福島第一原発事故が起きても、報告義務対象を見直すわけでもなく、その隠蔽体質は変わっていません。電力会社はこういうところなので、東電だけでなく電力業界ごと改革する必要があります。そうしないと国民の安全は守れません。
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東電実質国有化へ 政府、公的資本1兆円注入
(毎日新聞 - 12月08日 02:55)
政府は、東京電力に少なくとも総額1兆円規模の公的資本を注入する方向で調整に入った。福島第1原発の事故対応費用の増加などで、13年3月期に東電が債務超過に陥る可能性が高まっているため。来年6月の定時株主総会で新株を発行する枠である株式授権枠の大幅拡大について承認を得た上で、原子力損害賠償支援機構が東電の新株(優先株)を引き受ける形で来夏の実施を目指す。勝俣恒久会長ら東電の現経営陣の大半を退陣させ、東電の一時、実質国有化に踏み切る構えだ。
野田政権は藤村修官房長官が座長を務める「電力改革及び東京電力に関する閣僚会合」などで東電の経営形態について議論しており、年明けにも公的資本注入の方針を示す考え。東電側は原発の早期再稼働と電気料金の大幅値上げを強く求めているが、政府は「消費税率引き上げの議論もあり、国民の理解を得るのは容易ではない」と判断。電力の安定供給確保の観点から、東電を法的整理には追い込まず、資本注入をてこに経営改革を主導したい考え。
東電は12年3月期で約5763億円の最終赤字を見込み、純資産は7088億円と1年前の2分の1以下に減少する見通し。自己資本比率も6%台に低下し資本増強が喫緊の課題だが、格付けの低下で市場からの資金調達は困難と見られる。
東電は既に、損害賠償の費用として支援機構経由で国から計8900億円の支援を受けているが、使途は賠償費用に限られている。今後膨らむ除染費用や事故炉の廃炉費用の規模が判明していく過程で債務超過に陥るのは確実と見られている。
廃炉を巡っては、内閣府原子力委員会の部会が7日に工程を盛り込んだ報告書を策定。具体額は未確定だが、政府の第三者委員会の試算では1~4号機で1兆1510億円が必要とされ、5~6号機を加えればさらに経費がかさむ。政府が今春に作成した財務試算資料によると資本注入の額は最大で2兆円。政府関係者は「現在の財務状況では最低で1兆円は必要」と話す。
資本注入は、東電が発行する優先株を支援機構が引き受ける形で実施する。東電の発行可能な株式の総数が18億株なのに対し、現在の発行済み株式は約16億株。このため、優先株発行には株主総会で株式授権枠を拡大するための定款変更が必要になる。
発行する優先株には議決権を有する普通株への転換権を付与する方向で、全体の株式数が増える分、既存株主が保有する株式の価値は低下する可能性が高い。
◇優先株
株主総会での議決権が制限される代わりに、普通株に比べて配当利回りや解散時の財産配分などで優先される株式。発行する企業にはコストがかかるが、高配当のため投資家に買ってもらいやすく、自己資本充実のための有効な手段となる。普通株への転換権を付与するケースが多い。バブル経済崩壊後に大手銀行が公的資本注入を受けた際にも用いられた。
◇「東電解体」にらむ
政府が東京電力に公的資本を注入する狙いは、同社の経営改革を国が主導し、発送電分離や原発の国有化などエネルギー政策の抜本的な見直し作業を強力に推進するためだ。資本注入に加え、勝俣恒久会長ら現経営陣に代わる新しい経営者を外部から登用する方向で人選する意向で、東電の経営権を国が掌握することを狙う。
東電は3月の福島第1原発事故以降、極めて厳しい経営状態が続く。電力の安定供給や確実な賠償の履行、市場の混乱回避などを優先するため、政府の原子力損害賠償支援機構が「実質的に経営を維持」(経済産業省幹部)してきたのが実情だ。
それでも東電経営陣はあくまで自力再建を目指すが、今後は数兆円に達するとされる廃炉や除染の費用が重くのしかかってくる。東電は資産売却や人件費カットなどのリストラ策に加えて、電気料金の大幅な値上げと新潟・柏崎刈羽原発の再稼働で利益を捻出したい考えだが、枝野幸男経産相は料金値上げや再稼働に慎重姿勢を崩していない。
値上げや原発再稼働がなければ営業損失を解消することはできず、東電内にも「資本注入は避けられない」との声がある。金融機関にも資本注入による経営の下支えに期待する動きがある。
東電の経営形態を巡っては「電力改革及び東京電力に関する閣僚会合」などで、原子力部門を切り離して賠償支払いの主体となる清算会社として別会社化する案や、東電を持ち株会社に「原子力」「発電」「送電」の子会社を配置する分割案などが取りざたされている。東電はこうした事実上の「解体案」に強く抵抗しており、年明け以降は経営形態の見直しを巡って政府側との激しい綱引きが予想される。【斉藤信宏、三沢耕平、永井大介】
>それでも東電経営陣はあくまで自力再建を目指す
寝言は寝てから言え、と言いたいです。自力再建できる可能性はとっくにゼロです。そんな東電では夏に引き続き冬のボーナスが支給されます。その額は37万4000円(一般職の組合員平均)です。原発事故を起こしてもボーナスを半分も支給してくれる超ホワイト企業です。その優しさを福島の人にも向けて欲しいものですが、東電は危険な柏崎刈羽原発の再稼働と電気料金の大幅値上げと引き換えに、今後もボーナスを死守したいようです。「資産売却や人件費カットなどのリストラ策」なんて書いてありますが、やる気はないですからね。その証拠に、東電から企業年金をカットするという話は出ていません。精一杯身を切ったフリをして終わりにしたいんです。あのJALですら50%カットしたというのに数兆円単位の賠償費用を抱え込む東電はいまだ手つかず、と書けば異常さがよく分かると思います。
>政府は電力の安定供給確保の観点から、東電を法的整理には追い込まず、資本注入をてこに経営改革を主導したい考え。
政府が東京電力に公的資本を注入する狙いとして、「同社の経営改革を国が主導し、発送電分離や原発の国有化などエネルギー政策の抜本的な見直し作業を強力に推進するため」と書いてありますが、『電力の安定供給確保の観点』というもっともらしい理由に騙されてはいけません。東電と同じことを言っています。東電が倒産しても電力の安定供給くらいできるに決まってるじゃないですか。原発を強力に推進してきた経産省主導の経営改革では、本当の意味での原子力行政の見直し、電力業界の改革はできません。
東電は損害賠償の費用として国から「原子力損害賠償支援機構」経由で8900億円の支援を受けましたが、今後総額で5兆円の費用が見込まれています。5兆円はすべて国民の税金です。「原子力損害賠償支援機構」は、そもそも東電の存続を前提に設立されました。東電だけでなく、株主や銀行、投資家のすべてが保護されるものです。本来、損害賠償金の原資は、国からの8900億円の支援の前に、つまり国民の税金を投入する前に、東電が債務超過で倒産するまで出させるべきものです。本来、株主責任を問われるはずの株主も責任を取らず、その責任も税金という形で国民に押し付けています。
実質的に債務超過である東電は100%減資して潰れていないとおかしいと思います。例えば、『原子力部門を切り離して賠償支払いの主体となる清算会社として別会社化する案』の場合、損害賠償と廃炉のコストと無縁になるので、東電は優良企業に戻ります。株価は大幅に上がります。株主責任はなかったも同然になります。株主たちの株価維持のために税金が使われるということです。『東電を持ち株会社に「原子力」「発電」「送電」の子会社を配置する分割案』でも同様です。銀行は債務放棄するべきです。金融システムへの影響を考慮しても一部の債務放棄はするべきです。
東電の自力再建案は論外ですが、政府の東電解体案も甘すぎます。もともと東電の仲間だった経産省が国民目線で考えるわけがありません。政府の狙いには天下りの維持もあります。両者の利権争いといえばそれまでです。それに、東電だけ「発送電分離」して解体してもダメなんですよ。日本全国で「発送電分離」を実施し、消費者が自由に電力会社を選べるようにすることが重要です。そうしない限り、「やらせ」メールに代表される隠蔽体質を持つ電力業界を改革することは不可能です。だから九電や北電の「やらせ」問題もすっかりうやむやになっていますよね。このまま既存の利権構造を維持していたら電気料金も安くならないままです。国民は目指すべきゴールを見誤ってはいけません。
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橋下氏、副市長に中田宏・前横浜市長の起用検討
(読売新聞 - 12月07日 03:10)
19日付で就任する大阪市の橋下徹新市長が、副市長に中田宏・前横浜市長(47)の起用を検討していることがわかった。
政令市長経験者が副市長に就任すれば極めて異例で、大阪都構想実現に向けた動きを加速させる狙いとみられる。
橋下氏は、市議会の一部会派に「中田氏を起用したい」との意向を伝えた模様だ。中田氏自身も就任に前向きという。
橋下氏は府知事時代の2009年、中田氏らと地方分権推進を国に迫る「首長連合」を結成。中田氏は11月の知事・市長の大阪ダブル選では、橋下氏らの応援に駆けつけた。ただ、副市長の任命には市議会の同意が必要。橋下氏が代表の地域政党「大阪維新の会」だけでは過半数に届かず、他会派の動向がカギを握る。
「小さな政府」を志向する新自由主義者が大阪に集結しようとしています。中田宏氏は新自由主義者だらけの「松下政経塾」出身で橋下徹氏との親和性は高いです。ここで政治の表舞台に帰ってこようとしているのは女性問題の裁判で勝訴したからでしょうか。中田宏氏は女性問題以外でも問題の多い人物ですね。そういえば、中田宏氏が作った「日本創新党」は選挙で惨敗以降、何をやっていたのでしょうか。いずれ大阪維新の会に吸収されるのでしょうか。似た者同士ですからね。橋下徹氏は自分が国政に打って出る際には大阪市長の後任を中田宏氏にするのでしょうか。
中田宏氏といえば国会議員時代の有名なエピソードがありますね。2001年、森喜朗首相の辞任を受けて行われた首班指名選挙で、会派「民主党・無所属クラブ」の所属ながら、鳩山由紀夫民主党代表ではなく、同じ神奈川県選出の小泉純一郎自由民主党総裁に投票しました。小泉元首相も新自由主義者でしたね。
中田宏氏の横浜市長時代の実績ですが、「横浜G30プラン」(ゴミを30%削減する)と矛盾する「紙・プラ」分別を導入し埋め立てゴミを増やしました。横浜市は高性能焼却炉があるのでプラスチックも問題なく焼却できていたにも関わらず、余計な手間とコストを増やしました。また、横浜開国博Y150で出した赤字の責任を取らず任期途中で辞任しました。市議会招致は無視しても退職金はしっかりいただきました。他にも、市バスの路線変更失敗などで横浜市民には評判が悪い政治家です。さて、大阪市民には評判の良い副市長になるでしょうか。
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