やらせ要請 保安院も「世論工作」
(毎日新聞 - 07月29日 14:50)
電力会社だけでなく経済産業省原子力安全・保安院までが「世論工作」に手を染めていた--。中部電力浜岡原発4号機(静岡県御前崎市)のプルサーマル計画を巡る07年の政府主催シンポジウムで、保安院による中部電への賛成派動員指示が発覚した。九州電力の「やらせメール」問題に続く「原子力村」の不祥事。中立の立場で安全規制を担う保安院だけに、国民の原子力への不信拡大は避けられず、原発再稼働の大きな障害となるのは必至だ。
中部電が保安院の依頼で一度は作成したやらせ質問文案は同社に残っていた。プルサーマルのコストや化石燃料があと何年もつのかなどを尋ねる内容だった。名古屋市の中部電本店で29日会見した同社の寺田修一法務部長は「プルサーマルに賛成または中立の質問を求められた」と話し、国による意見操作であるとの認識を示した。
「非常にけしからん話だ」。原子力安全委員会の委員長代理を過去務めた住田健二・大阪大名誉教授(原子炉物理学)は憤慨する。「世論誘導は原子力業界の常識だったのかもしれないが、電力会社がやるならまだしも、中立的立場をとるべき規制機関が世論誘導を促すのはあってはならない」と批判した。その上で「シンポジウムは原子力のあり方を国民が考える場なのに『そんな無理までしていたのか』と国民は感じるだろう。原発再稼働に大きなマイナスになるのは確実だ」と憂慮する。
浜岡原発が立地する地元・静岡でも困惑の声が上がる。同県の小林佐登志危機管理監は「保安院が特定意見を地元の人に表明するよう中部電に依頼したのは問題」と指摘。一方で「それを中部電が最終的に拒否したことは常識が守られたと評価したい」と述べた。
御前崎市役所原子力政策室の鈴木雅美室長も「保安院の依頼には違和感を感じる」。ただ、中部電が社員らを動員した点については「空席があれば地元の社員らが自主的に参加するのは構わないのではないか。この種の説明会では反対意見が目立つ傾向にあり、それが地元の総意のように受け取られかねないことも事実」と話した。
浜岡原発運転差し止め訴訟事務局次長の塚本千代子さんは「驚きもしない。前から分かっていたこと。シンポに出ると、いつも地元の漁協や農協の人が発言して原発推進意見を述べるが、あれも頼まれていたのだと思う。シンポ自体が国や中部電が市民に対して説明したというアリバイを作るためのものでパフォーマンスでしかない」と断じた。
浜岡原発の運転差し止め訴訟原告団共同代表の長野栄一さん(90)は、原発関連の説明会への参加を申し込んだが、関係者で満席になって参加できなかった経験があり、「(動員は)問題のシンポに限ったことではない」と指摘。「九州電力の問題も発覚して今後改善されると思うが、賛成・反対双方の意見を公平に聞く場を設けてほしい」と注文をつけた。【まとめ・井上英介】
昨夜の「報道ステーション」ではニュースの冒頭で「驚愕の事実が初めて公表された」なんてナレーションしていましたが、今さら驚くような話ではありません。当ブログでは3.11以前から原発を重要なテーマとして書いてきたので、「やっぱり」という感想です。
原子力安全・保安院の森山善範・原子力災害対策監は会見で「事実があったとすれば…」と述べていましたが、森山氏はシンポジウムに出席していたのに、「頭の片隅にもない。記憶は全くない」とはどういうことでしょうか。上からそう言えと指示されているのでしょうが、よくすぐにバレるウソをつけますよね。日常的に「やらせ」「世論工作」をやり過ぎてどれがどれのことか記憶の整理ができない、と言うならまだ分かりますが。また、保安院の寺坂信昭院長は昨夜午後9時半からの緊急会見で「事実なら国民の皆さまに大変申し訳ないと思う」と白々しい発言をし、指摘された中部電力と四国電力の両原発でのやらせについては、「記憶を呼び起こしているが、そのようなことが行われたという認識はない」と強調し、保安院は全員腐っていることを再度証明してみせました。
>「非常にけしからん話だ」
原子力安全委員会の委員長代理を過去務めた住田健二・大阪大名誉教授がどのような人物か知りませんが、各紙・各局の報道で原子力の専門家が批判的なコメントをしています。「やらせ」問題が発覚するまで、彼らもマスコミも黙っていたくせに、まるで初めて知ったかのように報道されると頭にきますね。一方的に保安院を悪者にして逃げ切ろうとしています。例えば、経産省の事務次官はかつて保安院の委員長を務めていた松永氏ですね。みんなグルじゃないですか。福島第一原発の事故が起きなければ、電力業界・経産省・政治家の癒着ぶりも広く国民が知ることにはならなかったことは肝に銘じておくべきです。日本の特殊な社会システムのあらゆる問題点が原発には凝縮されています。事故がなければ、今でもほとんど誰も知らなかったことばかりですからね。非常にけしからん話です。
保安院「やらせ質問」、経産相が第三者委設置へ
(読売新聞 - 07月29日 15:40)
経済産業省原子力安全・保安院の「やらせ質問」問題で、海江田経産相は29日、緊急記者会見を開き、「国が意見を誘導していたのなら、申し訳なく思う」と謝罪。
法律家などで構成する第三者委員会を設置して事実関係を解明し、8月末をめどに報告をまとめる考えを明らかにした。
原発を規制する側の保安院が、原発推進側に立っていたことについて海江田経産相は、「極めて深刻な事態」と語り、今後、経産省から分離、独立する予定の保安院の職員に対し、「新しい組織に行くわけだから、考え方を大きく改めてほしい」と要望した。現在停止中の原子力発電所の運転再開への影響については「影響がまったくないということはないだろう」と語った。
海江田経産相も「国が意見を誘導していたなら申し訳なく思う」じゃないですよ。なぜ仮定の話でごまかすのでしょうか。会見する前に保安院の関係者を全員呼びつけて白状させれば済む話です。原発を推進する立場の経産省の言いなりになっている大臣にそんなマネができるわけないですが。世論も菅首相の方針も無視し、脱原発への道筋を邪魔する海江田氏は、国会で涙をぬぐって同情を買おうとする余計なパフォーマンスは要らないので、さっさと辞めて欲しいですね。菅首相も今後のエネルギー政策について「原発に依存しない社会を目指し、計画的、段階的に原発への依存度を下げていくことを政府としても進めていく」と述べたのですから、政府として「脱原発依存」を目指すのであれば、大臣・役人を問わず、障害は早く取り除くべきです。
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PCを買い換えました
「原子力損害賠償支援機構法案」 東電は経営破綻するか
(2011年7月23日01時15分 読売新聞)
東京電力福島第一原子力発電所事故の賠償を支援する「原子力損害賠償支援機構法案」を巡る与野党協議が22日、事実上決着した。
国の賠償責任を条文に明記し、東電が万一、経営破綻した場合でも被害者への賠償に国が責任を持つ仕組みとなる。法案成立が確実になったことで、被災者への賠償仮払いは進むことになりそうだ。
◇妥協案
自民党の西村康稔衆院議員は協議が終了した22日夜、記者団に「我々の意見が取り入れられ、政府案よりもずっと良い法案になった」と述べ、成果を強調した。
協議で自民、公明両党は、今回の事故での国の責任を明確にすることを強く求めていたが、結果的に第1条で明記することにした。東電が賠償を原則として行い、国は万が一、東電が経営破綻した場合に責任を負うことになる。
当面は、賠償金の支払いを国が一時的に肩代わりし、東電が分割払いで返済するという政府案の枠組みは維持される。
政府が「原子力事業者を債務超過にさせない」としていた閣議決定は白紙にする。機構への負担金を通じた電気料金の値上がりを抑制するため、株主や取引銀行の責任のあり方も明確にして、「将来は100%減資や(銀行の)債権放棄も含めて議論する」(自民党幹部)見込みだ。
「原子力損害賠償支援機構法案」は今日、26日に衆議院で可決される見通しとなっていましたが、28日になるそうです。
>自民、公明両党は、今回の事故での国の責任を明確にすることを強く求めていた
民主党は、賠償は一義的に東電が担い、国は支援するとの立場でしたが、早期成立を図るためにこの要求を受け入れました。
政府案に対し、自公両党は「負担が電気代に転嫁され、東電以外の電力会社管内で電気料金の引き上げにつながる」と指摘し、修正を要求。民主党は当初反対したが、各電力会社の負担金の使途を分別管理し、賠償に使われた分は最終的に返済し、東電と国が責任を負う形で合意した。(東京新聞 2011年7月23日朝刊)
議員の個人献金の72%を占める電力会社役員とOB、そして党に巨額の献金をしてきた経済界のために自民党は頑張ったということですね。経団連は電気料金の値上がりによる余計なコストを払いたくないので、国民負担の税金で賠償しろと主張していましたね。電気料金でも税金でも同じ国民負担ですが、経済界にとっては違います。
その一方で、希望もまだ残されています。
>「原子力事業者を債務超過にさせない」としていた閣議決定は白紙にする
私は国民負担による東電救済案だと批判してきましたが、6月14日の閣議で「上限を設けず」「何度でも援助し」「債務超過にさせない」と決定されていたからです。その前からもこのスキームは規定路線でした。社員にボーナスを半分支給し、企業年金や退職金に手をつけない中、こんな決定がされていました。この閣議決定について海江田経済産業相は「リストラをしっかりやるよう言っている」と釈明しただけです。
>「将来は100%減資や(銀行の)債権放棄も含めて議論する」(自民党幹部)
幹部って誰でしょうか。「将来」と言っているだけで本当は議論したくないのではないでしょうか。今やらないと絶対に100%減資や債権放棄はできないと思います。自民党が議論したり賛成する理由がありません。
>東電が賠償を原則として行い、国は万が一、東電が経営破綻した場合に責任を負うことになる。
万が一も何も、東電は国が税金を投入し続けなければ100%債務超過で経営破綻します。政府は東電を経営破綻させる決断ができるでしょうか。民主党もあまりやる気はないですよね。菅首相が退陣する前に発送電分離に本気で取り組めば東電解体が見えてきますが、どうなるでしょうか。
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地デジ完全移行、雑感
(毎日新聞 - 07月24日 21:45)
東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島3県を除く44都道府県で24日正午、テレビのアナログ放送が終了し、地上デジタル放送(地デジ)に完全移行した。25日午前0時までにアナログ用の電波も止まり、何も映らない砂嵐のような画面に。1953年にスタートしたアナログ放送は60年近い歴史に幕を下ろした。
総務省やテレビ局には電話が殺到し、正午からの問い合わせは合計で10万件を超え、一時つながりにくくなった。総務省地デジコールセンターには24日午前0時から午後6時に約9万8500件。約5万9900件が正午以降だった。NHKには正午から午後8時に2万9200件、民放115局には正午から午後7時に1万5667件。「アナログ対応のテレビしかないが、どうしたらいいか」といった質問が多く、テレビが見られなくなった地デジ未対応世帯も多数発生したとみられる。対象の約5000万世帯のうち、未対応は高齢者を中心に10万世帯前後に上る可能性が指摘されていた。
千葉県柏市の運転手、広沢健二さん(70)は24日、自宅の居間でテレビを見ていたが、正午にアナログ放送が止まって、問い合わせ先を知らせる青い静止画となり、「あっ、見られなくなった」。アンテナの工事が間に合わなかったためだ。近くの「アトム電器小金原店」が休日返上で工事し、午後3時半には地デジが映り始めた。
24日夕に記者会見した片山善博総務相は、問い合わせ件数は「予測の範囲内」との見方を示す一方、「(地デジ対応世帯は)100%にはなっていないので、引き続き政府として万全の対応をしたい」と述べた。日本民間放送連盟の広瀬道貞会長は24日の会見で「未対応世帯の大半が今週いっぱいでデジタル放送を見られるようにしたい」と語った。総務省は25日以降も地デジコールセンター(0570・07・0101)で24時間相談を受け付ける。【乾達、高橋咲子、水戸健一】
◇地上デジタル放送◇
東京タワーなどの電波塔から送信する地上波の映像や音声をデジタル方式で送ること。アナログ放送に比べ、高画質・高音質が特徴で、ニュースや気象情報を文字などで提供するデータ放送も見られる。衛星放送も24日に完全デジタル化された。昨年12月時点で地デジを導入したのは53カ国・地域で、このうち完全移行したのは米国、ドイツなど17カ国と、地デジ化は「世界の潮流」(総務省)となっている。
昨日の正午、本当にアナログ放送が終了しましたね。私はリアルタイムで見届けました。昨年までは昨日の終了は無理じゃないかと思っていました。3.11の震災と原発事故であらゆるニュースバリューが相対的に低下したので、地デジ難民の話題も盛り上がりませんでしたね。移行する側にとっては好都合な状況だったでしょう。問い合わせ件数は「予測の範囲内」というのは、その通りでしょうね。これでもかというほど告知はしていたので、今さら知らなかった人もいないか、いたとしてもほとんどテレビを見ない人でしょう。
>「未対応世帯の大半が今週いっぱいでデジタル放送を見られるようにしたい」
物理的に無理ですよね。サポートセンターは「テレビかチューナーを買って下さい」と答え、視聴者は「売ってません」「買えません」と言う、こんな会話が繰り返されるだけです。今週いっぱいなら、未対応世帯に無償配布する以外ありません。
アナログ放送終了「大きな混乱なし」 NHK・民放連会長
正午から2時間で
(日本経済新聞 - 07月24日 16:45)
NHKの松本正之会長と日本民間放送連盟の広瀬道貞会長は24日、正午の地上デジタル放送への完全移行(東北3県を除く)について記者会見した。東北3県以外の全国の放送局でアナログ放送が終了。NHKの松本会長は「問い合わせ件数も徐々に少なくなっており、これまでの告知活動の効果が上がった」と述べた。民放連の広瀬会長も「満足すべき状況」と話し移行が円滑に完了したことを強調した。
NHKでは正午から午後2時までの2時間で約1万1500件、民放各局は午後1時までに約4500件の相談が寄せられた。大半が地デジ化の方法に関する内容だったという。総務省のテレビ受信者支援センター「デジサポ」のコールセンター午前中だけで約3万9000件の問い合わせがあった。
放送各局は25日午前0時までにアナログ電波の送信を停止し、完全移行が完了する。これまでアナログ放送を映していた画面は同日以降“砂嵐”状態になる。
>午後2時までの2時間で約1万1500件
これは回線がパンクしてる状態で、問い合わせをできなかった人も相当いると思われます。10万世帯が難民化していても、全体の割合からすれば0.1%に過ぎないので、「移行が円滑に完了した」と強調はするでしょうね。カウントされていない難民はいないのと同じ扱いでしょうか。たった2時間の数字でもうアピールしているのも戦略でしょうか。
さて、NHKへの問い合わせのうち、受信契約解除件数はどのくらいになるでしょうか。テレビを見ない人が増えれば、それだけ節電になるので歓迎するでしょうか。エアコンよりテレビを見ない方が節電効果は高いそうですし。
一昔前と違い、本当に日本のテレビ番組は面白くなくなりました。NHKは民放化し、民放は最近では、工場見学という形の企業の宣伝番組やネット映像を寄せ集めた番組が増えています。制作費はかかりませんが、これもいつまで持つでしょうか。地デジ化で綺麗になったテレビ画面に見合うだけの番組を放送して欲しいものです。そもそも、地デジ化で日本全国のテレビ局が見られるはずではなかったでしょうか。例えば、地デジにしたら東京MXが受信できるようになった地域もあれば、隣県の局が受信できなくなった地域もあり、地域格差は解消していません。徳島県と佐賀県では、NHKの他は民放が1チャンネルしか見られなくなりました。当初言われていた「多チャンネル化」とは何だったのでしょうか。県域放送という「規制」は今のままでいいのでしょうか。地方の民放の経営問題はありますが、国民の利益の方がより重視されるべきです。アナログは電波が弱くてもノイズ混じりでも見ることができたのに、地デジは電波が弱いとまったく映らなくなります。また、地デジの緊急地震速報が遅れてしまう問題が解消しないまま移行してしまいました。障害者など弱者は置いてけぼりです。国民の安全を守るために見過ごしていい問題なのでしょうか。
デジタル化がなぜ「地上波」方式になったのか。その答えは「利権」です。「地上波」ではなく「衛星」でやれば1兆円以上もかからず、税金を投入することもなく、200億円で済むという試算もありました。人口カバー率や費用対効果を考えれば、衛星でやればよかったと思いますが、お金がかからない方式だと利権に絡む人が儲かりませんからね。例えば、「B-CASカード」利権の話をご存知の方は少なくないでしょう。
放送法の第1条には、「放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする」と書かれ、その第1項には「放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること」とあります。公共の福祉って誰のためのものなのでしょうか。
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報道ステーション「原発 私はこう思う」 泉田裕彦 メモ
今回は新潟県知事の泉田裕彦氏です。
(以下、メモ)
泉田裕彦 新潟県知事(48歳)
「今後どうするか(原発の再稼動)については白紙です。新潟県においては原発の安全神話はすでに柏崎刈羽原発の中越沖地震での被災、トランスから火を噴いたということがありましたけど、あの時点ですでに安全神話は崩壊しています。すでに崩壊している安全神話に乗っかって、“安全だから動かしてくれと”いうのは、福島原発の検証なくしてあり得ないと思っています」
新潟県は福島県と同じく、首都圏に電力を送る柏崎刈羽原発を抱えている。柏崎原発は2007年に起きた中越沖地震で全7基のうち4基が緊急停止。1基はおととし運転を再開したが、現在残り3基の再稼動問題で揺れている。
「残念なのは、日本の信用に傷がついているということだと思ってます。我が県も大きな打撃を受けました。外国人(観光客)が1ヶ月で95%減になっちゃうと。5%しか来ていただけないというような状況になりました。都道府県にとってこの(原発に関連した)交付金というのは大きくないんですよ。すなわち、景気変動による税収変動よりもはるかに小さいということで、都道府県にとって交付金が恩恵を与えて判断に影響を及ぼすという状況じゃないんです。地域社会、これをいかに豊かにするかという中で、(原発の)立地地域というそれぞれの悩みの中で(建設を)選択された地域が多数あるわけです。それが本当に究極の選択として良かったのかということについて、大きな疑問符がついたということだと私は考えています」
政府の対応について
「願望と政策というのは、やっぱり分けて、しっかりと遂行しなければいけない政策を遂行していかないといけないんだと思います。その点、残念ながら、今の政府から伝わってくるメッセージは、いろんなメッセージが混じって、受け止めるのにどうしたらいいのか困惑してしまうという状況だと思います。やはりそこには政策の積み上げ、それから確たるビジョンを持ったメッセージが必要ではないかと思います。今回の福島原発の事故を見ると、この影響がすごく大きいことを再確認して、どう向き合うかということを、さらに早く深く考えなければいけないという事態に立ち至ったということだと受け止めています」
(以上)
新潟の柏崎刈羽原発、2007年の中越沖地震での被災から、東電も政府も何も学ばず、反省もしていなかったから、今回の福島の事故が起きたと言えます。あと何回大事故に直面すれば、本当の意味で危機感を感じてくれるのでしょうか。
泉田知事の発言で1番印象に残ったのは「都道府県にとって交付金が恩恵を与えて判断に影響を及ぼすという状況じゃない」ということです。知事がOKしなければ原発は再稼動できません。原発の立地する限られた自治体は「電源三法交付金」により多大な恩恵を受けますが、それ以外の自治体は20キロ圏内であっても恩恵を受けません。同じ都道府県内で考えても、ごく一部の自治体だけが交付金の恩恵を受け、残りの周辺自治体は事故の際は被害だけ受けるという構造です。菅首相が「脱原発」を目指すなら、「電源三法交付金」廃止にも踏み込まないといけません。
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英盗聴事件―メディアの信頼壊すな(朝日新聞社説 2011年7月22日付)
(朝日新聞 2011年7月22日付)
「メディア王」と呼ばれるルパート・マードック氏が所有する大衆紙による盗聴事件が、英国のキャメロン政権や警察首脳もからんだ大スキャンダルになりつつある。
疑惑の中心は、今月廃刊になった英紙ニューズ・オブ・ザ・ワールドだ。有名人のスキャンダルを売り物にするタブロイド紙で、大部数を誇っていた。私立探偵をやとって電話を盗聴するやり方で「特ダネ」を狙い続けた。被害者は政治家から芸能人まで約4千人という。
その矛先が誘拐殺人事件の被害者の携帯電話にまで向けられていたことが今月、明らかになり、世論の反発を浴びた。
発端は5年前に起きた王室担当記者による盗聴だった。記者は逮捕されたが「単独犯行」とされた。辞任したコールソン編集長はキャメロン党首によって保守党の広報担当に起用され、官邸の報道局長にもなった。この元編集長をはじめ、何人もが逮捕されている。
見過ごせないのは、新聞と権力との構造的な癒着だ。
事件を捜査するロンドン警視庁の総監も、同紙の元副編集長を広報担当に採用していた。記者が携帯番号などの提供を受ける見返りに、警官にわいろを贈っていた疑いも出ている。
キャメロン首相の就任後に、マードック氏は官邸への最初の客として招待された。総選挙での応援のお礼だったという。
マードック氏は英国で、サン紙やタイムズ紙などとあわせ、発行される新聞の約4割を支配してきた。衛星放送事業も拡大しようとしていた。ビジネスを優先し、報道機関が守るべき倫理がなおざりになってはいなかっただろうか。
政治家も、メディア王の力を自分のために使おうとしていなかっただろうか。英国政治では「マードック氏を敵にまわしては選挙に勝てない」というのが常識になっていたという。
英政府には報道への規制を強めようという動きが出ている。特定の人物にメディアの寡占を許したことが、不健全な関係を招いた一因だろう。市民の不信も広がっている。
だが、メディアは権力による規制よりも、自浄力によって間違いを正さなければならない。今回も、盗聴事件の再捜査へのきっかけは、粘り強く報道したガーディアン紙などによるスクープだったことを評価したい。
事件はメディアの自壊を招きかねない危うさを示している。それは民主主義の基盤を揺るがす。市民の知る権利にこたえる本来の役目を自覚したい。
>見過ごせないのは、新聞と権力との構造的な癒着だ。
そうですね。「お前が言うな」としか言いようがないのですが、日本でこんなことを書いていい新聞社はないと思います。ガーディアン紙の記者が見たら笑うでしょうね。
>ビジネスを優先し、報道機関が守るべき倫理がなおざりになってはいなかっただろうか。
そうですね。
その倫理がまだあればですが。
>メディアは権力による規制よりも、自浄力によって間違いを正さなければならない。
そうですね。
その自浄力がまだあればですが。
>市民の知る権利にこたえる本来の役目を自覚したい。
そうですね。
市民の知る権利とは何かを自覚できればですが。
朝日新聞は自社の歴史を振り返ることから始めた方がいいです。つい最近でも、九州電力の「やらせメール」事件を赤旗が報じても、国会で共産党議員が質問して表沙汰になるまでマスコミはどこも記事にしませんでしたよね。「報道しない」ことは「市民の知る権利」を侵害することです。日本のマスコミは先進国の中でも特殊で、新聞社とテレビ局が系列化している「クロスオーナーシップ」があります。これは言論の多様化を阻むものです。また、日本独自の「記者クラブ制度」があります。記者クラブから与えられた情報をそのまま報道するので同じ記事になり、これも言論の多様化を阻んでいます。「見過ごせないのは、新聞と権力との構造的な癒着だ」などと立派なことを主張するなら、「記者クラブ」を廃止する法律をつくれと同時に書くべきです。
最後に、この記事を紹介しておきます。
新聞協会会長に秋山氏=「世論引っ張っていく」
(時事通信 2011/07/20-17:23)
社団法人日本新聞協会は20日、会員総会を開き、会長に秋山耿太郎朝日新聞社社長を選任した。副会長には、喜多恒雄日本経済新聞社社長、村田正敏北海道新聞社社長、山本治朗中国新聞社社主・会長をそれぞれ選んだ。
記者会見した秋山会長は「東日本大震災や社会保障の問題など、日本は大きな危機に直面している。世論に誤りがないように引っ張っていくのが新聞の役割だし責任でもある」とあいさつした。
また、若者の新聞離れが進む中、学校教育に新聞を取り入れる動きがあることを「業界にとって千載一遇のチャンスだ」と指摘。子どもの頃から新聞に親しんでもらうことが、購読者を増やすためにも有効だとの考えを示した。
「世論に誤りがないように引っ張っていく」そうですよ。
どうでしょう、自分たちは正しいという自信に満ちあふれたこの意気込みは。
>若者の新聞離れが進む中、学校教育に新聞を取り入れる動きがある
子供の頃から教育して世論をコントロールしたいそうですよ。
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菅首相、原発輸出の見直し示唆
(時事通信社 - 07月21日 13:05)
菅直人首相は21日午前の参院予算委員会で、政府が推進してきた原発の海外輸出について、「安全性を高めて進めていくことをベースにしているが、もう一度きちんとした議論をしなければならない段階に来ている」と述べ、見直す可能性を示唆した。自民党の塚田一郎氏への答弁。
菅政権は経済成長戦略の一環として原発輸出を進めており、首相は昨年、ベトナムでの原発建設をトップセールスで受注した。3月の福島第1原発事故後もこの方針を変えていない。一方で、首相は今月13日の記者会見で「脱原発依存」を表明し、原発技術について「これまでの安全確保の考え方では、もはや律することができない」と指摘した。
記者会見で「脱原発」を明言し、その後個人的な意見だと述べた菅首相が、ベトナムなど新興国への原発輸出についてはどのように考えているか、知りたいと思っていました。「安全性を高めて進めていくことをベースにしている」としているので、輸出自体を見直すことはなさそうですね。そこまでの決意が菅首相にあるとは思っていません。ここに踏み込んだら経済界が黙ってないですし、菅おろしがますます過熱するでしょう。欠陥商品を売るわけにはいかない、ということでしょうか。
原発はベトナムに電力をもたらす一方で、被曝労働や放射性廃棄物の処分で負の負担を強いることになります。日本にとってビジネス的にはおいしいですが、放射性廃棄物の最終処分すら決まらない商品を売ること自体間違っていると思います。目先のカネだけを見ていませんか。そして、福島第一原発の事故を受けて、ベトナム政府の方針に変化はないのでしょうか。また、世論はどうなっているのでしょうか。
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テーマ : 「原発」は本当に必要なのか - ジャンル : 政治・経済
報道ステーション「原発 私はこう思う」 前原誠司 メモ
今回は前原誠司氏です。
(以下、メモ)
3.11以降、考え方は変わったか
前原誠司 前外務大臣(49歳)
「私はまったく変わりました。私自身も原子力発電に対する技術水準安全性というものは揺るぎのないものだと思ってましたけども、物事に絶対はなかったと。この事故というものを境に、日本のエネルギー政策、そして原子力政策が大きく変わったと、エネルギー使用のあり方の大きな転換点にしていくことが大事なことだと思います」
菅総理の“脱原発依存”について
「方向性は私も同じです。ただ、総理が会見をされるのに、後で個人の発言だったとおっしゃるということは、いかがかなと思います。正式の記者会見でおっしゃったことが内閣の発言ではなくて、個人の発言というのは、国民には受け入れられないのではないかと、私はそう思います」
「私はおよそ20年ぐらいだと思っているんですが、20年ぐらいの(期間で)原発を無くしていって、減らしていって、最終的に無くすためのロードマップをしっかりと作っていくことが必要で、その間の安全性をどう担保するかという、2つの責任を政府は負わなくてはいけないのではないかと思います。政府の知見、あるいは専門家の知見を総動員して、ある程度時間をかけて作り上げるものだと思っておりますので、やはり新たな体制でしっかりと全省庁的に取り組むということが大事じゃないかなと思ってます」
代替エネルギーについて
「家庭や工場やさまざまな事業所に、蓄電というものを、しっかりと技術革新をし、安価なものを、高性能なものを配置していけば、私はピークに合わせた供給は下げることはできると思いますし、あとは自然再生エネルギーについては、日本は1%にも満たないような状況ですので、そういう意味でのフロンティアというのは相当広がっているんではないかなと。特に、地震国、火山国ですので、地熱発電ですね。これは国立公園、国定公園でそういった発電所をつくってこなかったと。規制があったわけですけども、そういうものの規制を見直していくことになれば、地熱発電のポテンシャル(潜在力)は相当広がってくるんではないかと思いますし、私は20年というものは決して絵空事ではない、そう思ってます」
(以上)
前原氏は世論を意識して「脱原発派」のフリをしていましたね。原発を「20年で無くす」と述べていましたが、事実上新設・増設が不可能になった日本で、20年もすれば全ての原発が老朽化により自然に廃炉になっています。「無くす」じゃないですよ。推進したくても「無くなる」んです。「無くす」ためのロードマップなら意味がありません。また、そのロードマップも「政府の知見、あるいは専門家の知見を総動員して、ある程度時間をかけて作り上げるものだ」としていますが、政府や専門家の知見を総動員とはつまり、今まで原発を推進してきた人たちがほとぼりが冷めるのを待つような形で作るということですよね。それで代替エネルギーの急速な開発や普及が進むとは思えませんし、そうしている間に世界のエネルギー革命から日本は取り残されるでしょう。相変わらず口先だけの政治家という印象のインタビューでした。こんな発言でも前原氏に賛同する人は多いのかもしれません。
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やらせメール 九電社長が「辞意」表明
(産経新聞 2011.7.18 23:41)
九州電力の真部利応(としお)社長(66)は18日、福岡市内で産経新聞などの取材に応じ、玄海原発をめぐる「やらせメール」問題の責任をとり、辞任する意向を表明した。具体的な辞任時期については、「取締役会で議論してもらう」と述べ、第三者委員会によるメール問題検証終了後の2~3カ月後になる見通し。
真部社長は「(メール問題発覚)当初から自分に全責任があると思っていた」として、海江田万里経済産業相が「組織のトップが責任を取るのは当たり前だ」と辞任を迫ったのが直接の理由でないことを強調。
その上で、「今すぐに退任できるかという問題がある。メール問題の始末と、停止中の原発の再稼働、電力需給、業績見通しなどを考慮しなければならない」と語った。真部社長は平成19年6月に取締役から社長に就任、任期は来年6月末までだった。
どう考えても辞任するしかない「やらせメール」事件でした。
>真部社長は「(メール問題発覚)当初から自分に全責任があると思っていた」
またウソをついてますね。では、過去の記事を振り返ってみましょう。
真部社長は「社会の常識や倫理観に反する行為」と謝罪したが、進退については、「不祥事の再発防止と信頼回復に全力で取り組んでいきたい」と述べ、続投する考えを示した。(読売新聞 - 07月14日 16:57)
「どちらかというと作られた辞任劇という感じがする。私としては社長は続投させたい」
やらせメール問題が明らかになった2日後の8日、出張先の海外から急きょ帰国した松尾新吾会長は、報道陣を前にこう語った。本人は辞任する意思はないのに、マスコミが勝手に進退問題を論じているという意味だ。(読売新聞 - 07月14日 09:21)
「当初から自分に全責任がある」と思っている人は、普通は即辞任すると思います。社長も会長も責任を感じていないから「作られた辞任劇」なんて言葉が出てくるんです。
最後にこの記事も紹介しておきましょう。
メールの文面まずかっただけ…問題意識低い九電
(読売新聞 - 07月12日 14:55)
「やらせメール」問題で、九電の内部調査が行われている最中も、同社幹部やOBからは「文面がまずかっただけ」「『やらせ』と言われるほどのものなのか」といった発言が聞かれる。
信頼回復に努める立場にもかかわらず、問題意識の低さが浮き彫りとなった形だ。
真部利応(としお)社長は6日の記者会見で、「やらせメール」が誰の指示だったのか報道陣に質問され、「それが誰かというのは、大きな問題ですか」と、逆に聞き返した。
九電内には、メール問題を悪質だと認識していない空気がある。役員の一人は、「やらせメールが小さな問題とは言わないが、電力会社としては夏場の安定した電力供給の方が比べものにならないくらい大問題」と言い切る。
10日、賛成メールの2割が「やらせ」だったと報じられると、執行役員は「過半数だったら大問題だけど、2割というのは多いのかなぁ」と話した。
11日の鹿児島県議会に出席した幹部は「部下の課長が安易に呼びかけた」と責任逃れとも受け取れる発言をした。
真部社長は再発防止策をまとめた上で辞任するそうですが、こんな連中が関わっていいわけがありません。社長が「やらせメール」を知らなかったなんて誰が信じるんですか。九電も解体しないとダメなんですよ。また、27日に決定する予定の社内処分で、真部社長自身を含む常勤の全取締役13人の報酬カットを盛り込む方針とのことですが、九電の体質では甘い処分になりそうですね。真部社長は辞任するまでの報酬と退職金の全額返上が最低条件です。
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派遣労働 搾取する手法の数々
(東京新聞 2011年7月8日)
三年前のリーマン・ショックによる派遣切りで、社会問題化した派遣労働。労働者派遣法改正案の国会審議が進まない中、大手と中小の人材派遣会社で社員として勤務経験のある男性(50)が取材に応じ、「派遣会社が利益を出すために、派遣スタッフから搾り取る方法が悪質化している」と指摘した。 (市川真)
男性が指摘したのは、スタッフ登録の短期化。男性が勤めた会社では、スタッフは二カ月更新。労働者を解雇する場合は、三十日前までの通告か解雇予告手当(三十日分の平均給与)支給が、労働基準法で義務付けられているが、二カ月以内の短期労働は対象外。「会社側は、費用をかけずにいつでも解雇できる」と話す。
会社と労働者が折半する社会保険料の支払いは、「正社員の四分の三以上の労働時間」の労働者に適用されるが、これを逃れるための手法が労働時間の切り分けだ。例えば、派遣先企業から三人の派遣を求められた場合、五人以上のスタッフで仕事をさせ、スタッフ一人当たりの週労働時間を三十時間未満にするという。
違法すれすれの例も。派遣先工場までの送迎料金の徴収がそれで、「最低賃金法で定められた最低賃金を割ってしまうこともある」という。
派遣スタッフが派遣会社の法律違反を労働基準監督署に訴え出たとしても、「是正勧告に従って是正するのは、訴え出たスタッフの分だけ。同じ立場にいる他のスタッフは是正せずに、経費を節約する」。
社会保険に加入しているスタッフが月末で退職する場合、年金事務所に退職日を一~二日早く届け出る。制度的に月末に在籍していなければ、会社側はその月の社会保険料を負担しなくてもよいからだ。
「年金事務所が本人に退職日を確認することはない。スタッフには、本人負担となるその月の国民健康保険の支払通知書が送付されるが、意味が分からず見過ごしてしまいがち」という。
完全に違法なケースもある。震災で派遣切りに遭っても、派遣会社が休業補償(残り期間の平均給与の六割)をスタッフに払わない。
最低賃金には、県別と業種別の二種類がある。両方が同時に適用される場合、会社側は最低賃金が高い方で賃金を払わなくてならないのに、低い方で払っている場合もあるという。
さらに、派遣先企業の要求で、どのスタッフを派遣させるか事前に書類選考させることも。これは労働者派遣法の特定行為に当たり、法律に触れる。
男性は「派遣会社の乱立と不況の影響で、派遣労働の開拓はダンピングが横行しているが、そのしわ寄せがスタッフにいっているのが現状」と話す。
◆泣き寝入りせず相談
男性が勤務した派遣会社の手法は、労働基準監督署や年金事務所の裏をかいたり、労働者側が法律をよく知らないことにつけ込んでいるのが特徴。派遣労働に詳しい派遣ユニオン(東京都渋谷区)の関根秀一郎書記長は「泣き寝入りしている派遣労働者は多いのでは」と話す。
関根書記長によると、スタッフ登録の短期化や労働時間の切り分けは顕著になっている。「究極の短期化ともいえる日雇いの派遣会社もある。おかしなやり方だが、違法性を問うのは難しい」という。
労基署に訴え出た派遣スタッフのみ労働条件を改善する、という対応についても「一件ずつ是正していても、全体の問題は変わらない」と、労基署側に対し、会社側への抜本的な指導を求める。
同ユニオンに派遣労働者が訴え出たことがきっかけで、派遣会社や派遣先と協定を結んで解決した事案もある。「泣き寝入りしないことが重要。派遣労働の相談窓口があるので、まずは相談してほしい」と関根書記長は呼び掛ける。
電話相談は、派遣ユニオン=電03(5371)8808(月曜の午後6~9時)。名古屋ふれあいユニオン=電052(679)3079(月-土曜の前10~後6)
政権交代で民主党に期待したことのひとつに派遣労働の問題がありました。民主党はマニフェストに派遣労働制度の根本的な転換を盛り込んでいました。何ひとつ改善されない中、労働者の待遇は悪化の一途です。
昨年来「派遣切り」が社会問題化し、立場の弱さが露呈した派遣労働者。民主党マニフェストは、月額10万円の求職者支援制度、全労働者への雇用保険適用など安全網整備にとどまらず、派遣労働制度の根本的な転換を盛り込んだ。
派遣労働はもともと専門業務だけに認められていたが、1999年に原則自由化。2004年には製造業にも拡大された。
民主党マニフェストでは、これを「原則として製造現場への派遣を禁止する」として転換を宣言。製造業の中でも一部専門業務は派遣を残すが、工場で単純労働に従事するようなケースで派遣は認められなくなる。
それだけでなく「専門業務以外の派遣労働者は常用雇用」とした。仕事がある時だけ契約して働く「登録型派遣」は専門業務に限定され、継続的に派遣会社に雇用される「常用型派遣」が主体になる。
派遣労働者にとっては、派遣先で仕事がなくなっても、派遣元に雇われている状態が続くため、生活の不安は解消される。
さらに、雇用契約期間が2カ月以下の場合は派遣を禁止。派遣労働者と派遣先労働者の均等待遇原則など待遇改善も盛り込んだ。(東京新聞 2009年7月30日)
この記事からまもなく2年が経ちますが、労働者派遣法はいまだに改正されていません。菅首相も閣僚も議員もこの問題について語ることがなくなりました。労働者の味方のようなフリをして経済界に媚びている今の民主党では根本的な転換は無理でしょう。言うまでもありませんが、派遣制度を改悪してきた自民党や公明党ではもっと無理です。個々で対応する以外、今はどうにもならないですね。
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自民党に報道チェック部隊、抗議や申し立ても
(読売新聞 2011年7月17日09時23分)
自民党は、報道機関の論調を調べ、内容に問題があれば対抗措置を講じる「メディアチェック」の担当議員を新設した。
菅内閣の支持率が著しく低迷しているのにもかかわらず、自民党の支持率が思うように伸びない原因の一つに報道機関の自民批判の影響があると見ているためだが、“八つ当たり”気味の対応には党内から疑問の声も出ている。
担当するのは、中谷元情報調査局長、新藤義孝報道局長、菅原一秀副幹事長の3人。
主にテレビ報道を点検し、事実誤認や公平性を欠く内容があれば、局側に抗議したり、放送倫理・番組向上機構(BPO)などの第三者機関に申し立てたりする方針だ。
メディアチェックの導入は、石原幹事長が主導した。衆院の当選回数別の懇談会で、若手から「なぜ党の支持率が上がらないのか考えるべきだ」との意見が提起された際、石原氏は「自民党を批判するテレビのコメンテーターが悪い」と、テレビ報道に強い不満を示したという。
自民党は森内閣末期など、党の支持率が著しく低迷した際、報道に神経をとがらせて対策を取るケースがあった。今回、対策を主導した石原氏は日本テレビ記者の出身。党内では「メディアに責任をなすりつけるようでは支持回復はおぼつかない」(中堅議員)と冷ややかな声もある。
>自民党の支持率が思うように伸びない原因の一つに報道機関の自民批判の影響がある
自分たちが推し進めてきた原発のせいで日本が大変なことになっていることへの反省もなしに、被災地の復興にも協力しないで菅内閣の批判ばかりしているからでしょう。その前に、「報道機関の自民批判」と言えるほど自民党についての報道も批判もないですよ。
>メディアチェックの導入は、石原幹事長が主導した。
野党第一党の幹事長を石原伸晃氏が務めている自民党も終わっているなと実感しますが、「自民党を批判するテレビのコメンテーターが悪い」というマヌケな発言をする政治家の親の顔が見てみたいです。あっ、親は石原都知事でしたね。親子揃って思い込みが激しいです。
>党内では「メディアに責任をなすりつけるようでは支持回復はおぼつかない」(中堅議員)と冷ややかな声もある。
その通りです。分かっている議員もいるんですね。でも、自民党が支持を回復しても一般国民にとっていいことは何もないので、このまま衰退していけばいいと思います。とはいえ、民主党が今のままでもダメなんですよね…。
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「子ども手当」の所得制限、エコポイント復活
(毎日新聞 - 07月15日 21:10)
民主党の城島光力政調会長代理は15日、国会内で開いた子ども手当を巡る自民、公明両党との実務者協議で、所得制限を条件付きで容認する見直し案を提示した。(1)市町村の判断で、年収1800万円以上の世帯には支給しない(2)一定以上の所得がある世帯は手当額を減額する--の2案で、被災地の状況を見定めたうえで12年度以降に実施する。民主党が所得制限導入を公式に表明したのは初めて。
菅直人首相の退陣条件の一つである、赤字国債を発行するための特例公債法案成立に野党の協力を得るには、譲歩が必要と判断した。一方で、所得制限導入への党内の反対は根強いため、ほとんどの世帯が手当を受けられる案をまとめた。
これに対し自公両党は、自公政権下の児童手当なみの所得制限(年収860万円)を求めている。所得制限導入を市町村の判断に委ねることにも否定的。所得制限の年収額の引き下げなど、民主党がさらに譲歩しない限り、合意は難しい状況だ。
また、城島氏は提案で、15歳以下の子どもに一律1万3000円を支給する現行制度について、「3歳未満の児童」と「3~12歳の第3子以降」を増額し、その他の子どもへの支給額を減額する考えも示した。自公両党は持ち帰り、20日の次回協議で回答する。【大場伸也】
「子ども手当て」の子供を社会全体で育てるという理念からすれば、「財源がない」「高所得者に支給する必要はない」という批判は筋違いだと思っています。仮に、年収1800万円以上の世帯に所得制限するにしても、事務手続きの手間とコストがかかるわりに、たいした歳出削減になりません。所得制限をするのであれば、代わりに所得税の累進課税を強化すればいいと思います。
<エコポイント>復活を検討 電力不足対策で 国家戦略相
(毎日新聞 - 07月15日 14:15)
玄葉光一郎国家戦略担当相は15日午前の閣議後会見で、当面の電力不足対策として、省エネ製品を対象としたエコポイント制度を今冬に復活させる考えを示した。今月末にも自身が議長を務める「エネルギー・環境会議」で制度をまとめ、11年度3次補正予算案に関連予算を盛り込む方針。
玄葉国家戦略相は節電のためには発光ダイオード(LED)照明や蓄電池、省エネ住宅などの普及が必要だとした上で「具体策の一つとしてエコポイントもあり得る」と述べた。
また、海江田万里経済産業相も閣議後記者会見で「(家電エコポイントを)議論しなければいけない」と述べた。【宮島寛、野原大輔】
エコポイントはまたやってもいいとは思いますが、こっちは「財源」の話は聞こえてきませんね。経済界は当然歓迎するので、自民党も財源はどうするんだという批判はしないでしょう。ちょっと気になったので「子ども手当て」に続けて「エコポイント」について書いてみました。
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やらせメールは組織的な世論工作、九電社長謝罪するも続投
(読売新聞 2011年7月14日21時13分)
玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働を巡る九州電力の「やらせメール」問題で、九電は14日、真部利応(としお)社長が福岡市の本社で記者会見して調査結果を公表し、原子力担当の段上守・元副社長(6月下旬に関連会社社長に就任)を頂点にした組織的な世論工作だったことを認めた。
真部社長は「社会の常識や倫理観に反する行為。心よりおわび申し上げます」と謝罪したが、進退については、「当面の課題に全力で対処していく」と続投する考えを示した。
調査報告書によると、段上氏と諸岡雅俊・元原子力発電本部長(6月下旬に関連会社社長に就任)、大坪潔晴・佐賀支社長(当時佐賀支店長)の3人が6月21日、佐賀市内で会食。5日後に開かれる国主催の佐賀県民向け説明会の番組で、原発への不安の高まりから再稼働への慎重意見が中心になることを懸念し、賛成意見の投稿を増やすとの認識で一致した。
段上、諸岡両氏は、中村明同本部部長(現・同本部副本部長)に番組の周知を指示。中村氏の指示を受けた課長級社員が投稿を求める指示メールを作成し、協力会社4社と社内の管理職に送信した。
大坪氏は支店の部下に賛成投稿を増やすよう指示。支店の部長3人が、投稿内容の文例まで作成し、取引会社や顧客に投稿を要請した。投稿者は141人に上ることが判明し、賛成意見のほぼ半数が「やらせ」だったことが明らかになった。
>原子力担当の段上守・元副社長を頂点にした組織的な世論工作だったことを認めた
最初は課長の独断ということで逃げ切ろうと思ったけど世論が許さないので落としどころを副社長にした、ということですよね。役所よりも役所みたいな電力会社で、課長の独断で「やらせメール」の指示なんてあり得ませんし、社長が知らないということもあり得ません。副社長が頂点なら、先週の記者会見で真部社長にメモを差し入れたのは誰だったのでしょうか。
>原発への不安の高まりから再稼働への慎重意見が中心になることを懸念し、賛成意見の投稿を増やすとの認識で一致した
完全な創作ですよね。さも初めてやったかのように「認識で一致した」じゃないですよ。最初からずっと、いつも、そういう認識だったじゃないですか。九電は玄海原発のプルサーマル計画でも、住民向け説明会に参加するよう社員や子会社社員らに呼び掛け、動員をかけていたことが分かっています。その九電の日名子泰通副社長は14日、細野哲弘資源エネルギー庁長官を訪ね、陳謝しました。資源エネルギー庁は経済産業省の外局ですね。経済産業省がこの手の説明会で「やらせ」や「世論操作」が行われていることを知らないはずがないと思いますが、「公正であるべき国の行事の趣旨を根底から覆すことで許し難い。十分反省し、信用回復に最大限努力してほしい」という細野資源エネルギー庁長官の言葉が空々しいです。
「どちらかというと作られた辞任劇という感じがする。私としては社長は続投させたい」
やらせメール問題が明らかになった2日後の8日、出張先の海外から急きょ帰国した松尾新吾会長は、報道陣を前にこう語った。本人は辞任する意思はないのに、マスコミが勝手に進退問題を論じているという意味だ。
「辞任すれば夏場の電力の安定供給に支障が出る」という会長発言に呼応して、役員たちは「社長が辞める必要はない」と口をそろえる。社内に、社長の責任を追及する声は聞かれない。(読売新聞 - 07月14日 09:21)
松尾会長の発言や真部社長の会見での姿は、まったく反省しているようには見えません。世論とのこの温度差は何なのでしょうか。社内には、やはり自浄作用はないようで、九電は解体すべきです。
やらせメール、過去の政府説明会も洗い出し
(読売新聞 2011年7月14日21時27分)
玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働を巡る九州電力の「やらせメール」問題で、経済産業省は14日、電力会社7社に対し、政府が過去に主催した原発関係の説明会でも同様の事例を行っていなかったか、調査を行うよう指示した。
29日までに回答を求める。
2006年度から10年度に政府が各地で実施した36回の説明会が対象で、関係する電力会社は北海道、東北、東京、中部、中国、四国、九州の7社。
すべての説明会で動員をかけていたと想像しますが、果たしてどのような調査結果が出てくるでしょうか。原発を推進してきた経済産業省がどこまで追及できるか疑問です。ここでも適当な落としどころを探るのでしょうか。今の電力会社・業界を維持したままでは何も変えることはできないですし、信用も取り戻すことはできません。
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報道ステーション「原発 私はこう思う」 川勝平太 メモ
今回は静岡県知事の川勝平太氏です。
(以下、メモ)
静岡県 川勝平太 知事(62歳)
「…ストレステストでもう一度安全性チェックと言っているわけですが、こういう腰の定まらない原子力政策をしていると、国民は混乱しますよね」
政府の要請で停止した浜岡原発。静岡県の川勝平太知事は再稼動について、安全面だけでなく、コストの面からも県独自の検証を行った上で判断したいと話す。
「先に結論は出さない。徹底的に検証する。これが科学的立場だと思っていまして、その立場を堅持すると。浜岡原発は(運転終了の)1号機にも2号機にもまだ使用済み核燃料がございます。千数百本ありますし、全体で1万本近くあります。そうしたものも、どうするんですかと、(処理・処分の)コストはどうなってますかと。工学的な安全性と経済的な合理性という両方の観点から、しっかりチェックするのが私の仕事であると」
知事は、浜岡原発が事故を起こした場合に、日本が麻痺状態に陥る可能性を指摘。対応を急がねばならないと語った。
「もし、ここで事故が起こったら、警戒区域が20キロになれば、東名高速は浜岡の20キロ以内にあるんですよ。新幹線もそうなんです。そうすると、放射能を浴びるということで、東名に自動車も通らないし、新幹線も通らない。飛行機も来ない。御前崎の港に船も来ないとなれば、日本は東西に分断されるでしょ。いきなり脱原発でハードランディングすることはできないと思いますが、まずは中電あたりから、原発依存に進む方向性を、ここで一回“ご破算で願いましては”ということで、原発も使えるかもしれない、しかしどうしますかと。全体として“自然エネルギーへ”という方向は、選択肢にありました。中電のいろいろ持っておられる発電能力はこれからもしばらく大事にしなくちゃいけないと。一方で、一極依存からの自立をしていかないといけないので、自家発電をそれぞれの風土に合った形でやっていきましょうと。電力に対して一極集中での依存から多極分散といいますか、分散自立型に変わっていくと。全体としてエネルギーの地産地消ということを言われているんですけど、そうした方向に大きく舵を切れると。私はもう切っています」
(以上)
浜岡原発は、今さら新たな検証をするまでもなく、廃炉決定です。再稼動はもう不可能だからです。川勝知事は「いきなり脱原発でハードランディングすることはできない」と述べましたが、このまま来年春に全原発が停止しても、それでハードランディングになるとは限らないと思っています。川勝知事の言う「経済的な合理性」とは、原発を火力で補うとしても、燃料費がかさんで電力料金が上がれば産業の競争力低下を招き、工場の海外移転による空洞化も加速して、日本経済は窮地に立たされる、という懸念でしょう。しかし、値上げされるという電気料金は、節電や合理化によるマイナス分などを試算に入れてないですし、そもそもコストの内訳が不透明です。電力自由化やスマートグリッドの推進と上手く組み合わせていけば、値上げになるかは分からないと思います。自家発電から電気を購入すると、2~3割も安くなっている現実もありますよね。
「一極集中での依存から多極分散」「分散自立型」「地産地消」という発言はよかったと思います。これからの電力のキーワードです。大都市圏で消費するための電気を遠い地方の原発で作り遠距離を送電する、なんて非効率です。札束でほっぺたを叩いて電気を使いながら放射能のリスクだけ押し付ける、なんて間違っています。3月11日以降、世界は変わったんですよ。
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7月13日「報道ステーション」東電・西澤新社長へのインタビュー メモ
(以下、メモ)
東京電力 西澤俊夫 新社長
「供給の安定を図るという形で、その時の状況を見まして、本当にその余力があって西の地域が本当に厳しいということがあれば、これは相互に調整し合って、しっかり日本全体での安定供給に寄与できればと思っている」
電力の西日本への融通。企業や個人に電力の使用制限を求めていたにも関わらず、意外な実態が明らかになった。現在、東電管内では供給が需要を上回っている。
一方、関西電力。現在、11基ある原発のうち既に4基が停止。さらに、来年2月までに6基が定期検査に入る。これらがすべて再稼動できなければ、10基が止まることになる。
Q.自分たちが頑張って生み出した電力を融通するなら、もう少し節電を和らげても?
東京電力 西澤俊夫 新社長
「まずは協力頂いてる皆さんのご期待に応えて、きちんと計画停電なしでの安定供給をしっかり果たしてまいりたい覚悟ではおります」
東京電力 7月末には供給力が5680万kWに回復予定
・被災した火力発電所の復旧に加え自家発電からの供給
埋蔵電力
・全国の自家発電設備
・六本木ヒルズ 3月、4月、今月と東電に供給
・味の素 川崎事業所は自家発電の4割を東電に供給
・東電管内の自家発電 1600万kW
・東電が購入 160万kW
Q.埋蔵電力の購入に消極的という見方もあるが?
東京電力 西澤俊夫 新社長
「そこは交渉させて確保していきたいというふうには思っている。現場がいろいろあたっていつことは確かなんですけど、(埋蔵電力)は結構めいっぱいのところに来ているのかなという思いはある」
しかし、我々の取材では、東電からの要請がなく埋蔵されたままの電力もあった。
・横浜市資源循環局金沢工場 余剰電力は新規電力会社に売却
・JR東日本川崎火力発電所 余剰電力を出す態勢は整っている
埋蔵電力については政府も注目している。経済産業省はさらに期待できる埋蔵電力を聞き取り調査の結果、およそ120万kWと試算したが、菅首相はその結果に納得せず、再調査を命じている。
環境エネルギー政策研究所 飯田哲也 所長
「だいたい5000万kW強、原発50基分くらいはあるということ。統計上は46%使われているという数字になってる。ピークの時だけ埋蔵電力を買ってくることで十分しのげる。明らかに国・経産省と電力会社は電力不足を回避するためのベストの努力をしているようには見えない」
(以上)
あれだけ電力不足キャンペーンを繰り広げ、原発を止めると計画停電するぞと脅してきましたが、東電管内で計画停電はないということです。まだ購入要請すらしていない自家発電設備があるんですからね。既に熱中症で多くの人が倒れたり亡くなったりしていますが、節電とはいったい何だったのかと思ってしまいます。西澤氏のインタビューを見ていても、切迫感、危機感、みたいなものは感じられませんでした。本当の「埋蔵電力」については再調査の結果を早く見たいものです。
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菅首相「原発に依存しない社会を目指す」
(時事通信社 - 07月13日 19:05)
菅直人首相は13日夕、首相官邸で記者会見し、今後のエネルギー政策について「原発に依存しない社会を目指すべきだと考えるに至った」と述べ、原子力を基幹に据えてきたこれまでの方針を「脱原発依存」に転換する考えを表明した。首相は「計画的、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもやっていける社会を実現する」と述べ、最終的には原発のない社会を目指す考えを示した。
退陣を表明した首相による重要政策の転換に対しては、与野党から批判が出る可能性がある。これに関し、首相は東京電力福島第1原発事故に触れ、「事故を踏まえて原子力政策の見直しを提起するのは、この時代の首相としての責務だ」と強調した。
首相は原子力をめぐる自らの考えについて、原発事故までは安全性を前提に活用する立場だったが、事故後は「これまでの安全確保の考えでは(事故を)律することができないと痛感した」と説明した。
「原発のない社会」を実現する時期的なめどについては「基本的なところから積み上げていく必要がある。具体的なものまで申し上げるのは早過ぎる」と明言しなかった。また、「私の段階だけで全てできるとは思っていない」と次期政権以降に引き継いでいく考えを示した。
一方、当面の電力需給対策については、「国民生活や産業に必要な電力供給は政府の責務だ。国民、企業の理解と協力があれば夏のピーク時の節電や自家発電などで十分対応できる」と強調。「十分にこの夏、冬の電力供給は可能だ」との見通しを示した。
先月27日以来の記者会見で、菅首相が初めて「脱原発」方針を明言しました。
>原子力を基幹に据えてきたこれまでの方針を「脱原発依存」に転換する
エネルギー政策の大転換となりますが、時期のメドは「具体的なものまで申し上げるのは早過ぎる」と明言しせず、中長期的な道筋も「私の段階だけで全てできるとは思っていない」と示していません。世論を代弁しただけで、エネルギー政策の大転換を明言したというインパクトに欠けます。明言しなくても、計画的にやらなくても、原発依存度が下がっていくことは明白です。菅首相が退陣する前に具体的な道筋をつけないと、誰が次の首相になっても「原発のない社会」を早期に実現することはできないでしょう。「原子力村」の底力を甘く見てはいけません。政権内部にも与謝野氏や海江田氏など原発推進派がいるくらいです。世論が高まっている今のうちに「発送電分離」「電力自由化」「原発の国有化」「送電網の国有化」「電源三法交付金の廃止」などを一気にやるべきです。菅首相ができなければ、次の大事故が起きるのを待つことになりかねません。
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報道ステーション「原発 私はこう思う」 与謝野馨 メモ
今回は経済財政担当大臣の与謝野馨氏です。
(以下、メモ)
与謝野馨 経済財政担当大臣(72歳)
「今の豊かさの水準から日本の経済力の水準を維持していくためには、原子力は必要だと、そう思ってます。脱原発を論じることは、比較的容易なんですけど、相当な覚悟がないと、これは論じられない。日本はすぐに貧しくなるということは間違いない」
与謝野氏は大学卒業後、原発推進の旗振り役だった中曽根元総理の勧めで「日本原子力発電」に入社する。その後、中曽根元総理の秘書を経て政治家になってからも通産大臣などを歴任。政界きっての“原発推進論者”だ。
Q.政治の責任は
「政治の責任がないとは言いませんけど、それが間違った判断をしたという意味での責任はないと。この事故はまったく科学的に想定していた範囲をはるかに超えている点では、反省してもどうにでもなる話でもないと」
Q.菅総理の“脱原発”について
「原子力から脱却していきたいという気持ちは菅総理にはあると思うんですけど、例えば原子力発電所1基分の再生可能エネルギーのものを作るっていうのは、容易な広さじゃないんですよね。例えば、新しく一軒家をつくられた方が、屋根を全部太陽光にする。それ僕は非常にいいことだと思うんだけど、それで全部代替できるという話ではない。菅総理の理想は分かりますけど、代替できるものはどんどん代替したらいいと思いますけど、今の経済活動や国民生活のレベルを維持できない」
Q.3.11以降、考え方は変わったか
「あまりないですね。僕はやっぱり、原子力発電所は、日本みたいに資源のない国では必要なんじゃないかと。それから、やっぱり、貧しくなりたくない。今の豊かさを子供や孫の世代に引き継いでいきたいと、そう強烈に思っているので、やっぱり原子力は、今の生活水準とか経済活動のレベルを維持するためには必要なものだと今でも思ってます」
(以上)
原発がないと貧しくなる、想定外の事故だから責任はない、だそうです。この人の口からはウソばかり出てきます。こんな人物が経済財政担当大臣を務めている日本は不幸です。原発の発電分を太陽光発電で今すぐ代替しようなんて誰も言ってないんですけどね。資源のない国と言いながらウランは輸入に頼ってるんですけどね。原発推進派は理論的な反論ができないんですよ。与謝野氏がこんなことを言うのも、菅総理の口から明確な“脱原発”宣言がなされないこと、具体的なエネルギー政策が語られないことが悪いのですが、持続可能な社会を子供や孫の世代に引き継いでいくためにも、与謝野氏はすぐにクビにすべきです。“脱原発”を目指す政権の閣僚にバリバリの“原発推進論者”がいること自体、間違っています。消費税15%引き上げ、原発推進、日本を滅ぼすことしか主張しない与謝野氏はハッキリ言って害悪にしかなりません。
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報道ステーション「原発 私はこう思う」 小出裕章 メモ
今回は京都大学原子炉研究所の小出裕章氏です。
(以下、メモ)
京都大学原子炉研究所 小出裕章 助教(61歳)
「日本の場合は地震も津波も逃れる場所はないですし、仮に次に事故が起きる時に、地震あるいは津波で起きる保証もないわけですね。今度はまったく別の要因で事故になるかもしれないわけです。ですから、津波だけが悪くて、それさえ対策をとれば事故が起きないと言うのであれば、そもそも、それが間違えてるということです」
原子力の専門家でありながら、40年間原発の危険性を訴え続けてきた京都大学原子炉研究所の小出裕章助教。
「少なくとも福島の原子力発電所に対しても、国は絶対安全ですと、安全性が確認されていますといい続けてきたわけで、福島県の人々も国の言い分を信じて、まさか壊れることはないと思いながら、生活してきたわけですね。その国が、この原子力発電所が安全だと、今言ったとしても、そんなものをどうすれば信じることができるのか、私にはまずそれが分かりません」
「少なくとも、原子力(発電)なんていうものは即刻やめるべきだと思います。原子力(発電)をやめたところで、電気、電力の供給にまったく支障がないことは、日本の政府の統計データ自身が示していますので、まずやめる。ただしやめたときには、火力発電所をフル稼働させるということが必要になりますので、化石燃料の調達、運転した時の環境破壊はもちろん受け入れるしかありません。でも、大切なことは、今のようなエネルギーを膨大に使うという社会そのものが、既におかしいということに気が付かなければいけないと思います。エネルギーの使用量、電気の使用量をどうやったら減らせるかというふうに、日本人は考えるべきだと思います。私は3月11日に世界は変わったと思います。日本中というか、世界中が既に、福島の原子力発電所から噴き出してきた放射能で汚れてしまっているわけで、食べ物にしても水にしても、もうすべて汚れているわけですね。その中で生きなければいけない。今、完璧にその放射能から逃れることはできないですけれども、今できること、そしてやるべきことは、子供を被曝から守るということです。明るい未来はもう今は描くことができないと思う。せめて少しでも、全体の悲劇を減らすための具体的な方策を考えることが必要です」
(以上)
原発と地震大国との相性は最悪で、そもそも日本が手を出してはいけないものでした。数年起きに大地震が起きるこの国で「絶対安全」な原発なんて存在できるはずがありません。計画停電を実施して電力供給不安を煽ってくれた東電も電力供給にメドがついていますし、おそらくこのまま乗り切れるでしょう。全国の送電網を国有化して電力会社以外に開放すれば、何の問題もないはずです。どうせなら番組で「原発をやめても電力の供給にまったく支障がないことは、日本の政府の統計データ自身が示している」ことについて検証して欲しかったです。国民が判断するためにも、正しい情報を政府に公表して欲しいだけです。
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NHKスペシャル「シリーズ原発危機 第3回“徹底討論 どうする原発」 簡易メモ&感想
NHKスペシャル
「シリーズ 原発危機 第3回“徹底討論 どうする原発 第一部”」
2011/07/09 19:30 ~ 2011/07/09 20:45 (NHK総合)
混迷する政府と地元▽細野大臣に生直撃!▽脱原発か?維持か?▽原発の安全を大検証▽電力不足は大丈夫か▽論客たちの白熱論争▽再稼動は
原子力発電所の今後を、取材映像や長時間討論を交えて2部構成で考える。福島第一原子力発電所の事故は、原発の安全性に対する考え方に大きな修正を迫るものとなった。このまま原発への依存を続けるのか、それとも新エネルギーに軸足を移すのか。”フクシマ後”の今、私たちは大きな岐路に立っている。日本では、全国の原発をどうするのか、各地で議論が広がっている。一方、脱原発を決めたドイツでは、雇用への悪影響や電力コストの増大という問題をどうするか、原発立地の地元を含めた国民的議論が起きている。米国では、オバマ大統領が原発の継続を打ち出す一方、市場原理の立場から株主が原発にノーを突き付ける事態が起きている。
NHKスペシャル
「シリーズ 原発危機 第3回“徹底討論 どうする原発 第二部”」
2011/07/09 21:00 ~ 2011/07/09 22:15 (NHK総合)
エネルギーの未来は▽各国の決断の舞台裏▽ドイツ脱原発の選択▽フランス究極の原発▽原発の真のコストは▽実現性は?再生可能エネルギーの課題
(インターネットテレビガイドより)
◇
2011年7月9日(土) 午後7時30分~10時13分
総合テレビ
シリーズ原発危機 第3回
徹底討論 どうする原発 第一部・第二部
シリーズ原発危機の第3回は、原発の今後を、徹底ルポと長時間討論で考える。
福島第一原発の事故は、原発の安全性に対する考え方に大きな修正を迫るものとなった。このまま原発への依存を続けるのか、それとも新エネルギーに軸足を移すのか。“フクシマ後”の今、私たちは、大きな岐路に立っている。
日本では全国の50基あまりの原発をどうするのか、各地で議論が広がっている。四国の伊方原発や九州の玄海原発は7月をめどに定期点検中の原発の再稼働を目指しているが、安全性への懸念が広がり、先行きは見えない。一方、脱原発を決めたドイツでは、雇用への悪影響や電力コストの増大という問題をどうするか、原発立地の地元を含めた国民的議論が起きている。アメリカでは、オバマ大統領が原発の継続を打ち出す一方、市場原理の立場から株主が原発にノーを突きつける事態が起きている。安全性を高めるコストが増大し、採算がとれないと判断したのだ。日本という国のあり方や、私たちのライフスタイルまでも左右する、原発とエネルギーの問題。番組では“フクシマ後”に揺れる日本と世界各地の実態をルポするとともに、有識者やtwitterをまじえた徹底討論で、原発の今後を掘り下げて考えていく。
討論に参加していただく方々
原発事故担当大臣 細野豪志さん
原子力安全委員会専門委員・北海道大学教授 奈良林 直さん
21世紀政策研究所研究主幹 澤 昭裕さん
元原子力プラント設計技術者・芝浦工大非常勤講師 後藤政志 さん
環境エネルギー政策研究所所長 飯田哲也さん
ノンフィクション作家 吉永みち子 さん
(司会/アナウンサー 三宅民夫、アナウンサー 守本奈実、解説委員 水野倫之)
(番組HPより)
(以下、メモ)
(第一部)
番組による世論調査
・増やすべき 3%
・現状維持 24%
・減らすべき 45%
・すべて廃止 21%
迷走する原発政策 翻弄される知事
・玄海原発
・昨日の県民説明会
・佐賀県、古川知事
保安院 「30年以内に震度6以上の地震が起きる確率」
・浜岡 84%
・玄海 0.0%
・福島第一 0.0%
・ドイツ 市民の声により脱原発の選択
・フランス 原発を推進 メルトダウン対策した新たな原子炉
アメリカ
・オバマ大統領は原発推進、17箇所で建設計画中
・事実上、建設中止になった計画
・NRGエネルギー社
・福島の事故を受け、政府の安全基準が強化され、建設費が増える可能性
・東電からの資金が望めなくなった
・250億円を諦め、中止になった
・プロジェクトが成功する確率は10%、投資家にとって魅力はない
(第二部)
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
『2020年自然消滅』
・日本の原発は極めて老朽化している
・今後、原発は最大でも10%になり、基幹電力ではなく補完電力になる
・もう一発事故が起きたら日本経済は壊滅する
・ドイツはガスは増やそうとしているが石炭は減らしている
後藤政志(元原子力プラント設計技術者・芝浦工大非常勤講師)
『早急に脱原発を!』
・何かが起きたらその地域が消滅する
・原子炉の中の状態は誰も分からないことが重い、安全性は破綻している
吉永みち子(ノンフィクション作家)
『政府が脱原発の姿勢を示すことが重要 段階的に停止・廃炉、再生可能エネルギーに転換』
・30%依存していると思ったら15%の依存だった
・原発は命がけで動かすようなものではない
澤 昭裕(21世紀政策研究所研究主幹)
『電源「多様化」 原発は重要な選択肢』
・2030年に原子力発電の割合50%の目標には反対
・ドイツは脱原発の裏で火力発電所を造ることを決めている
・エネルギーミックスが大事
・原発の社会的信頼性を取り戻すためには、事故の収束
奈良林 直(原子力安全委員会専門委員・北海道大学教授)
『福島の事故の教訓を糧として世界一安全な原発を!』
・外部電源が喪失、津波が重なって深刻な事故になった
・女川は津波を耐え抜いた
・世界一安全にすることは可能
・老朽化、亀裂も超音波で分かる、配管を新品に取り替える
・今回の問題はレイアウト、技術的な対応は取れる
・21:30 7000件を超える意見
水野倫之(解説委員)
・核燃料サイクル、「もんじゅ」が事故で止まった
・プルトニウム、放射性廃棄物の処理をどうするのか
吉永みち子(ノンフィクション作家)
・最終処理までの過程が計算に入っていなかったのではないか
・廃炉にしても、膨大な費用がかかる
水野倫之(解説委員)
・19兆円かかると言われているが、果たしてそれで済むのか
奈良林 直(原子力安全委員会専門委員・北海道大学教授)
・人類の500年分のエネルギー源
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
・奈良林さんのできるかのような議論はやめた方がいい
・発電コストに処分コスト、事故のコストを加えると、ドイツでは13円はかかるとの試算
澤 昭裕(21世紀政策研究所研究主幹)
・長い期間たくさんの電気を生むからコストが安くなる
・原子力は8~13円という試算もあるが太陽光より安い
奈良林 直(原子力安全委員会専門委員・北海道大学教授)
・入社時にスリーマイル事故が起き、終わりだと思ったが、その後もしっかり復活した
・長期的な視野に立てば原発を使わざるを得ない
後藤政志(元原子力プラント設計技術者・芝浦工大非常勤講師)
・破綻している、核燃料サイクルも技術的には不可能に近い
番組による世論調査 「今後最も増やすべき発電のエネルギー源は」
・太陽光や風力など 69%
・太陽光の発電コスト 49円
・風力 欧米で急速に普及
・日本で風力発電が普及しないのは、コスト、不安定
澤 昭裕(21世紀政策研究所研究主幹)
・再生可能エネルギーに投資していく時代だ
・消費者が電気料金が何によって構成されているのか知れば…
奈良林 直(原子力安全委員会専門委員・北海道大学教授)
・マレーシアに行ってきた、風が吹かない、曇りが多い
・ドイツにも行ってきた、秋だけ強い季節風が吹く
・日本で風力に適した場所は限られている
吉永みち子(ノンフィクション作家)
・大規模なものではなく、小規模でいろんな発電をすれば変わる
・太陽光や風力は必ず不安定だと言うが、日本は世界3位といわれる地熱もある、技術力もある
澤 昭裕(21世紀政策研究所研究主幹)
・電力会社は法律で供給義務があり、不安定な電源を入れることに抵抗があった
吉永みち子(ノンフィクション作家)
・なぜ一民間企業に独占されているのか
澤 昭裕(21世紀政策研究所研究主幹)
・送電網は一応オープンにはなっている、料金体系は公表されている
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
・送電網を公共化すればいい
・太陽光のコスト、49円は2001年の数字で役に立たない
澤 昭裕(21世紀政策研究所研究主幹)
・今は56~63円ですよ
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
・今は30円くらいでやろうと思えば事業としてできる
澤 昭裕(21世紀政策研究所研究主幹)
・それは家庭用の電気料金が値上げで犠牲になっている
奈良林 直(原子力安全委員会専門委員・北海道大学教授)
・ドイツはコストが高いから企業が逃げていってる
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
・ドイツの電気料金の自然エネルギーのコストは2%、環境税が高い
後藤政志(元原子力プラント設計技術者・芝浦工大非常勤講師)
・原子力は安定した電源なのか、完全に危ない、地震が来る度に止まるんです
奈良林 直(原子力安全委員会専門委員・北海道大学教授)
・日本は耐震補強工事をやっても地元の合意がないと再稼動できない
・アメリカは事業者自らが安全強化に取り組むインセンティブがある仕組み
水野倫之(解説委員)
・国民はどっちの数字を信じたらいいか分からない
澤 昭裕(21世紀政策研究所研究主幹)
・真実は半分くらいのところにあると思った方がいい
水野倫之(解説委員)
・電力会社の発表では信用できないから、政府が発表を
後藤政志(元原子力プラント設計技術者・芝浦工大非常勤講師)
・情報公開を、第三者のチェックを
奈良林 直(原子力安全委員会専門委員・北海道大学教授)
・今回の福島の事故は、データは出ているが説明がされていない
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
・強引に再処理を進めている
・省益のために都合のいい数字を出している
・(22:03 1万件以上の意見)
吉永みち子(ノンフィクション作家)
・原発事故の怖さをしっかり認識をしないといけない
・原発より自然エネルギーの開発に回したほうがいい
・政府が姿勢を示すことで、違う形で舵を切れる
水野倫之(解説委員)
・原発の事故以前に議論していた温暖化議論と同じだなと
・原子力は潜在的に危険なエネルギーだと認識し、判断していかなければいけない
吉永みち子(ノンフィクション作家)
・原子力は温暖化のために二酸化炭素を出さないクリーンなエネルギーだとやっていた
後藤政志(元原子力プラント設計技術者・芝浦工大非常勤講師)
・原子力は狭い道を走っているようなもの
・道の左右どちらに寄っても危険
奈良林 直(原子力安全委員会専門委員・北海道大学教授)
・人類の英知を結集していかにして安全に運転していくかが課題
・将来的に安全な原発は技術的に可能だ
澤 昭裕(21世紀政策研究所研究主幹)
・飯田さんとある会議を作ってタウンミーティングをしようと思っている
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
・原子力村は、違う村とは議論できないみたいな雰囲気があった
奈良林 直(原子力安全委員会専門委員・北海道大学教授)
・太陽光パネルは砂漠のある中東の国に売ればいい
・今日のような討論は有用だ
三宅民夫
・こういう場を大切に考えていきたい、8月末にまたやる
(以上)
ようやく「NHKスペシャル」で討論の場が設けられました。遅すぎた感は否めませんが、民放でゴールデンタイムにこのような番組はあり得ません。番組にはツイッターやメールで1万件以上の意見が寄せられ、視聴者の関心の高さが伺えました。
原発推進派も脱原発派もそれぞれ根拠にする数字があり、どちらが正しいのか、どちらも正しくないのか、本当のところは国民には分かりません。私がずっと書き続けているように、「情報公開」がすべての始まりです。既存の電力行政の枠組みの延長線上で動く電力会社に情報を独占させたままでは、議論の前提条件が成立しません。だから九州電力の「やらせメール」のような不祥事が起きます。彼ら電力業界の人間にとって、口頭ではなくメールを使ったことで内部告発されて発覚しただけで、日常の「通常業務」だったことです。世論操作、隠蔽工作は「通常業務」です。だから、電力会社は解体しろ、電力業界は自由化しろ、と主張しています。
原子力安全委員会専門委員の奈良林氏はゴリゴリの推進派でしたね。安全委員会の人間はみんなあんな感じなのでしょうか。仮に、技術的に安全な原発は可能だとしても、運用する人間、原発の立地の問題は技術でどうこうできることではありません。地震大国日本に立地可能な場所なんてありません。討論の中で、福島第一原発の作業員について少し触れましたが、「被曝労働」の問題については掘り下げませんでした。実際に原子炉の内部に入って作業をするのがどういう人たちか、作業員たちがその後どうなるのか、国民は認識する必要があります。放射性廃棄物も気が遠くなるほど長い期間保管しないといけませんが、誰かがやらないといけません。国の借金のツケを未来の子供たちに押し付けるな、なんて言って消費税増税は主張するくせに、放射性廃棄物の処理問題は先送りを続けてきました。核燃料サイクルの19兆円の話は、青森県・六ヶ所村で再処理できる核燃料の分だけで、全体のたったの半分です。あとは先送り、未定です。原子力ほどコストもリスクも高い発電はないと思います。
最後に、今後どうなるか、現実的に考えてみると、飯田哲也氏が言うように、2020年に自然消滅する可能性は高いでしょう。原発の新規の建設・増設は、受け入れる自治体が出ないから不可能ですし、再稼動も「ストレステスト」に加え「やらせメール」でさらにハードルが上がりました。今年の夏を何とか乗り切ってしまえば、原発を再稼動する理由も弱くなりますし、安全性を犠牲にして動かすくらいなら、再生可能エネルギーの推進に国策として注力した方がビジネス的にもメリットは大きいです。日本が進む道はひとつしかありません。
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報道ステーション「原発 私はこう思う」 平沼赳夫 メモ
今回はたちあがれ日本の平沼赳夫代表です。
(以下、メモ)
たちあがれ日本 平沼赳夫代表(71歳)
「この工業立国の日本のエネルギーを考えたときに、勇気を持って、原発のことを諦めずに追及していく姿勢は私は必要だと思います」
たちあがれ日本・平沼赳夫代表は、通産大臣、経産大臣として原子力発電を推進してきた。そして今も、原発の必要性を訴える。
「私は3年3ヶ月、通産大臣、経産大臣をして、エネルギーのことは割合詳しいわけです。そうすると、この膨大な日本の電力需要を考えたときに、太陽光がいいだとか、風力がいい、それが全部原子力のピンチヒッターで、役割を担えると思ったら、とても現実的には無理ですよ。例えば、砂漠があるような国だったら、そこに太陽光パネルを並べることはできるけど、日本は四季があって、今はちょうど梅雨の時ですけど、それだけでも日光が差さない場合が多い。国民が節電をしたところでね、工業立国日本の電力というのは、日本はやっぱり資源がない国ですから、付加価値を与えて、輸出することによって、国が成り立っている側面があります。全部つましくしてやれば良いということではなくて、工業国としての日本の立場を守っていく。節電するという姿勢は必要ですけど、同時に、必要な電力というのは、エネルギー源として、確保していかなければいけないのではないかと」
平沼代表は、岩盤をくりぬいて地下に空洞を造り原子炉を建てる、いわゆる地下原発の開発を検討する議連(地下原発推進議員連盟)の会長を務めている。
「今の原子力発電は、5重の層で守られています。深い岩盤をくりぬいて、その掘削技術もありますから、そういう中に原子力発電所を納めれば、さらに岩盤という6重の防御ができると。そういうこともあるし、津波の心配もないと。こういうことがありますから、技術的に検討する価値はある。だから議連を再開した。膨大な経済力のある日本のエネルギーを賄っていく上では、原子力発電というものは、安全性をしっかりと守りながら、地道に開発をしていくという姿勢が必要だと私は思います」
(以上)
このVTRの次は、京町屋の“夏座敷”でした。エアコンを使わなくても夏を涼しく過ごせそうでした。
電力需要を考えたときに、太陽光や風力で原子力発電の不足分を補う役割を担えるなんて誰も思っていませんよ。現実的に無理なことは百も承知です。原発推進派は敢えて極論を持ち出して批判します。止まった原発の代わりに、短期的にはLNGのガスタービンで補い、中長期的に自然エネルギーを推進するようなことが現実的な話で、実際にそうしていくしかないでしょう。太陽光は雨が降れば発電できませんが、真夏のピークカットには有効です。日本に○○砂漠と名のついた地名はないですが、例えば浜岡原発は広大な砂丘に立地しているので、原発の代わりに太陽光発電所を造ってもいいわけです。
「地下原発」の話を聞いた視聴者はどう思ったんでしょうね。平沼氏はいったいどこに穴を掘って建設するつもりなのでしょうか。平沼氏が強調する電力需要を考えれば、都心の地下に造るのでしょうか。「地下原発」はどこを掘るとしても、建設コストがどれだけ巨額になるか分かりませんね。また、万が一事故が起きて放射能が漏れた時、その放射能の逃げ場がないので、おそらく作業員は中に入れないですよね。すると、お手上げになると思うのですが、事故対策は考えているのでしょうか。埋めて封じるのでしょうか。この議連のメンバーは老害ばかりで、こんな非現実的な妄想に付き合っている暇は一般国民にはないので無視していきましょう。
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報道ステーション「原発 私はこう思う」 中村時広 メモ
今回は愛媛県知事の中村時広氏です。
(以下、メモ)
愛媛県 中村時広知事(51歳)
「3月11日の事故を受けて、長い目で見て“脱原発”は目指すべき道のりだと思います。しかし、目標を遠くに置きながら、近くを見つめ歩いていかなければなりませんから、安全性をさらに強化し(原発と)向き合っていかざるを得ないのではないかと思ってます」
四国全体の4割の電力量を賄う伊方原発を抱える愛媛県。県は、現在定期検査で停止中の3号機の再稼動問題で揺れている。
「国の方針と電気事業者、四国電力の姿勢と、地元住民の意見、3つから総合的に判断していきたいと思ってますが、今の段階では白紙です」
政府は今日、さらなる安全検査、ストレステストを実施するとしたが、愛媛県は国の対応が遅いとして、独自の安全対策を電力会社に求めた。
「国の安全基準そのものに対する信頼感、これが変わりましたね。だからこそ、独自対策をやらなければと、アディショナル(追加的)なね。国の安全指針、国の言っていることを超える独自の指針をどんどん打っていかなければダメだという気持ちが強くなりましたね」
「(再稼動に向け)最も重要なのは、国の安全基準に対する信頼が揺らいでいるわけですから、愛媛県では、独自に、さらにそれを上回る対応を四国電力に求めてきました。伊方原発は570ガルを基準に造られているんですが、すべて検証し直して補強工事をやりますので。1000ガルに対応する施設にしますと確約をしてくれました。2年くらいはかかると思います」
さらに、情報公開のあり方も変えていくつもりだ。
「事故等についてのプレス発表・公表も、全部愛媛県が行うことにしています。すなわち、電力会社に事故等の公表する権限を与えない。我々が持つことによって、すべての情報をコントロールする仕組みを作っていますので、情報を隠したら、信頼関係は木っ端微塵に吹き飛びますと。それをしっかりと受け止めて現場に浸透してくれという要請をしました」
一方で、今後はエネルギー政策の転換が必要だとも訴える。
「エネルギー政策は国策ですから、国が新たなエネルギー資源の技術を開発するために、思い切って国費を投入して、見つけ出していくしかないと思ってます。国会議員はやることいっぱいあるんですよ。菅さんが辞める辞めないで毎日時間を浪費する暇はないはずです。このエネルギー政策をとってみても、最後はどうするのか、どこに持っていくのか、一刻も早く、政治生命をかけて、結論を出して欲しいと心から思いますね」
(以上)
中村知事のことはあまりよく知らないのですが、“脱原発”は遠くに置く目標ではないですね。伊方原発の危険性を理解しているのでしょうか。「エネルギー政策の転換が必要」ということは、安全な原発推進派の人もよく言います。情報公開のあり方について変えていくことは評価しますが、県が「すべての情報をコントロールする」といっても、元の情報は電力会社がすべて握っているので、今までとたいした違いはないような気がします。
その伊方原発に関して、7日、こんなニュースがありました。
伊方3号機、再稼働「支障なし」 愛媛県議会で保安院
(共同通信 2011/07/07 18:06)
定期検査中の伊方原発3号機(愛媛県)の再稼働をめぐり愛媛県議会が設置した特別委が7日開かれ、参考人招致された経産省原子力安全・保安院の黒木慎一審議官は「すでに安全対策はされており、再稼働に支障はない」と話した。
委員会では、海江田経産相が、原発の安全性を総合的に評価するために実施を表明した「ストレステスト」に質問が集中。黒木審議官は「実施しなければ安全性が確認できないということではない」と説明した。
審議官は、伊方原発安全対策については国の想定を超えるような事態にも対応できる措置をしているとして、ストレステスト実施前でも再稼働は可能との認識を示した。
九電の「やらせメール」事件が全国に報道された翌日にこんなことを平然と説明しています。原子力安全・保安院の所轄官庁である経産省保は原発推進派で、「再稼動ありき」の姿勢は海江田大臣の発言にも表れていますが、保安院の黒木慎一審議官は、「やらせメール」事件の舞台となった玄海原発の「県民説明会」にも出席していました。黒木審議官は原発の再稼動のために全国を飛び回っています。
「やらせメール」を明らかにした共産党の「しんぶん赤旗」ではこのように書いていました。
定期点検停止中の九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働に向けて経済産業省が26日、佐賀市内で「県民説明会」を開きました。説明会に参加した県民は同省が選んだ7人。説明会の様子はケーブルテレビやインターネットなどで中継されましたが、会場は非公開で一般の希望者は参加できませんでした。
国からは経済産業省原子力安全・保安院の黒木慎一審議官、森本英雄資源エネルギー庁原子力立地・核燃料サイクル産業課長らが出席しました。
黒木審議官は、福島第1原発の事故について、地震で外部電源を確保する送電鉄塔が倒壊したことを認めたものの、「福島での事故は地震動に起因するものではない」と断言しました。
そのうえで黒木審議官は「玄海原発については津波対策が十分とられている」として運転再開を容認する立場を表明しました。
玄海町の男性は「震度6強以上の地震が起きる確率は、玄海は0%だが、福島も0%だったが、あれだけの事故が起きたではないか」と指摘。黒木審議官は「東日本大震災はプレート境界型の地震で、玄海付近で想定される活断層に起因する地震はプレート型より地震・津波が小さい。玄海の耐震対策は十分に行われている」と述べました。
佐賀市の男性は「そもそも地震が起きる国に54基も造ったのが問題ではないか」と批判しました。(2011年6月27日 しんぶん赤旗)
参加者を限定し、一方的に放送したことで、「やらせ番組」「国の宣伝」との批判が相次いだ県民説明会ですが、それに加えて「やらせメール」の発覚です。愛媛県の中村知事が言うように「情報公開」は最も重要なことですが、このような体質の電力会社・業界に情報を独占させたままでは何も変えることはできません。彼らは平気で世論工作をし、情報を隠蔽します。伊方原発は近くに巨大な活断層があり、原子炉が老朽化し、地震がなくても事故が多発している上に、プルサーマルにまで手を出している危険極まりない原発です。伊方原発は一刻も早く廃炉にすべきです。
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九電が玄海原発再稼働へ「やらせメール」を指示
(毎日新聞 - 07月06日 21:10)
九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)2、3号機運転再開問題を巡り、経済産業省が先月26日に放送した県民向けの説明番組について、九電の眞部利應(まなべとしお)社長は6日夜に緊急会見し、九電側が子会社に原発の再稼働に賛成する内容の電子メールを番組あてに送るよう依頼していたことを認めた。「やらせメール」の送付が同日あった衆院予算委員会で取り上げられ、国が調査を同社に指示した。眞部社長は「説明会の信頼を損なう結果になり、心からおわび申し上げたい」と謝罪した。
眞部社長によると、番組放送4日前の6月22日、九電原子力発電本部の課長級社員から子会社4社にメールで「説明会の進行を見ながら自宅から、再開容認の立場で意見を発信してほしい」と依頼した。理由は「原子力の安全性、必要性に理解を広めてもらいたかった」と述べた。子会社側から何通のメールが番組に届き、紹介されたかなどは把握していないという。子会社の社員は計2300人。
眞部社長は玄海原発再稼働に「当然影響はある」と認めた。責任問題については「誰がやったとしても最終責任は社長にある」としながら、自身の進退は「控えさせてください」と明言を避けた。
衆院予算委員会では笠井亮議員(共産)が入手した内部文書を基に、九電からの具体的な指示内容を指摘した。海江田万里経産相は「人選も公平にやるように言った」としたうえで「九電が(やらせの指示を)やっているならけしからん」と答弁。事実の場合は、断固とした処置をとる考えを明らかにした。
番組には経産省の依頼を受けた広告代理店が選んだ佐賀県民7人が出演。原子力安全・保安院職員らによる説明と質疑があった。県内のケーブルテレビとインターネットを通じて生放送され、ネットでは延べ5000人近くが視聴した。番組中にメールが473件、ファクスが116件寄せられ、このうち11通が読み上げられた。再稼働容認や賛成の意見は4通含まれていた。
やらせメールについては4日、鹿児島県議会原子力安全対策等特別委員会で共産党県議が追及したのに対し、九電の中村明・上席執行役員(原子力発電本部副本部長)は「番組があると社内や関係会社に連絡はしたが、どうこうしろと言った事実はございません」と否定していた。【斎藤良太】
6日、国会が再開され、共産党の笠井亮議員が指摘したことでマスコミが報道しました。この「やらせメール」事件は2日に「しんぶん赤旗」が書いていましたが、ようやく表沙汰になってくれました。この件について当ブログでは5日のエントリで触れました。
眞部社長は「九州、そして国家的見地から大きな判断をしていただいた。原子力の安全性と今回の緊急安全対策について、地域の理解が得られるよう、全力で取り組みたい」と述べました。(NHKニュース 7月4日 17時17分)
玄海町の岸本町長が運転再開を認めることを九電に伝えたことに対し、このように述べた眞部社長ですが、地域の理解を得られるよう、全力で「やらせ番組」に取り組んでいたわけです。最低ですね。共産党から指摘されても、6日までウソをついて否定していたんですからね。
>責任問題については「誰がやったとしても最終責任は社長にある」
昨夜の「報道ステーション」ではトップで伝えていました。記者会見の映像を見ていたら、「社長の指示か?」という記者の質問に対し、眞部社長は「ノーコメント」「知っていても知らなくても同じこと」と答えていたのが、会見中にメモが差し入れられ、それを読んだら、「指示はしてない」と答えていました。さて、誰が「社長」に指示したのでしょうか?この業界は本当に闇が深そうです。
今回の「やらせメール」はまさに氷山の一角で、たまたま共産党によって明らかになりました。今まで日常的にこういうことをやってきたから今回もやったわけで、これが電力会社・業界の体質です。九電でこれなら、絶大な政治力を持つ東電はもっと酷いことが行われてきたことは想像に難くありません。このような電力業界に発送電を独占させてはいけません。自浄作用がまったく期待できない電力会社は国民の手で解体しなければいけません。
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全原発に対するストレステストの実施を発表
(毎日新聞 - 07月06日 12:00)
海江田万里経済産業相は6日午前、経産省で記者団に対し、原子力発電所の一層の安全確保のため、全原発を対象にストレステスト(耐性試験)を行うことを明らかにした。定期検査などで停止し、再稼働準備中の原発を優先して実施。具体的な試験項目は、細野豪志原発事故担当相や原子力安全委員会と協議して決定する。ただ、ストレステストの実施で原発の再稼働がさらに遅れるのは確実で、今夏の電力需給が逼迫(ひっぱく)するのは必至だ。
ストレステストの実施については、5日の菅直人首相と海江田、細野両氏の会談で決まった。
海江田氏は記者団に「直ちに作業に入りたい」と指摘。「安全確認だけでなく、国民の一層の信頼を得て再稼働していく」と強調した。再稼働が遅れる懸念については「需給に問題が起きないよう責任を持つ」と語った。
ストレステストでは、地震や津波などに対する原発設備の強度や機能などの耐性を評価する。
欧州連合(EU)では東京電力福島第1原発事故を受け、6月から各国が自国の原発へのストレステストを実施している。経産省はEUのテスト内容も参考にする方針で、規制機関である原子力安全・保安院が実施する。
原発の再稼働を巡っては、海江田氏が6月18日、原子力安全・保安院による各原発への立ち入り検査結果などを踏まえ、事故対応は適切に実施されているとして「運転停止中の原発の再稼働は可能」との見解を表明した。
しかし、地元自治体の多くは疑問を示し、安全性について説明を要求している。九州電力玄海原発2、3号機(佐賀県玄海町)再稼働では、玄海町が運転再開を容認しているが、古川康佐賀県知事と菅首相との会談は実現していない。政府としては、一段の安全性確保のためストレステスト実施で理解を得る必要があると判断した。
全国には商業用原発が54基あり、定期検査などで37基が調整運転中を含む停止中、5基が8月までに停止する見込み。ストレステストは設計上の耐性をシミュレーションするため、稼働中の原発でも実施できる。【野原大輔、和田憲二】
>ストレステストの実施で原発の再稼働がさらに遅れるのは確実
今夏の電力需給が逼迫することへの不満や批判は原発推進派に言っていただくとして、とにかく安全が最優先されます。地元に「安全は国が責任を持つ」と言っておきながら、ほぼ決まっていた玄海原発の再稼動が延期になったこと自体は逆によかったと思いますが、菅首相の真意がどこにあるのか分かりません。
>ストレステストでは、地震や津波などに対する原発設備の強度や機能などの耐性を評価する。
欧州と比べて遥かに地震や津波のリスクが高い日本は、EU以上の基準のストレステストが求められるのは当然です。EUで6月から実施しているストレステストすら実施せず、日本で原発の再稼動などあり得ないことでした。
>経産省はEUのテスト内容も参考にする方針で、規制機関である原子力安全・保安院が実施する。
また「再稼動ありき」の内容にならないように実施されるのでしょうか。日本版ストレステストの内容にも注目していきたいと思います。
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報道ステーション「原発 私はこう思う」 吉原毅 メモ
今回は城南信用金庫理事長の吉原毅氏です。
(以下、メモ)
城南信用金庫 吉原毅 理事長(56歳)
「3月11日の前は原発はクリーンで安全なエネルギーであると信じて、特に関心を持っていませんでした。ところが今回の事件をずっと見ていると、いかに危険なものであるかということを痛切に感じました。それと同時に、このような原発に頼るわけにはいけないんだということを、普通の企業とか、個人としてもそうですけれど、はっきりと態度を決めて行動していかないと日本全体が大変なことになると改めて気付かされました」
城南信用金庫は震災以降、いち早く“脱原発”を宣言。実際に行動を起こした。3割節電を目標に掲げ、この3ヶ月間ほぼ実現している。
「企業も、その事業を通じて社会に貢献したい。またはそこに勤めている方々も、誇りを持って日々の仕事に取り組んでいると思います。ですから、こうした問題に対して、企業としても、考え方、理想、哲学、魂を持って行動を起こしていくことは当然のことだと思います」
5月からは“脱原発”のために預金や融資も始めた。太陽光発電などを導入すれば、定期預金の金利を高くし、導入のためのローンについても優遇を行っている。
Q.原発はリスクなのか
「原発がないと経済成長が低下して、日本は二流三流の国になってしまうぞとか、あるいは、電気料金が大幅に跳ね上がって経済が大混乱に陥ると、こういう短絡的な議論が今ありますが、金融機関に勤める者としては、いささか首を傾げざるを得ないと思います。本当に原発は効率的なものなのか、もし仮に、純粋な民間ベースで原発事業がスタートするとした場合に、それに融資する銀行が本当にあるかどうか。おそらく一行もないと思います。原発はそれほどコストが高く、リスクが高いのが実情だからです。金融界としては、国が、あるいは東京電力が、あまりにも強力な力を持っているので、これに対して安心していたということがあると思うんですね。ですから東電債(社債)というものが安心な投資商品であると、また融資も間違いないものであるという風に考えてきてしまったんですが、そこに内在するリスクというものを十分に考えてこなかった。それは正直に言って責任があったのかなと思います」
Q.今後どう対応すべきか
「いま政府を始めとして議論が混乱していると思います。それはいろいろな利害関係が絡んでいるから、なかなか思ったことが言えない状況だと思うんですけれども、それはよく分かるんですが、いま大切なことは、我が国の将来、そして子供たちの未来を考えて、大きく舵を切っていかなければいけないということを具体的に進めていくことが大事なんだと思います」
(以上)
福島第一原発の事故を機に考え方を改め、金融機関としての責任も率直に認める、こういう経営者が日本では少ないですね。「原発はコストが高く、リスクが高い」という事実は事故前から当てはまります。それが事故でより顕著になったと思っています。「原発がないと経済成長が低下して、日本は二流三流の国になってしまう」のは、三流以下の経営者集団の経団連や政治家が政治・経済を担ってきたからです。彼らは自らの無能を棚に上げて何を偉そうに言っているのでしょうか。利権を守りたいと正直に言ってくれた方が国民には分かりやすくていいです。吉原氏の発言には大いに共感しましたが、「事業を通じて社会に貢献したい」と思っている経営者なんてこの国にはほとんどいないことを最後に付け足させてもらいます。
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玄海原発再稼働に同意 町長が九電社長と面会
(NHKニュース 7月4日 17時17分)
佐賀県にある玄海原子力発電所の地元、玄海町の岸本英雄町長は、定期検査で止まっている2基の原子炉の運転再開を認めることを、九州電力に正式に伝えました。東京電力福島第一原発の事故のあと、止まっている原発の地元自治体が再開を認めることを電力会社に伝えるのは初めてですが、周辺の自治体から再開に慎重な意見が相次ぎました。
玄海町の岸本英雄町長は、町役場を訪れた九州電力の眞部利應社長と、4日午前、会談しました。玄海原発の2号機と3号機は定期検査をことし4月に実質的に終えていますが、九州電力は、運転再開には地元佐賀県と玄海町の了解が必要だとして、その時期は決まっていません。岸本町長は、2号機と3号機の運転再開を認めることを九州電力に正式に伝えたうえで、「今後も安全対策と地域住民の安全・安心の確保に積極的に取り組んでほしい」と述べました。福島第一原発の事故のあと、全国の原発の3分の2に当たる35基が定期検査や東日本大震災の影響などで運転を止めていますが、原発の地元自治体が再開を認めることを電力会社に伝えるのは初めてです。会談のあと、岸本町長は「安全対策は確保されていると、私自身が確認したし、海江田経済産業大臣も来て、国が責任を持つと発言した。それを踏まえ、町としては運転を再開をしてもよいと判断した」と述べました。また、眞部社長は「九州、そして国家的見地から大きな判断をしていただいた。原子力の安全性と今回の緊急安全対策について、地域の理解が得られるよう、全力で取り組みたい」と述べました。一方、玄海町の隣の、唐津市の坂井俊之市長は記者会見し、「原発の安全性に対する唐津市民の不安が払拭(ふっしょく)されたとは理解していない。私自身の運転再開への慎重な姿勢も変わらない」と述べ、改めて慎重な姿勢を示しました。玄海原発の運転再開を巡っては、佐賀県内のほかに、隣の福岡県や長崎県の自治体からも、安全性などについて慎重な意見が出ていて、今後、佐賀県の古川知事の判断が焦点となります。海江田経済産業大臣は、「岸本町長は苦渋の決断だったと思う。私どもとしては、町民のご理解がしっかりと得られるよう、安全性について説明をしていきたい」と述べました。
原発利権でズブズブの2人が面会すればこうなりますよね、としか言いようがありません。そういえば、玄海町の岸本町長の前身である岸本組は、主要取り引き民間会社は九電と九電子会社である西日本プラント工業だそうですよ。
>「原子力の安全性と今回の緊急安全対策について、地域の理解が得られるよう、全力で取り組みたい」
このように述べた九州電力の眞部社長ですが、地域の理解を得られるよう、全力で「やらせ番組」に取り組み続けるということでしょうか。7月2日のしんぶん赤旗(参照)が報じていますが、九州電力玄海原子力発電所2、3号機の運転再開に向け、経済産業省が主催した佐賀県民への「説明番組」で、九電が関係会社の社員らに運転再開を支持する文言の電子メールを番組に投稿するよう組織していたことが分かったそうです。昨日のNHKでも民放でもまったく報道しませんでしたね。これが事実なら本当に犯罪的な世論操作です。
昨夜のNHK「ニュースウォッチ9」で、大越キャスターが古川知事に直接インタビューしていましたが、その中で古川知事は「県主催の県民説明会も、前回の国主催のものも、わざわざ全県的に放映してもらった」と述べていました。「わざわざ全県的に放映してもらった」説明番組で「やらせ」があったわけです。何から何まで「再稼動ありき」で動いています。
玄海原発の抜本的な安全対策には3年かかるのに、こんな再稼動を認めることなど許されません。
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報道ステーション「原発 私はこう思う」 堺屋太一 メモ
今回は元通産省の官僚で作家の堺屋太一氏です。
(以下、メモ)
作家 堺屋太一(75歳)
「原子力発電は少なくとも数十年必要だと思います。そのために、もっと完全に安全にしなくてはいけない。現在の日本の原子力発電の最大の欠点は“基準主義”なんです。官僚が定めた基準に合格すれば、絶対に事故が起こらない、官僚は絶対に間違えない(としている)。従って、事故対策のダメージコントロール(=被害を最小限に抑える事後の措置)がまったく考えられていないんです。だからまず、原子力を再開するにあたっては、ダメージコントロールの仕方、訓練、機具、方法を明確に示して、さらに3ケタくらい安全性を高めてほしいですね」
「私は通産省のサンシャイン計画で、風力、太陽光、地熱を3年半担当する研究官でした。それで、よく分かるんですけども、自然エネルギーで相当の(エネルギー)比率、例えば20%を賄うことはきわめて困難。時間もかかるし、電力料金も上がるし、不便も付きまといます。そういう意味で言いますと、天然ガスと原子力のある程度の利用は避けられないのではないかと思いますね」
堺屋氏は一方で、エネルギー消費を抑える社会に向かうべきだと主張する。
「戦後、石油文明の時代は、エネルギー多消費型の生活態度、社会構成がいいことになっていた。住宅地から工場街やオフィス街や商店街に、長い距離を電車や高速道路で結ぶんだという計画を立てた。これは明らかにエネルギー多消費型なんですね。ここは住宅専用地、工業専用地と分けて行政するのがやりやすいという官僚的発想なんですよ。省エネルギー型の生活、美意識に変えなければならない。例えば、歩いて暮らせる街づくり。だいたい1キロ半径の中にすべてのものがあると。住宅もあれば商店街もあればオフィスもあれば、遊興施設もあれば病院も学校もあると。そうすると、少なくとも10年間に25%ぐらいのエネルギーを減らせます。そうすると、今の原子力発電も順次やめていくことも不可能ではない。この東日本大震災を機会に、官僚主導の文明から自由選択の文明に変える、これが1番大事なポイントですね」
(以上)
「歩いて暮らせる街づくり」、つまり「コンパクトシティ」の推進は、いいこと言ってるなと思いますが、「原子力発電は少なくとも数十年必要だと思います」と言っている時点で終わっています。今年の夏でさえ何とかなりそうなのに、10年間に25%ぐらいのエネルギーを減らせるのに、原発を動かす理由はありません。何をどう考えると「数十年必要」という結論になるのでしょうか。原発を止めて電力が不足するというなら、当面はLNGのガスコンバインドサイクルで賄えば解決です。その間に自然エネルギーを推進すればいいことです。今の利権構造を温存したままの電力会社や保安院に「ダメージコントロール」なんかできるわけがないですし、安全性をゼロから3ケタ積み上げたところで完全な安全などあり得ません。経済産業省の官僚みたいな発言をしながら「官僚主導の文明から自由選択の文明に変える」とは滑稽です。
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発送電分離 先駆けの英米では…停電頻発 安価の代償
(毎日新聞 - 07月03日 09:15)
菅政権が検討に着手した発送電分離だが、欧米では既に取り組んでいる。先駆けとなった英国と米国の現状を報告する。
「電気代節約のため電力会社を変えるのは日常茶飯事よ」。ロンドン市内で夫と年金生活を送るレイナ・ウルフさん(70)は話す。英国では、利用者が複数の配電会社から料金などを比較して選べる。
市場原理を重視するサッチャー政権が電力自由化に着手。90年には国有電力会社を発電会社3社と送電会社1社に分割・民営化した。消費者に配電する小売市場も自由化された。独仏などの企業も相次いで参入。会社員のベッキー・ハバートさん(31)は自宅購入を機に電力会社選びを始めた。「調べてみてびっくり。会社によって年間200ポンド(約2万6000円)も料金が違う」と自由化の効用を強調する。
ただ、コスト競争への対応で経営効率化を迫られ、巨額の費用が必要な発電所への投資が滞るなど自由化の弊害も出始めている。英政府は09年2月、「20年までに総額200億ポンド(約2兆6000億円)の投資をしなければ、電力供給が不足し、大規模停電が起きる可能性がある」との報告書を発表し、電力業界に警鐘を鳴らした。
米国でも90年代以降、電力自由化が各州に拡大し、発送電分離の動きが相次いだ。09年末時点で3000社超の事業者が乱立。20年近くに及ぶ電気料金値下げ競争とコスト削減で設備投資の遅れが指摘される点は英国と共通している。特に送電網の老朽化は深刻だ。
首都ワシントン郊外のメリーランド州ロックビル市に住むアリッサ・ウィーナーさん(43)は買い物から戻り、自宅の電気がつかないことに気づいた。「また停電ね」。動じることもなく、ランタン型の懐中電灯をテーブルに載せ、読書を始めた。「半年に1回は停電しているから慣れているの」と平然。冷蔵庫の中身は停電のたびに全て廃棄し買い直しているという。
ワシントン周辺では年2~3回の停電が当たり前だ。原因は雷雨や強風などだが、今年1月には10センチの降雪で24時間以上停電した地域もあった。
カリフォルニア州で00~01年に大停電が発生したのは、州当局の勧告を受け、電力会社が発電設備を売却するなどの発送電分離が進み、設備投資が滞ったためだ。03年にはニューヨークなどで北米大停電が発生し、電力自由化を取りやめる州も出ている。オバマ大統領が「スマートグリッド(次世代送電網)推進」を掲げたのも脆弱(ぜいじゃく)な送電網への危機感が背景にある。
◇日本、新規参入阻むコスト高
「電力の品質を損なうことになればまずい」。半導体メーカーなどが加盟する日本電機工業会の下村節宏会長(三菱電機会長)は5月末の会見で、菅直人首相らが言及した発送電分離論をけん制した。半導体などの超精密機器の生産にとって電力の安定供給という品質は「命綱」だからだ。電力業界は「発送電分離は顧客への安定した電力供給の責任をあいまいにする」と発送電一括管理の重要性を主張してきた。
確かに日本の電力の「品質」の高さは世界トップクラスだ。年間の平均停電時間は14分(09年度)で世界で最も短い。電力業界によると「風力発電の比率が高い沖縄県が台風の影響で停電が比較的多く、東京電力管内では2分」という。さらに瞬間的に電圧が低下するトラブルも超精密機器には大敵だ。だが「年数十回にも上ることがある欧米に比べ、日本はひとけた」(松村年郎名古屋大教授)と安定した電力供給が日本製品の信頼性を支えてきた面がある。
しかし、日本の電気料金は、電力自由化が進んだ米欧よりも割高だ。インターネット通販大手、楽天の三木谷浩史社長は「電力コストが高いと国際競争力に影響する。新しい流れが必要だ」と、発送電分離を批判する経団連から脱会した。IT(情報技術)業界はデータセンターで大量の電力を必要とするため高い電気料金はマイナスに働く。
日本も制度上は、大口需要家向けの電力小売りは自由化されている。だが、電力大手以外の販売量シェアは10年度で3・4%に過ぎず、大手の「地域独占」は崩れていない。新規事業者が電力大手の送電網を利用して送電する際の利用料が電気料金の2割程度を占め米国よりも負担が重く、参入のハードルが高いからだ。
地域独占の発送電一貫体制の弊害は、福島第1原発事故後の東電の「計画停電」でも表面化した。大手電力同士で融通できる電力には限りがあり、大手以外の事業者は肩代わりできるほどの発電能力を持たない。東電が電力供給をストップした途端、交通網などは大混乱した。
第二次世界大戦前の日本の電力業界は、ほぼ自由市場で数百社の電力会社が乱立していた。戦時中の国家統制による一元管理体制を経て、1951年に全国を9地域に分け、各地域を電力9社がそれぞれ独占する体制(現在は沖縄電力含め10社)がスタートした。それから60年を経て、震災と原発事故という未曽有の危機に直面し、電力システムのあり方が根底から問い直されている。
(立山清也、三沢耕平、宮崎泰宏、野原大輔、和田憲二、ロンドン会川晴之、ワシントン斉藤信宏が担当しました)
>コスト競争への対応で経営効率化を迫られ、巨額の費用が必要な発電所への投資が滞る
「市場原理を重視」した結果、こうなりました。目に見えない電気を消費者が何で選ぶかといえば「料金」で、当然値下げ競争になります。設備投資など企業の利益を減らす「コスト」はなるべくかけないようになります。一消費者として電力会社を選ぶ際に、設備投資をしっかりしているかどうか考える人はほとんどいませんよね。
>特に送電網の老朽化は深刻だ。
イギリスとアメリカの現状から思い出したのは、海外での「水道」事業です。インフラ事業の民営化、自由化にこういう代償はつきもので、目先の利益を優先する民間企業にとってただの「コスト」である設備投資はしなくなります。浄水場や水道管が老朽化すれば、水は満足に供給されなくなります。
>電力システムのあり方が根底から問い直されている
日本は欧米での代償から学び、発送電分離、自由化を進める必要があります。例えば、送電は国有化、発電は自由化でもいいのでは、と思います。送電網の老朽化のリスクなしに電気料金の値下げができるのではないでしょうか。公共的なインフラ事業を担う企業には安定供給を担保できるだけの設備投資が不可欠で、そこは国が関与して一定の規制や条件をつけるべきだと思います。
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報道ステーション「原発 私はこう思う」 鎌田慧 メモ
ルポライターの鎌田慧氏です。
(以下、メモ)
鎌田慧
「原発は象徴的なんですけど、内側から見えないんですよね。通りの向こうとか、岬の裏側とか、表通りからは全然見えないところに原発がある。べつに隠してるわけじゃなくて、過疎地で、まったく道もなかったし、何の政治の光も当たってなかったところに作りやすいということがひとつですよね」
40年以上前から、地元住民や労働者の目線に立って原発の取材を続けてきた鎌田慧さん。原発は立地的にも労働条件的にも特異な構造を持っていると指摘する。
鎌田慧
「そういう地域を狙ってつくるわけですから、きわめて差別的な発電所であるし、そこで働く人たちも、社員は別ですけど、下請け、孫受け、ひ孫受けって、日本の産業で1番労働構造が重層的な産業ですね。これほど重層的に下まであるのはないし、そこの1番下のあたりが被曝労働者になっているわけで、それも今発生している被曝労働者ではなくて、日常的に、定期検査の時に中に入ってパイプの漏れてるところを直すとか、いろんな修理がありますね。修理は被曝労働なんですよね」
原発で地域の発展は
鎌田慧
「私は六ヶ所村というのは、60年代後半から、もう40数年間経ちますけど、ほとんど変わってないですよ。局所的に原子力関係の産業で働いている従業員の宿舎があるだけで、ちょっと町も形成されてないし、商店街も形成されてないし、みんなそうですよ。原発が来ると地域が発展するというのはフィクションだし、原発が未来の明るいエネルギーだというのも宣伝だし、原発は被曝労働者を発生しながら、発電してるわけですけど、他の電力はそういう犠牲がないわけですね」
今後どうしていくのが望ましいか
鎌田慧
「地域に合った、きわめて自然に近いものでやっていく、そういうふうにやっていく未来は安心だと思うんですね。今現在、子供たちのことがものすごく不安ですし、どうなるか分からないという。こういう恐怖を抱えていて、まだ原発をやりましょうとか、今度こそ安全だとか、もう聞けないですよね。今までも、全部安全だ、絶対安全と言ってきたわけですから」
(以上)
福島第一原発の事故によって多くの日本人は初めて「被曝労働」を正面から認識したと思います。3.11以前にどれだけの人がこの問題を意識したことがあったでしょうか。「きわめて差別的な発電所である」「日本の産業で1番労働構造が重層的」という言葉は印象に残りました。「原発が来ると地域が発展するというのはフィクション」に疑問を持つ人もいると思いますが、町が原発産業と電源三法交付金に依存するだけで、他の産業は育たず、もともとあった農・漁業は衰退してしまいます。多くの自治体がハコモノ行政のあげく、その維持費に苦労していたりします。まさに「シャブ漬け」で、原発なしには生きていけなくなります。3.11以降、「原発が未来の明るいエネルギー(笑)」です。
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報道ステーション「原発 私はこう思う」 倉本聰 メモ
今回は作家の倉本聰さんです。
(以下、メモ)
原発事故で感じたこと
作家 倉本聰(76歳)
「僕は、第二次世界大戦の、敗戦の、あの厳しい状況から、ずっと66年間見てますから。こんなに平和になっちゃって、こんなに贅沢になっちゃって、物があふれて、平気で捨てってということが、こんな、おかしく恵まれた世の中が続いてるってことが、ありえないって気分が常に不安感としてあったんですね。だからこういうこと(原発事故)が起きた時に“あっ来た”と思いましたね」
自身の代表作、ドラマ「北の国から」の舞台となった北海道・富良野で生活する倉本さん。原発事故後の日本人が生きる道として、2つの選択肢を挙げ、いずれも厳しい覚悟が必要だと指摘する。
倉本聰
「今まで通りの経済を発達させ、豊かな暮らしを享受することを取るなら、原発はどうしても(維持で)しょうがなくなる。そのときにはまた今度みたいな事故が起きる可能性があるわけだから、それを覚悟しなくちゃいけないわけでしょ。それを覚悟することがみんなにできるのか。それとも、その覚悟じゃなくて、少し使う側(エネルギー)を減らす、我々の足元を見直すということで、減らしていく覚悟があるか。どっちかの選択だと思うんですね。僕のとこにも何人かから電話があって、“暗くなった”と言うんですよ。“街灯も少なくなった”と言うんですよ。ただ、“暗くなったことに最初とっても怖かったんだけども、3日ほどしたら慣れてきた”と言うんですね。“これだったらもう少し暗くても自分は我慢できる”と“これくらいだったら自分は慣れられる”と言っていて、僕はこの“慣れる”というのは希望だと思った。だから本当に身の丈に合った、自分たちのできる範囲の中で無理をしないでやっていくのが筋じゃないかって気がするんですね。そうすると経済が落ちるとか言う人がいらして、僕みたいな意見を暴論だって言うんだけど、僕はそっちの方が暴論だと思う。日本を滅ぼすのはどっちなんだって言いたいね。GNP(国民総生産)が高い世界有数の経済大国だっていう位置を捨てたっていいんじゃないですか。僕はもっと日本って小国になっていいと思う。小国になってもいいけど、世界から尊敬される国になりたいと思う。哲学をきちんと持ったね」
(以上)
古舘氏は一言「うん…」と何かを飲み込むような表情で次の特集(黒柳徹子が見たハイチと東北)を告げCMに入りました。
倉本氏の考えていることは、私も震災前から考えていたことなので、共感できました。人口減少社会に突入した日本で原発を維持していく必要性はありません。経済が落ちると脅す人たちの言うことを聞いても、その経済からの恩恵を庶民が享受することはないので、そんな利権にまみれた人たちは無視して、身の丈に合った国づくりをしていけばいいと思います。GNP世界第2位を維持してきましたが、幸福度は他の先進国より低かったですよね。
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報道ステーション「原発 私はこう思う」 豊田正敏 メモ
東京電力 元副社長、豊田正敏氏です。
(以下、メモ)
東京電力 元副社長 豊田正敏(87歳)
「ともかく原子力は(社長から)安全最優先にやって欲しいということを何回も言われておりましてね。私もその言葉通りに安全最優先で進めてきたつもりなんです」
豊田氏は原発の導入が始まった1960年代、原発の責任者として福島第一原発建設の陣頭指揮をとった人物。
豊田正敏
「最終的には燃料が破損して放射能がばら撒かれたという事態については、非常に残念に思っておりまして、避難された人々、風評被害で損害を被った農・漁業者の方に対して、非常に相済まないという気持ちです」
Q.なぜ事故は起きたのか?
豊田正敏
「電源が全部喪失したのが想定外で、設計ミスと言えば設計ミスかもしれないけれども、タービン建屋に(非常用)ディーゼル発電の電源盤が置かれていたと」
非常用電源が耐震強度の高い原子炉建屋でなく、脆弱なタービン建屋に設置されていたという事実を、豊田氏は知らなかったという。
豊田正敏
「完成してもずっと分からなかった。今回事故が起こるまでは原子炉建屋に置かれているものだとばかり思っていた。GE(米ゼネラルエレクトリック)の設計で、そこに任せている。そうなっている(原子炉建屋にある)ものだと思って。それは後悔してますよ。立ち会っていれば、なんだこれは、タービン建屋にあるじゃないかと気がつくわけで。誰も気がつかなかった。原子炉メーカーも見ているわけですからね。東電だけではなくて保安院とか原子力安全委員会にも責任がある」
Q.今後の日本にエネルギーは?
豊田正敏
「原子力に頼らないで自然エネルギーに頼れば高くつくと。(発電)量的にもそれほど賄えない。火力発電に頼らなければいけない。石油の値段が高いとかLNG(液化天然ガス)が高いので、経済的にも高くなる。日本経済が成り立たないのではないかという心配がありますけれども、安全が最優先で一般国民が安全について納得していただくことが最初の段階だと思ってます。原子力関係者が“やれ”とか“やりたい”と行ってみても始まらない。個人的には(原発を)やっていただきたいという気はあるけれども、やれるかどうか判断しろと言われると私は今の段階では何とも言えません」」
(以上)
VTRが終わると古舘氏のコメントなしですぐCMに入りました。
非常用電源が耐震強度の高い原子炉建屋でなく、脆弱なタービン建屋に設置されていたという事実を知らなかったという話は本当なのでしょうか。業者に丸投げしていたにしても、東電側の誰も知らない状況は起こりうるのでしょうか。知らなかった、想定外、で許されることではありませんが。時折笑みを浮かべながら話す姿からは責任を感じているようには思えませんでした。
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